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環境ストレスによる植物の生育匝害

酸性雨

紫 外 線 酸素 温度 酸性土痕 アルカ性土寝 塩類集積土寝

アルミニウムイオンが、主な原因である。

では,どうして酸性土壌で植物の生育が阻害きれるのでしょうか。その直接の原因は酸性で はなく,土壌が酸性になることによって,土壌の主要な元素であるアルミニウムがイオンとし て溶出し,このアルミニウムイオンが根を攻撃するためであると考えられています。根は植物 にとって重要な器官でありまして,ここから生育に必要な水や窒素, リン酸,カリウムといっ た元素を吸収して地上部が生育します。アルミニウムイオンが根を攻撃しますとこの養分の吸

収が阻害きれ,地上部の生育が阻害きれるわけです(図2.)。図3には,エンドウ豆をアルミニ ウムで処理した例を示しています。対照区に比較してアルミニウム処理区では根や上陸軸の伸 びが阻害きれているのがわかります。

そこで私達は,アルミニウムでなぜ生育が阻害きれるのかを,先ず細胞および分子レベルで 明らかにしたいと考え,解析の容易な培養細胞を使って研究を開始しました。図4には,私達 が用いていますタバコ培養細胞をアルミニウムで処理し,アルミニウムが細胞のどの部位に集 積しているかを調べたものです。アルミニウムを検出する色素で染色しますと,青〈染色きれ

た部位,すなわち細胞壁や原形質膜を含む細胞表面と核に集積しているのが分かります。

図3

図5

アルミニウム毒性被槍

K+ 

細胞壁

AI9+ 

(HO..  0 .OH)

脂質的過Itit

細胞眼視舵の低下

Fe2 細胞死

アルミ二ウムイオンは鉄イオンと共に原形質恨の 脂質的過陵化を引塵起こし、原形質腹自.能を低 下させ細胞死に111る.

図4

図6

アルミニウム耐性機嫌

‑ ‑

n

a a円 ︐

am

AI9+  活性霞.消去系白

Fe2

1 ( ‑ " ' .

シダーゼ

グルタテ雰ンーs

トランスフエラーゼ βーカロチン

原彰賀.において、活性殴震のi両去系を活性化喜 せ、脂質過It化が起らないようにする.

この培養細胞系を使って,私達が明らかにしましたアルミニウムによる毒性機構を図5に示 しています。まず,アルミニウムが細胞壁や細胞膜に結合しますと鉄イオンが細胞内に流入し

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活性酸素の発生を促進します。活性酸素は,原形質膜の過酸化を引き起こしその結果原形質 膜の機能が低下し,細胞死に到ることが分かりました。

また,アルミニウムに対する耐性の機構としましては,たとえアルミニウムによって鉄イオ ンが細胞内に流入しでも,活性酸素を消去する低分子物質を原形質膜に埋め込んでやるとアル ミニウムの毒性は全〈表れなくなることが分かりました。また,アルミニウムに耐性をしめす 細胞には,パーオキシダーゼやグノレタチオンー

s ‑

トランスフエラーゼ, βーカロテンといった活 性酸素消去系の酵素や低分子物質の,量が増えたり遺伝子発現が増加していることが分かりま

した。このことから,活性酸素消去系の活性を高めることによってアルミニウム耐性を獲得す る可能性が考えられます。

以上の結果は培養細胞を用いて得られたものですので,植物個体でも同じことが起こるかど うかの確認が必要です。この問題も含めまして今後の研究の方向ですが,先ずなぜアルミニウ ムが植物を枯死きせるのか,その毒性機構の詳細を細胞および分子のレベルで明らかにしたい と思います。きらに,明らかになった毒性機構に基づいて植物がどのようにしてアルミニウム に耐えているのか,その耐性機構も明らかにしたいと思います。きらに耐性に関わる遺伝子を 分離し,その遺伝子を用いた耐性植物の作出も行っていきたいと考えております。

2 1 世紀に向けての研究と課題

生物機能解析部門

機 能 物 質 解 析 分 野 杉 本

私は糖質関連酵素のタンパク質工学について研究を進めています。糖質関連酵素はデンプン 加工品の製造に重要な働きをしており,酵素の工業的利用の中て最大の位置を占めています。

また,これら酵素の機能を解析した結果,腸内有用細菌である ピフィズス菌"の増殖を活発 にし整腸効果を示すフラクトオリゴ糖,抗う蝕性で虫歯予防に有効である機能性甘味料の合成 など酵素の高度利用が行われています。この研究分野では将来においても有用オリコ糖の発見 が期待きれます。しかし,それが天然に存在する酵素では合成不可能である場合も当然起こり えます。この様な場合,タンパク質工学が最も重要な役割を担うと思われます。

タンパク質工学とは,タンパク質の立体構造を解明し,その構造と機能の相関関係を明確に した上で,任意に構造を改変し希望する機能を持ったタンパク質を創生することです。これに はできるだけ多くのタンパク質についてその機能と構造の相関関係の研究結果が要求きれます。

機能と構造の相関関係の情報が多ければ多いほど,必要とする機能を持ったタンパク質構造が より精度高〈予想きれ,希望するタンパク質を手にすることができるのです。以上の点から,

私はできる限り多くの糖質関連酵素の構造と機能について解明を強力に進め,将来必要ときれ る機能を持った糖質関連酵素の創生に寄与したいと思います。

地球環境の異変,人口増加による食糧不足,ある いは食品に対する人々の多様なニーズの要求など,

21世紀では食糧に関する諸問題が非常に重要になる と考えます。この問題を解決するには資源植物の持 つ能力を高度に開発する必要があります。そのひと つにタンパク質工学で得た人工酵素が利用できると 考えています。つまり,人工酵素遺伝子を資源植物 に導入し発現きせることにより植物の物質代謝系を 変化きせ,その結果良質品種の育成や有用糖化合物

をもったトランスジェニック植物の創生を行いたい と思います。また,人工酵素遺伝子を微生物で発現 きせ大量の人工酵素を調製し,有用糖化合物を効率 よく生産することも重要な目的です(図1)。これら のことは食品分野に広く利用,貢献できるものと期 待します。

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