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ヶ月以内の 問題症例の対処が困難

ドキュメント内 VA機能不全に対するPTA法の進歩と課題 (ページ 51-72)

MC

現状では紹介される 3 ヶ月以内の 問題症例の対処が困難

(紹介される問題症例)

1) 短期再来が困難な患者が、紹介先医院もしくは他の総 合病院にて、 3 ヶ月以内に PTA を行った患者が遠方から 来院する。

2) 年間 PTA を 4 回以上行っているが、再建術では人工 血管等を拒否している紹介患者。

(医師と患者の双方がアクセス医を

shopping している。)

3 ヶ月ルールでの保険請求の実際

1/1 3/31 5/1 7/1 9/1 11/29

〇 × 〇 × 〇 × 請求(+) 3回

請求(-) 3回

〇 × × × × × 3ヶ月以内:5回

3ヶ月以降:1回

<解析対象>

2014年1月~12月(1年間)

AVF 286例

AVG 96例

3 ヶ月以内に行った VAIVT 症例数の割合

期間 全症例数 3ヶ月以内 実施VAIVT数

比率

(%)

AVF

2010/9/1 ~ 2012/3/31 199 56 28.1

2012/4/1 ~ 2013/3/31 179 34 19.0

2013/4/1 ~ 2014/3/31 235 69 29.4

2014/4/1 ~ 2015/3/31 308 148 48.0

2015/4/1 ~ 2015/8/31 98 23 23.5

AVG

2010/9/1 ~ 2012/3/31 137 44 32.1

2012/4/1 ~ 2013/3/31 98 16 16.3

2013/4/1 ~ 2014/3/31 94 36 38.3

2014/4/1 ~ 2015/3/31 98 40 40.8

2015/4/1 ~ 2015/8/31 42 3 7.1

期間:2010年9月~2015年8月

318.23 307.3

348.08

391.78 396.98

375

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

全体 AVF AVG

3ヶ月以内 3ヶ月以降

(mℓ/分)

** *** n.s.

〔mean±SE〕

** : p<0.01

*** :p<0.001

PTA 施行時の流量比較

レセプト請求例の流量比較

373.68 374.67 370.41

312.39

299.06

342.93

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

全体 AVF AVG

レセプト請求(+) レセプト請求(-)

* *

n.s.

〔mean±SE〕

* : p<0.05

179件 131件 48件

203件 155件 48件

280件 215件

65件

102件 71件 31件

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

全体 AVF AVG

3ヶ月以内 3ヶ月以降 レセプト請求(+) レセプト請求(-)

PTA の施行とレセプト請求の実態( 2014 年)

53%

47%

54%

46%

50%

50%

27%

73%

25%

75%

32%

68%

53%

47%

54%

46%

50%

50%

27%

73%

25%

75%

32%

68%

11 9

2

129 89 40

129

87

42

11 11

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

全体 AVF AVG

3ヶ月以内 3ヶ月以降 レセプト請求(+) レセプト請求(-)

Fig.3 PTA の施行とレセプト請求の実態( 2015 年4月~ 8 月)

シャント血管ミルキング法

約6割のシャント狭窄音が消失した。

シャント血管をマッサージする強さは止血圧程度で、狭窄音のある部位を シャントの吻合部である上流から下流に向けて、看護師の指の第2指から4 指を軸にしごくようにマッサージする。

タイミングは透析開始時の聴診で狭窄音が聴かれたとき、穿刺担当の看護 師が1分間シャント血管をミルキングし、モニタリング用チェックシート(図1) に記録する。

石田容子.シャント血管ミルキング法による狭窄音消失の報告 アクセス200384-85

(仙台社会保険病院腎センター透析室)

表 1 シャント血管ミルキング法禁忌の血管

1. シャント作製後2週間未満で、新シャント穿刺3回目までの血管 2. 狭窄部位に郷土の痛みや腫脹がある場合

3. シャント瘤が外科的に処置が必要とされている血管。

そうでない場合も瘤のある血管は主治医に確認する。

4. 人工血管=効果が見込めない 5. ステントのエッジ(端)部分

6. ステロイド長期投与者・高齢者・皮膚(表皮)が薄くない出血や 表皮剥離のリスクがある患者

7. 心房や心室中隔欠損のある患者

石田容子.シャント血管ミルキング法による狭窄音消失の報告 アクセス200384-85

(仙台社会保険病院腎センター透析室)

図 1 モニタリング用チェックシート

※あてはまるところをレ点チェック!!

~HD開始時狭窄音があった場合~

①狭窄音部位 ( )吻合部

( )吻合部より( )cm

②狭窄部位と一致しているか?

<狭窄の範囲は駆血して行うこと>

③狭窄音部位を止血圧程度で1分間、シャント血管ミルキングを行う。

④ミルキング後の狭窄音の変化

( )変化なし

( )狭窄音は軽減した

( )狭窄音は増強した

( )狭窄音は消失した

⑤患者氏名( )チーム( )

平成24年( )月( )日

石田容子.シャント血管ミルキング法による狭窄音消失の報告 アクセス200384-85

(仙台社会保険病院腎センター透析室)

(総括)

1) 3 ヶ月以内の PTA は、 AVF 群では P.I,R.I, 血流量は有意 に 3 ヶ月以降に行っている群より悪化している。緊急性 があった症例であった。

2) 閉塞症例とならないために、経過観察を超音波で行 いデータベースで PTA を施行しているが、血管温存や 手技の問題で他施設依頼の症例を受け入れることで 3 ヶ月以内症例は増加している。

3) しかし、デバイス以外の方法(ミルキング法)で、一部

の症例で開存期間は延長した。

VAIVT の3ヶ月ルールへの対応策

3ヶ月ルールの対象を、1)3ヶ月もたない症例に対する外科的対応、2)VAIVT自体が うまくいかないときの外科的対応に分けて考える。

1) 3ヶ月もたない症例に対する外科的対応

①まずはそのVAIVTが必要かどうかの適応の問題がある。造影所見だけにとらわれ

て、VAIVTの施行を決定していないか、透析量(Kt/V)や透析効率の低下をきたして

いないかを評価することが必要である。透析効率の低下(再循環率の悪化)をきた している場合こそ3ヶ月以内のVAIVTの適応があるのではないか、それでも改善し ないとなると動脈シャント心負荷に伴う透析心不全をきたしている可能性も評価さ れるべきである。

②3ヶ月以内に再VAIVTをせざるを得ない場合は前回の治療条件に問題がないか、

たとえばバルーンが細すぎないか、または完全拡張を行う必要があるのか、ない のか、が問われる。

鵜川豊世武.Balloon拡張治療 バスキュラーアクセスインターベンションの最前線,171-188

(岡山大学病院 高度救命救急センター)

VAIVT の3ヶ月ルールへの対応策

2)VAIVT自体がうまくいかないときの外科的対応

①VAIVTがうまくいかない例では、手術デザインに問題があることが多い。たとえば

肘部に動・静脈吻合部があるAVGでは、VAIVTの効果が少ない。また静脈側の延 長の際、静脈側吻合をどこにもってくるかなどの問題が発生する。AVG静脈側の

頻回VAIVT(ステント留置でも)に対する再狭窄や閉塞例には、静脈側中枢部へ

の再吻合などが対応策と考えられるが、再吻合の中枢側にも狭窄が発生するこ とが考えられる。

②AVFでは、吻合法を改良すべきである。吻合部や吻合直上部でも再狭窄が早い 例は、静脈側の分枝が多く、また吻合部の角度、吻合法(端側、側々、端端)の 問題や再吻合の際の問題などが考えられる。VAIVTを視野に入れたAVF作製が 問われる。

鵜川豊世武.Balloon拡張治療 バスキュラーアクセスインターベンションの最前線,171-188

(岡山大学病院 高度救命救急センター)

VAIVT の3ヶ月ルールへの対応策

VAIVTの実施基準は、ある程度の共通項はあるものの施設ごとに異なっているのが

実情である。

そのため、機能的な問題や器質的な問題に対して一定の判断(診断)基準を作り、

それに基づいて実施していく必要があると思われる。

その際、機能を重視するのか、器質的な変化を重視するのか、3ヶ月を超えるよう なやや厳しい基準を作るのかなど、これまでの報告や検討結果を踏まえて決める べきであり、さらには、ガイドラインに提示し認知されるべきである。

一方、治療手技は施設間の差はあるものの全体的に向上していると思われ、これ 以上の開存期間の延長を目指すなら、テキストを参考に1つひとつの手技を丁寧に 実施していくか、(具体的なイメージはないが)画期的なバルーンの登場を待つしか ない。

佐藤元美.急性血液浄化用 バスキュラーアクセスインターベンションの最前線,15-25

(社会保険中京病院 腎・透析科)

VAIVT の3ヶ月ルールへの対応策

①バルーンPTA予約時点でVAIVT後の3ヶ月未満の再VAIVT症例を減らす工夫

当院では、VAIVTを施行した全患者の放射線科専用のカルテを作成・保管しており、

STS連携パス表が送信されてきた時点で、前回VAIVT後3ヶ月未満であっても、その カルテから各症例の各VAIVT後の開存期間や過去の閉塞歴、前回治療時の狭窄 の程度などを確認し、前回VAIVTから3ヶ月経過するまで待機可能と判断した症例 については、3ヶ月経過するのを待って次回VAIVTするようにしている。

②VAIVT後3ヶ月未満の再VAIVT例を減らす技術的工夫

・超高耐圧バルーンやカッティングバルーンを用いて完全拡張を図る。

・完全拡張のうえ、長時間加圧(2~5分)を試みる。

・外科的再建の余地がなく、また閉塞すると再開通が困難となることが予想される 症例では、やむを得ずステントを使用することもある。

③VAIVT後3ヶ月未満の再VAIVT時の実際

使用したデバイスは病院のもち出しとなるため、原則として一般型バルーンカテー テル1本、0.035インチガイドワイヤー1本、シースイントロデューサ1本のみの使用 で対応する。それぞれの使用可能なものの中で、できるだけ納入価が安価なもの を使用し、かつ最低限のデバイス使用で手技を完遂する。

後藤靖雄.Balloon拡張治療 バスキュラーアクセスインターベンションの最前線,127-147

(仙台社会保険病院 バスキュラーセンター)

「 3 ヶ月ルールを取り巻く状況」

#1 device のコストは低下している。

#2 3 ヶ月以内だと低額手技料( 3130 点)かつ device cost free で 行う問題点(包括医療ではない) 公的病院か私的病院か で、治療方針に違いが生じるのではないか。

#3 このルールは、治療方針の決定者による単回の手技では なく、患者の将来的治療方針に考慮することを委ねている。

#4 VAIVT の根幹は、血管のロスを最小限にしていくことである

が、年齢や患者の状態を考慮した将来のアクセスも視野に

入れておくべきである。

3 ヶ月ルールの考え方

3 ヶ月ルールによる損失分は、手技料が 6 倍

になったことでその割合をすくなくするための

努力、すなわち開存期間を延長させる device

の選択や拡張法の工夫によって包括吸収で

きると考えられる。

ドキュメント内 VA機能不全に対するPTA法の進歩と課題 (ページ 51-72)

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