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住民のワークショップを基礎とした地域づくりプロジェクト

―― 山形県農林水産部農政企画課の取組

取組の経緯 ―― 地域の行動計画づくり支援

山形県では、中山間地域や農山漁村地域の高齢化や産業の担い手不足等を背景として、

平成20年頃より、農林水産部農政企画課が中心となって地域づくりを支援している。

その方法は、「地域づくりプランナー」(平成26年度現在、県職員13名)が各地域に 入って「地域診断」を行い地域づくりに向けた課題を整理した上で、地域づくりワーク

ブランドシンボルマーク

「やまみちゃん」 やまみちゃん合同販売会の様子

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ショップを基礎としたプロジェクトを市町関係者等とともに進めるものである。この一 環として、農村、漁村の女性や若者の地域活動や起業等が支援されている。平成20年 度には「農山村活性化プロ派遣事業」(~平成26年度)を開始し、平成22年度からは、

この事業のなかから産業振興や雇用創出につながる実践を「女性や若者が活躍できる新 たな産業創出事業」(~平成26年度)として対象と目的を絞った取組を開始した。

女性・若者の人材発掘を促進する事業を拡大

平成27年度より、前出の2つの事業は「元気な地域づくり支援プロジェクト事業」

および「元気な女性・若者ビジネス応援事業」へ移行している。前者は、閉校する小学 校の活用や自治振興会の行動計画づくりといった直接的には産業振興には結びつかない 農山漁村における地域づくりを含むもので、後者は、前者の地域づくり活動の過程から 芽が出た取組も含め、農林水産物や地域資源を活かして付加価値や雇用を生み出す地域 内のスモールビジネスを促進する取組である。この事業は平成26年度までは、年間6 地区程度を対象としていたが、平成27年度の新規事業としては、知事の提案のもと、

2年間で100件の支援を目標としている。1 ~2年間の各取組について、上限30万円 の補助金を交付する。

支援の対象となる団体は公募による。平成27年度の募集(4・5月)には、73件の 応募があり、58件を選定した(うち中山間地域19件、平場36件、庄内地区漁村3件。

団体には男性メンバーを含む場合もある)。対象者は、必要に応じて、「地域づくりプラ ンナー」による支援のほか、加工品のビジネス化に必要なノウハウの提供を受けること ができる。

「地域づくりプランナー」による支援には、住民が広く参加する地域づくりワーク ショップを用いている。プランナーは、市町村職員や地域住民が主体となって話し合う プログラムの運営をサポートし、具体的な課題解決や目標の達成に向けた道筋をつけ、

実践活動へ移行するための支援も行う。例えば、女性グループがある集落で起業を希望 している場合、自治組織の長を含めた地域住民が、起業が地域へもたらす利点を共有し、

活動の障害となり得る地域での固定的な性別役割分担意識の払拭が促せるような話し合 いのサポートを行う。

これらの事業のほか、内閣府「地域女性活躍促進交付金」を活用し、平成26・27年 度に「やまがた6次産業化農業女性起業応援セミナー」も実施した。このセミナーは広 く非農家の女性も含めた気運醸成の場として位置づけるとともに、専門アドバイザー(県 職員等)による個別ビジネス相談会の機会を提供し、相談の希望者には記名式で相談内 容を事前に尋ねるなどして状況を把握し、人材の掘り起しを試みた。

庁内の人材育成と体制強化

農山漁村地域支援にあたっては、「地域づくりプランナー」の育成や庁内の体制づく り等、実践に対応できる庁内の人材育成と体制強化を図っている。

「地域づくりプランナー」は、「自らの技術で地域課題解決のための対応プログラム を作成、話し合いのための企画運営が可能となり、併せて新たなプランナーを指導育成 できる能力を身につけた職員」として、平成26年度までに、農業土木関連の職員から 13名(女性は20歳代1名)を認定してきたが、平成27年度までに累計30名、平成 32年度までに50名を育成することを目標としている。育成のための研修は以下のとお りとなっている。

区分 内容 対象 日数

1)基礎研修 ワークショップの基礎知識と演習研修 農業農村整備事業等に携わる 全職員(約280名) 1日 2)現場研修 地域で開催されるワークショップを活用し、

計画的に参加・体験する 基礎研修受講者 1日以上

3)企画研修 ワークショップの企画研修

(具体のプログラム作成等)

現場研修受講者で

所属長の推薦のある職員 1日以上 4)実践研修 地域でのワークショップをプログラムにし、

実際に3回程度運営

企画研修受講者で

所属長の推薦のある職員 3日以上

地域づくりの支援を充実させるとともに、地域づくりプランナーが実践で力量を形成 する機会の1つとして、ケーススタディによる検討がある。「元気な地域づくり支援プ ロジェクト事業」の支援対象となった地域のなかから、平成26年度12件、平成27年 度は16件のケーススタディを「農山間地域における農林振興と農山村活性化プロジェ クト戦略会議」として実施している。ケーススタディ(プロジェクト)ごとに、地域づ

地域振興ワークショップ

(大江町七軒地区)の様子 地域振興計画づくりワークショップ

(上山市楢下地区)の様子

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くりプランナー、本庁の関係部局職員、各地域の総合支庁職員等からなるタスクチーム を結成し、外部有識者と関係者を交えた戦略会議を実施、取組内容の評価・検証や地域 振興に向けた支援策の検討を行っている。

また、庁内の他部局との情報共有の場も設けている。農山漁村の振興や地域づくりは、

様々な分野の事業にもかかわるため、平成21年度より、農林水産部農政企画課が事務 局となり「地域振興推進研究会」を立ち上げた。農林水産部次長が座長(会長)となり、

研究会には実務担当者である課長補佐以下が出席する。毎年4月には事業説明会を実施、

その後は適宜メール等で個別に、課題や予算要求等における調整、マッチングを行って いる。研究会の構成部局は以下のとおりである。

地域振興推進研究会 構成部局

会  長:農林水産部次長

構成部局: 農政企画課(事務局)、農業技術環境課、県土利用政策課、

文化財生涯学習課、若者支援・男女共同参画課、農村計画課、

林業振興課、6次産業推進課、観光交流課、みどり自然課、

市町村課、義務教育課

参考文献

犬塚協太 2013 「『地域活動にかかわっている男性』への支援」国立女性教育会館編『男女共同参画と男性

――男性の家庭・地域参画を進める学習プログラムハンドブック』: 52-58.

厚生労働省 2013 『メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル』

http://www.mhlw.go.jp/topics/koyoukintou/2013/03/07-01.html

国立女性教育会館編 2014『男女共同参画の視点に立った若者のキャリア形成支援ハンドブック』

齋藤京子 2010 「農村女性起業の可能性と不確実性」『JA総研レポート』2010春第13号

武石恵美子 2014 「女性の仕事意欲を高める起業の取り組み」佐藤博樹・武石恵美子編『ワーク・ライフ・バラ ンス支援の課題――人材多様化時代における企業の対応』東京大学出版会

中小企業庁編 2014 『中小企業白書 2014年版』

内閣府編 2016 「取組事例ファイル団体編『輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会』行動宣言賛同者の 取組」『共同参画』1月号第86号2016年1月10日: 14-15.

http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2015/201601/pdf/201601.pdf 内閣府男女共同参画局編 2015 『男女共同参画白書 平成27年版』

中道仁美編 2008 『女性からみる日本の漁業と漁村』農林統計出版

日本政策金融公庫総合研究所 2013『女性起業家の開業 ~「2013年度新規開業実態調査(特別調査)」の結果か ら~』https://www.jfc.go.jp/n/findings/eb_findings.html

参考資料1 図表でみる都道府県のすがた 参考資料2 第 4 次男女共同参画基本計画〔概要〕

参考資料3  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

(女性活躍推進法)〔概要〕

資料編

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資料編

参考資料1

参考資料1 図表でみる都道府県のすがた

 女性の活躍推進が必要とされる背景には、急激に変化する日本社会の現状がある。取り組むべ き課題は、様々な分野にわたっている。ここでは、人口、労働、意識、子育て環境、教育の分野 における日本社会の現状を、都道府県別の図表を通して概観する。

図表2  都道府県別の平成17 年~22 年及び平成22 年~27 年の人口増減の関係

平成22年~27年の

人 口 増 減 前回人口増減との比較 都 道 府 県 名

人口が増加

増加が加速 福岡県,沖縄県 計2

増加が緩和 埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,愛知県,滋賀県 計6

減少から増加に転換 該当なし

人口が減少

増加から減少に転換 大阪府 計1

減少が緩和 岩手県,鳥取県,島根県,広島県,長崎県 計5

減少が加速

北海道,青森県,宮城県,秋田県,山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,

新潟県,富山県,石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,静岡県,三重県,

京都府,兵庫県,奈良県,和歌山県,岡山県,山口県,徳島県,香川県,

愛媛県,高知県,佐賀県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県

計 33 減少(3.0%以上)

減少(1.5%以上 3.0%未満)

減少(1.5%未満)

増加

北海道 -2.2 青森県 -4.7 岩手県 -3.8 宮城県 -0.6 秋田県 -5.8 山形県 -3.9 福島県 -5.7 茨城県 -1.7 栃木県 -1.6 群馬県 -1.7 埼玉県 0.9 千葉県 0.1 東京都 2.7 神奈川県 0.9 新潟県 -2.9 富山県 -2.4 石川県 -1.3 福井県 -2.4 山梨県 -3.2 長野県 -2.4 岐阜県 -2.3 静岡県 -1.7 愛知県 1.0 三重県 -2.1

滋賀県 0.2 京都府 -1.0 大阪府 -0.3 兵庫県 -0.9 奈良県 -2.6 和歌山県 -3.8 鳥取県 -2.6 島根県 -3.2 岡山県 -1.2 広島県 -0.6 山口県 -3.2 徳島県 -3.7 香川県 -1.9 愛媛県 -3.2 高知県 -4.7 福岡県 0.6 佐賀県 -1.9 長崎県 -3.4 熊本県 -1.7 大分県 -2.5 宮崎県 -2.7 鹿児島県 -3.4 沖縄県 3.0 全国平均 -0.7 割合(%) 割合(%)

図表1 都道府県別人口増減率(平成22年~ 27年)

出典:総務省統計局『平成27年国勢調査人口速報集計結果』より作成  出典:総務省「平成27年国勢調査人口速報集計」より作成