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レギュレータ及びオブザーバの設計とシミュレーション結果

A−KC KCA−

4.2.2 レギュレータ及びオブザーバの設計とシミュレーション結果

前項で説明した手法を用いて、レギュレータ及びオブザーバを設計する。設計は以下の 仕様を満たすよう行う。

(1)ステップ応答において、オーバーシュート及び定常偏差が生じない。

(2)外乱特性において、定常偏差が生じず、目標値に対して追従する。

以上の仕様をふまえ、設計したレギュレータの極psfは、psf =-7×2πとした。

極の配置については、同定モデルの可制御性行列のランクが4であることから、適切な レギュレータの極Fpの位置は-7×2πの4重根と判断し、

]

[ rg rg rg

p p p p

F = (4.2.10) つまり、フィードバック係数行列Fsfは、

) , , ker( p p p

sf ac A B F

F = ]

0002 . 0 1 2.295 0.3697

-0.0008 [

105× −

= (4.2.11)

となる。ただし、制御対象の状態方程式は第3章(3.3)式の伝達関数より、

[ 0 1 33 . 77 ] , [ ] 0

0 0

4 . 4632 ,

0 1 0

0 0 1

0 48576 78

. 99

=

=

 

 

=

 

 

 − −

=

D C

B

A

(4.2.12)

である。

次に、オブザーバの極配置は、レギュレータより速い応答性を考え、極座標におい てレギュレータの極より左に設定し、試行錯誤によりpob =-20×2πとした。オブザー バの極Kpは-20×2πの3重根と判断し、

]

[ ob ob ob

p p p p

K = (4.2.13) とした。これよりゲイン行列Ksfは、

) , ,

ker( pT pT p

T

sf ac A C F

K =

 

 

=

0.0003 0.0489 7.8831

-K

sf (4.2.14)

となった。

このモデルを用いて状態フィードバック制御を適用したときの制御対象の周波数特

性を図4.2.5に示す。同図から、状態フィードバック制御を適用したことにより共振特

性を改善できたことが確認できる。また、極配置を行った後の制御対象Psfの伝達関数 は下式のようになる。

3 5 3

3

) 2 7 (s

10 56 . 1 )

( + ×

π

= ×

= ⋅

rg p

sf s p

z

P k (4.2.15)

以上により設計したコントローラによる、状態フィードバック制御の有効性を確認する ためにシミュレーションを行った。シミュレーション条件は前節と同様である。まず位置 ステップ応答のシミュレーション結果を図4.2.6に示す。比較のために前節のPID制御での シミュレーション結果を重ねて示す。同図より、オーバーシュート0 %、整定時間は127.1ms である。整定時間はPID制御と比較するとわずかに速くなった。また、外乱の印加による ドロップ量は0.724mmであり、PID制御に比べて大きくなっている。しかし定常偏差はな く、目標値への追従が早くなっていることから、外乱特性はPID制御系に対し改善してい るといえる。

次に、状態フィードバック制御を導入した制御系に対する正弦波指令によるシミュレ ーションを行った。シミュレーション条件は4.1.2項と同様である。まず出力波形を図4.2.7 に示す。振幅は状態フィードバック制御の結果に比べ、減衰は小さくなっている。外乱 として印加した高調波に対する補償性能を評価するため、出力のFFT解析結果を図4.2.8 に示す。外乱の周波数である33.263Hz付近におけるピークの強度は約1.35であり、10Hz 付近のピークに対する割合は3.91%である。

-80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0

Magnitude (dB)

101 102 103

-270 -225 -180 -135 -90 -45 0

Phase (deg)

Bode Diagram

Frequency (rad/sec)

図4.2.5 状態フィードバック制御適用後の制御系の周波数特性

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

time[s]

position[mm]

pid

state feedback

図4.2.6 状態フィードバック制御及びPID制御のステップ応答比較

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 -0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

time[s]

position[mm]

state feedback

図4.2.7 正弦波シミュレーション結果(状態フィードバック)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

0 5 10 15 20 25 30 35

Frequency (Hz)

Power

com ponent f requenci es com ponent f requenci es com ponent f requenci es com ponent f requenci es

4.3 外乱オブザーバ

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