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ルンタン灌漑近代化事業

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第5章  総合所見

5.2    事業実施に向けての提言

5.2.1  ルンタン灌漑近代化事業

ルンタン灌漑近代化事業については、PTSL-II で実施した案件形成調査において最優先事業と して取り上げられている。本事業は中期国家開発計画(2010-2014)に掲げる灌漑施設の改修・近代 化を通じた施設の機能維持、引いてはコメの増産に大きく貢献するものである。また、現在建設中の ジャディゲデ多目的ダムは 2013 年に完成予定であり、ダム効果の早期発現のためにはルンタン灌 漑事業の近代化が不可欠である。以上のことから、本事業の早期実施が強く望まれる。 

本事業では、老朽化した施設の整備のみならず、灌漑においては、適正な管理を実現するため のデータに基づく管理としてテレメータリングなどの管理システムの導入や整備した資産を良好に維 持のためのデータベース化、資産適正管理手法の導入、幹線系、末端系の管理組織の強化などが 必要とされる。また、土地利用計画の見直し、生産力や生産性の向上と営農組織の強化し、かんが いの有効性を持続的なものにすることが大切で、本地区は、そのモデルとして期待される。 

本事業では、次の4つのコンポーネントの実施を提案する。即ち、1)灌漑施設近代化のための調 査・測量・設計(SID)コンポーネント、2)ハード(工事)コンポーネント、3)ソフト(教育訓練)コンポー ネント、4)これらを包括的に実施・管理するコンサルタンの調達である。具体的には、 

1)  調査・測量・設計(SID)コンポーネント 

¾ 最新の情報やデータに基づいて、ジャディゲデダムへの流入量、ダムのオペレーショ ンプラン、灌漑・上水・工業用水の需要を見直して、ダムにおける水収支計画を更新 する。 

¾ 水源涵養の観点から、ジャディゲデダムの上流域保全計画を検討する。 

¾ チレボン、インドラマユ、マジャレンカ県の空間設計図と最新の衛星画像をもとに、事 業地区全体の将来土地利用計画を検討する。 

¾ 既存の幹線水路および二次水路の代表的なポイントで流量観測を行い、水路容量を 確認する。 

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¾ 詳細設計に必要となる最小限の幹線水路および二次水路の縦横断測量を実施する。 

¾ 既存構造物のインベントリー調査・評価を実施し、その結果をデータベース化する。主 要構造物は非破壊試験又はそれに相当する最新の方法で品質程度を確認するととも にその対策を検討する。 

¾ 上記の検討結果を踏まえて、近代化事業の詳細設計を実施する。 

2)  ハード(工事)コンポーネント 

¾ 幹線水路および二次水路については、原設計の水路容量を回復することを目的とし て水路ライニングを行う。ライニングの方法は、コンクリート被覆工(現場打ち)、プレキ ャストコンクリート、練石積など考えられるが、工期、コスト、施工性等を勘案して決定す る。 

¾ 主要な分水施設では量水施設(パーシャルフリュームや台形堰など)を設置し、流量 計測を行う。 

¾ 灌漑(送水)計画に従って、適切な水配分を実施するために、ジャティゲデダム、ルン タン頭首工および幹支線水路の主要分水施設には遠隔水位モニタリング・システムを 設置する。 

3)  ソフト(教育訓練)コンポーネント 

¾ 遠隔水位モニタリング・システムと連動して、コンピュータによる灌漑計画策定、流量モ ニタリング、灌漑実績の評価を行うシステムを開発し、導入する。 

¾ O&M に係る組織・制度の強化を行う。現在、州と県の2つの灌漑局が担当しているが 責任の所在が不明であることから、州灌漑局に一元化する方向で調整する。 

¾ 農業多様化(高付加価値作物、果樹、花卉、畜産、水産など)の導入及び農業多様化 に必要な水管理の実務訓練を通じて、農民組合の能力強化を図る。 

¾ 首都ジャカルタやスマランへの交通利便性を生かして、農産物流通システムの構築を 図る。 

4)  コンサルティングサービス 

¾ 上記1)〜3)を包括的に実施・管理する。 

 

5.2.2  メラウケ食料基地開発事業 

インドネシア政府(農業省)は、MIFEE 計画を基本に、参入企業を募り、民間投資による開発を進 めている状況である。現状では、インフラ整備も含めて民間投資による開発を考えているため、わが 国への支援の要請は具体的にはない状況である。一方で、参入企業は、模様眺めの傾向が強く、こ のまま、計画が進展するには大きな困難があると考えられ、インフラの整備など政府からの投資環境 の整備が必要になってくるものと思われる。 

 

- 23 - の整備が早急に必要になってくるものと思われる。 

当面は、インドネシア政府の取り組み動向を注視してゆくとともに、政府がインフラの整備への支 援要請があった場合に時宜を失しないように、基礎データの整備を進めるよう働きかける必要がある と思われる。 

なお、本計画で今後必要と思われる取り組みに対する提言は下記のとおりである。 

(1)  データの整備と開発計画の実現性の調査 

開発計画を策定するためには実態を反映したデータを整備する必要がある。既存のデータを現 状を反映したものにしたり、不足しているデータを収集、整備するなどの調査が必要である。このため、

開発に必要な基本データの整理、作成のためのフィールド調査を実施する。また、開発に伴うインパ クトの評価のために、指標の整理とベースライン調査を実施する。 

(2)  基本計画の策定と実施体制の整備 

計画を実現するためには、参入投資家と政府間で規制や調整すべきことも多いため、ガイドライ ンや規制とそれの実施体制(現在の関係機関が多く調整は難しい)などを確立する。 

現状を反映した計画を策定するため、フィールド調査を踏まえた基本計画を作成する。また、現 実的なインフラ整備のための全体、整備計画資金計画を策定する。 

(3)  モデル開発による実証 

5 カ年の短期目標として、43 万 ha の開発を開発するとしているが、具体的な見通しは不明であ る。開発に伴う諸問題の解決と評価を行うには、より細かな実施段階をふまえる必要があると考えら れる。第1段階としてはパイロットモデル事業を投資企業の開発規模が3〜5万 ha を考え、5〜10万 ha 程度で、政府が主導した取り組みをモデルとして実施する手法が有効ではないかと考えられる。 

このモデルでは、開発のインパクトの検証、政府と企業の役割分担、開発におけるガイドラインの 確立などを図り、全体計画への企業の参入の促進や政府が行うべき事項、内容などを検証する。 

 

                  添付資料   

添付資料‐1  調査日程表と調査団員略歴  添付資料‐2  面談者リスト 

添付資料‐3  収集資料リスト 

調査日程及び調査員の経歴

「西ジャワ州ルンタン灌漑地区改修・近代化事業」および「パプア州メラウケ食料基地開発事業」ファインディング調査日程

日順 年月日 曜日 出発地 到着地 宿泊地 臼杵、尾形 渋田

1 平成22年8月22日 成田 Jakarta Jakarta 移動:成田⇒Jakarta(空路、1110-1710、JL725) 左記に同じ

2 8月23日 Jakarta JICA表敬、日本大使館表敬、DGWR表敬、利根専門家面会、 左記に同じ

NK事務所訪問

3 8月24日 Jakarta Cirebon Cirebon 農業省表敬、移動:Jakarta⇒Cirebon(陸路) 左記に同じ

4 8月25日 Cirebon JatigedeダムサイトおよびRentang灌漑地区視察 左記に同じ

5 8月26日 Cirebon BWSとの協議、データ収集 左記に同じ

6 8月27日 Cirebon Jakarta 機中泊 移動:Cirebon⇒Jakarta(陸路) 左記に同じ

Jakarta 移動:Jakarta⇒Merauke(空路、2200-0810、MZ790) (ジャカルタ泊)

7 8月28日 Merauke Merauke 州政府・DINAS・BWS打ち合わせ、短期開発地区視察 資料整理(I)(ジャカルタ泊)

8 8月29日 Merauke 中期開発地区視察 資料整理(II)(ジャカルタ泊)

9 8月30日 Merauke 長期開発地区視察 関係機関と打合せ(ジャカルタ泊)

10 8月31日 Merauke 州政府・DINASとの協議、データ収集 関係機関と打合せ、

移動:Jakarta⇒成田(空路、2210-0720、JL726)

11 9月1日 Merauke 州農業局・BWSとの協議、データ収集 移動:Jakarta⇒成田(帰着日)

12 9月2日 Merauke Jakarta Jakarta 移動:Merauke⇒Jakarta(空路、0905-1625、MZ781)

13 9月3日 Jakarta 農業省への報告、DGWRへの報告

14 9月4日 Jakarta 資料整理(I)

15 9月5日 Jakarta 資料整理(II)

16 9月6日 Jakarta 機中泊 日本大使館への報告、JICAへの報告、

移動:Jakarta⇒成田(空路、2210-0720、JL726)

17 9月7日 成田 移動:Jakarta⇒成田(帰着日)

調査員名並びに経歴

1972年3月;東京農工大学 農学部 農業生産工学科 卒業 1972年4月;農林水産省入省

2004年10月;同省退職

2005年1月;全国土地改良事業団体連合会 入団 2007年1月;同団体退職

2007年4月;日本工営㈱入社

現在;日本工営㈱国内事業本部 技師長 (土木施工管理技士 1級)

1984年3月;東北大学 農学部 農学科 卒業

1986年3月;東北大学大学院 農学研究科(修士課程)終了 1986年4月;日本工営㈱入社

現在 日本工営(株) 地域整備部 課長 (技術士:農業部門、総合技術監理部門)

1981年3月;宮崎大学 農学部 農業工学科 卒業 1981年4月;日本工営㈱入社

現在;日本工営㈱地域整備部 部長 (技術士:農業部門)

備   考 日 程 表 (予 定)

経   歴 調査員名

臼杵 宣春

(総括/灌漑)

尾形 佳彦

(灌漑)

渋田 健一

(農業)

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