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本論文において、術前背景の 23 因子を matching させた患者に対する MICS 群と

Sternotomy 群における手術成績、遠隔期成績の比較を行い、MICS 群は、Sternotomy

群と比較して同等以上の成績を残せることが判明した。しかしながら、MICS 群と

Sternotomy 群では術中の人工弁輪のサイズに有意差があり、MICS 群において有意に

の研究の結果としても、人工弁輪サイズは術後の機能的僧帽弁狭窄症や心房細動の新

規発症に関与していることから、人工弁輪サイズがMICS群とSternotomy群の手術成 績や遠隔期成績に影響を与えた可能性があるとして、今回、参考資料とし人工弁輪サ

イズを含む24因子(人工弁輪サイズ以外の23因子は研究IIIと同様)を用いたmatching 後患者に対する低侵襲僧帽弁形成術群(MICS 群)と正中切開僧帽弁形成術患者群

(Sternotomy群)における手術成績、遠隔期成績の比較検討を行なった。

IX-6-2. 人工弁輪サイズを含む24因子を用いたmatching後患者に対する低侵襲僧帽弁

形成術群(MICS 群)と正中切開僧帽弁形成術患者群(Sternotomy 群)における手術所見、

術後経過、術後合併症の比較

人工弁輪サイズを含む24因子を用いたmatching後では両群ともに78例が抽出された。

術前因子に偏りは見られなかった。また、使用された人工弁輪サイズも MICS 群で 29.4±2.0mm、Sternotomy群で29.5±2.0mmと、有意差は認めなかった(p=0.45)。

手術所見を表15に示す。形成手技、Maze手術併施の頻度、CABG併施の頻度は両群で 有意差はなく、術前背景23因子のmatching後の解析とも同様だった。partial bandの使 用頻度は、MICS群では85.9%、sternotomy群で65.3%と有意に高くなり(p=0.003)、

この初見も、術前背景23因子のmatching後の解析と同様だった。そして、三尖弁形成

術併施の頻度がMICS群では3.9%、sternotomy群では19.2%とMICS群で有意に少ない結 果となり(p=0.002)、この初見も、術前背景23因子のmatching後の解析と同様だった。

また、手術時間がMICS群で238.6分に対して、Sternotomy群では261.6分と有意にMICS 群で低下した(p=0.005)。輸血率は、MICS群で21.8%, Sternotomy群で26.9%と有意差 を認めず(p=0.45)、この初見は術前背景23因子のmatching後の解析では認められな かった。人工心肺時間、心筋虚血時間は両群で有意差を認めなかった。

Mathing後患者の両群における術後経過と合併症を表16に示す。手術当日の抜管の頻 度は、MICS群で89.7%、Sternotomy群で75.3%とMICS群で有意に高くり(p=0.018)、

術前背景23因子のmatching後の解析とも同様だった。ICUの滞在期間は両群で有意差 はなく、入院期間は、MICS群で7.6日、Sternotomy群で19.3日とMICS群で有意に短縮 された(p<0.0001)。この所見も、術前背景23因子のmatching後の解析とも同様だっ た。

術後合併症では、縦隔炎、病院死亡、呼吸機能障害、鼠径部の合併症は両群で認めら

れなかった。僧帽弁再手術、腎機能障害はMICS群で1例ずつ認め、大動脈解離、出血 再開胸、脳梗塞をSternotomy群で1例ずつ認めた。それらの合併症に両群において有意 差は認めず、術前背景23因子のmatching後の解析とも同様だった。

IX-6-3. 人工弁輪サイズを含む24因子を用いたmatching後患者に対する低侵襲僧帽弁