個体数階級 2、 集団数階級 4、生育環境階級 3、人為圧力階級 1、地域固有性 1、総点 11。愛知県 では生育地が限られている。
1. ヤマカガシ Rhabdophis tigrinus (Boie) 有鱗目 ナミヘビ科 (国:リスト外)
【 情報不足種について 】
今回の見直しによって新たにレッドリストに掲載された情報不足の種について、簡易な解説を以 下に記述した。
1.
ヤマカガシRhabdophis tigrinus (Boie)
5 両生類
今回の見直しによって新たにレッドリストに掲載された各両生類について、種ごとに形態的な特 徴や分布、県内の状況等を解説した。記述の項目、内容等は以下の凡例のとおりとした。
【 掲載種の解説(両生類)に関する凡例 】
【分類群名等】
対象種の本調査における分類群名、分類上の位置を示す目名、科名等を各頁左上に記述した。目・
科の範囲、名称、配列は、日本爬虫両棲類学会が公表している「日本産爬虫両生類標準和名」の最 新版(2014年
11
月9
日改訂)に準拠した。【評価区分】
対象種の愛知県における評価区分を各頁右上に記述した。参考として「両生類 環境省第
4
次レッ ドリスト」(環境省, 2012)の全国での評価区分も各頁右上に記述した。また、各評価区分に対応す る英文略号も同じ場所に記述した。【和名・学名】
対象種の和名及び学名を各頁上の枠内に記述した。和名及び学名は、原則として「日本産爬虫両 生類標準和名」(日本爬虫両棲類学会, 2014)を基に、新しい知見を加え整理した。
【選定理由】
対象種を愛知県版レッドリスト掲載種として選定した理由について記述した。
【形 態】
対象種の形態の概要を記述した。
【分布の概要】
対象種の分布状況の概要を記述した。
【生息地の環境/生態的特性】
対象種の生息地の環境条件及び生態的特性について記述した。
【現在の生息状況/減少の要因】
対象種の愛知県における現在の生息状況、減少の要因等について記述した。
【保全上の留意点】
対象種を保全する上で留意すべき主な事項を記述した。
【引用文献】
記述中に引用した文献を、著者、発行年、表題、掲載頁または総頁数、雑誌名または発行機関と その所在地の順に示した。
【関連文献】
対象種に関連する文献の内、代表的なものを、著者、発行年、表題、掲載頁または総頁数、雑誌 名または発行機関とその所在地の順に掲載した。
両生類 <有尾目 イモリ科> 愛知県:絶滅危惧ⅠA類 (国:リスト外)
AMPHIBIA <CAUDATE SALAMANDRIDAE> AICHI:CR (JAPAN:-)
アカハライモリ渥美種族 Cynops pyrrhogaster (Boie) (Atsumi race)
【選定理由】
本種族は、川村(1956)により提唱されたアカハライモリの地方種族の
1
つで、形態的特徴(Sawada,1963a)や求愛行動(Sawada, 1963b)に独自性が認められたが、当初発見された渥美半島では最近
の確実な記録がなく、絶滅したと考えられてきた。しかしその後、知多半島の1
地点において、明 らかに渥美種族の形態的特徴を呈する個体群が発見されており、本種族は完全には絶滅していない と判断される。一方で、知多半島においてもアカハライモリの既知の産地の多くが消失しており、採集圧も高いと考えられる。このため本種族は、分類学的再検討が行われる前に絶滅する可能性が 高いことから、絶滅危惧ⅠA類と判断した。
【形 態】
背面は茶褐色で、背中線と背側線に沿って明色のラインを持つ。眼の後ろにわずかに膨らんだ耳 腺がある。腹面はオレンジ色から黄色で、不規則な黒い斑点がある。他地域のアカハライモリと異 なり、雄は一年を通じて婚姻色をほとんど呈さない。全長は雄で
90mm
前後、雌で100mm
前後で あり、中部地方の他地域産の個体と比べると小さい傾向にある。このほか、他地域産と比べて尾高/尾長の比が大きい傾向や、雄の尾の先端の糸状突起が長い傾向が指摘されている(Sawada,
1963a)。
【分布の概要】
【県内の分布】
渥美半島では既に絶滅したとみられる。知多半島では、知多市、東海市以南の全市町に分布して いたという報告がある。
【国内の分布】
愛知県固有の地方種族。
【世界の分布】
日本固有種。
【生息地の環境/生態的特性】
既知の生息地の多くが、丘陵地の湧水湿地に限定されている。知多半島の
1
地点では、成体は5
月から9
月にかけて水中に見られ、11月には付近のミズゴケの下で越冬しているのが確認された。産卵は、少なくとも
5
月中旬には行われており、幼生は6
月から9
月にかけて採集された。卵は水 中の水草等に1
卵ずつ産みつけられる。知多半島産では求愛行動は未確認だが、渥美半島産では、夜間に求愛する傾向が強いとされている(Sawada, 1963b)。変態後の幼体の生活史等は不明である。
【現在の生息状況/減少の要因】
渥美半島では既に絶滅したと考えられる。知多半島でも既知産地の多くが消失しており、現存が 確実な地点はわずかである。減少の要因のうち、理由が明らかなものとしては、宅地開発や圃場整 備による生息環境自体の消失、耕作放棄による生息地の荒廃などが挙げられる。また、農薬による 汚染や、採集圧、アメリカザリガニ等の外来生物による捕食なども要因として考えられる。
【保全上の留意点】
繁殖環境となる湧水湿地の保全が必須であるが、非繁殖期や幼体の生活場所として、周囲の森林 環境も保全する必要がある。また、アカハライモリは国内や海外において飼育動物として需要が高 いことから、採集圧の増加にも注意する必要がある。
【引用文献】
川村智治郎, 1956. 両棲類における隔離機構. 駒井卓・酒井寛一(編)集団遺伝学, pp.143-162. 培風館, 東京.
Sawada, S., 1963a. Studies on the local races of the Japanese newt, Triturus pyrrhogaster Boie, I. Morphological characters. Jour. Sci. Hiroshima Univ. , Ser. B, Div. 1 21: 135-165.
Sawada, S., 1963b. Studies on the local races of the Japanese newt, Triturus pyrrhogaster Boie. II Sexual isolation mechanisms. Jour. Sci. Hiroshima Univ., Ser. B, Div. 1 21: 167-180.
【関連文献】
中村健二・上野俊一, 1953. 原色日本両生類爬虫類図鑑, pp.18-19. 保育社, 大阪.
愛知県両生類・は虫類研究会, 1996. 愛知県の両生類・は虫類, pp.36-37. 愛知県農地林務部自然保護課.
内山 隆・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002. 決定版日本の両生爬虫類, pp.56-59. 平凡社, 東京.
松橋利光・奥山風太郎, 2002. 山渓ハンディ図鑑9 日本のカエル+サンショウウオ類, pp.182-183. 山と渓谷社, 東京.
松井正文・関慎太郎, 2008. カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシ, p.78. 文一総合出版, 東京.
(執筆者 島田知彦)
【 国リストの新掲載種について 】
今回の見直しによって新たにレッドリストに掲載された「国リスト」の種について、対象種が愛 知県では絶滅危惧種と判断されなかった理由を以下に記述した。