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モモノゴマダラノメイガに対する緑色 LED 灯の 有効範囲( 203 年)

佐  野  敏  広

1 モモノゴマダラノメイガに対する緑色 LED 灯の 有効範囲( 203 年)

農業研究所内の露地圃場(品種:ʻ清水白桃ʼ15年生 10樹,面積約7 a)の中央部に緑色LED灯(以下,主灯)

を1基(株式会社ゼロビーム社製(すべての製品で意匠 登 録 済),商 品 名「モ ス バ リ ア®」35 W,ピ ー ク 波 長 525 nm図―7)電球部の高さが地上から約6 mになるよ う支柱で固定した。設置期間は2013年6月13日〜8月 15日,設置期間中は自動点滅器により終夜点灯とした

(図―8,口絵②)。主灯からの距離3.1 m,7.4 m,14.7 m,

18.9 m19.7 mの5樹を試験樹とした(図―9)。モモノ ゴマダラノメイガによる産卵果率および被害果率を 2013年6月3日〜7月16日まで約1週間間隔で調査した。

試験区内は5月上旬以降,殺虫剤無散布とした。なお,

化学農薬を用いた現地慣行防除および黄色灯の試験にお ける被害果率を参考とし,目標とする被害許容水準を被 害果率5%(無袋栽培)に設定した。無農薬で栽培する

と約50%の果実被害を受ける圃場なため,非常に厳し

い許容水準といえる。

その結果,主灯からの距離3.1 m樹で被害果率9.8%,

90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

夜間全暗 夜間8時間明期あり

飛翔回数

a

b 緑色2.6 lx 90

80 70 60 50 40 30 20 10 0

夜間全暗 夜間8時間明期あり 黄色2.6 lx a

b

飛翔回数

**

図−6 緑色LEDおよび黄色蛍光灯点灯下におけるモモノゴマダ ラノメイガの飛翔行動

図中のバーは標準誤差,異なるアルファベット間ではt検定 1%(**p<0.01)または5%(*p<0.05)水準で有意差 があることを示す.

図−7 緑色LED 図−8 緑色LED灯の点灯の様子

― 37 ― 7.4 m樹で6.0%,14.7 m樹で4.8%と,3.1 m樹で被害 果率が約10%に達したものを除き,産卵果率,被害果 率が許容水準の約5%におおむね抑えられた。照度が 0.2 lxと低かった主灯からの距離18.9 m樹,19.7 m樹で は被害果率が高く,18.9 m樹では27.5%と著しく高か

った(図―10)。果実吸蛾類の被害は認められなかった。

2 モモノゴマダラノメイガに対する小型緑色LED

の効果(2014〜15年)

主灯は前述の通りに設置し,2013年度に被害果率が 約17,27.5%と高かった18.9 m樹,19.7 m樹からそれ

19.7m

NO.

3.1m

7.4m

14.7m

18.9m 緑色LED

(主灯)

15.7 m 9.5 m

13.5 m 5.2 m 19.1 m

図−9 圃場平面図

図中の数字は主灯(緑色LED灯)までの距離を示す.

●調査対象樹.

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 63

610 617

624 71

78 716 産卵果率

主灯からの距離 3.1 m

被害果率

4.0 lx

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 63

610 617

624 71

78 716 産卵果率

主灯からの距離 14.7 m

被害果率

0.4 lx

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 63

610 617

624 71

78 716 産卵果率

主灯からの距離 7.4 m

被害果率

2.0 lx 産卵および被害果率︵ 20 15 10 5 0 63

610 617

624 71

78 716 産卵果率

主灯からの距離 19.7 m

被害果率 0.2 lx

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 63

610 617

624 71

78 716 産卵果率

主灯からの距離 18.9 m

被害果率

25.7

0.2 lx

図−10 緑色LED灯からの距離別におけるモモノゴマダラノメイガによるモモ果実への 産卵および被害状況(2013年度)

注)図中の照度は樹冠上5箇所の平均照度を示す.

― 38 ― ぞれ約7 m外側の位置に小型緑色LED(株式会社ゼロ ビーム社製,商品名「モスバリアα」12 W,ピーク波 長525 nm,図―11,以下,補助灯)を光が平行に照射さ れるように約2 mの高さに設置した(図―12)。

その結果,対象2樹の被害果率は2014年では約6〜 8%,2015年は19.7 m樹にのみ補助灯を設置したところ,

照度は3.0 lxとなり,被害果率は2%と低く抑えられた

(図―13,14E)。

図−11 補助灯 図−12 補助灯点灯の様子

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 62

610 616

623 630

79 714 産卵果率

主灯からの距離 3.1 m

被害果率

3.0 lx 産卵および被害果率︵ 20 15 10 5 0 62

610 616

623 630

79 714 産卵果率

主灯からの距離 18.9 m 補助灯からの距離 7 m

被害果率

9.6 lx

補助灯あり

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 62

610 616

623 630

79 714 産卵果率

主灯からの距離 7.4 m

被害果率

1.6 lx 産卵および被害果率︵ 20 15 10 5 0 62

610 616

623 630

79 714 産卵果率

主灯からの距離 19.7 m 補助灯からの距離 7 m

被害果率

5.9 lx

補助灯あり

産卵および被害果率︵

20 15 10 5 0 62

610 616

623 630

79 714 産卵果率

主灯からの距離 14.7 m

被害果率

0.1 lx

図−13 緑色LED灯からの距離別におけるモモノゴマダラノメイガによるモモ果実への 産卵および被害状況(2014年度)

注)図中の照度は樹冠上5箇所の平均照度を示す.

― 39 ― 3 主灯直下で被害が多い原因と対策(2013〜15年)

主灯から3.1 mの光源直下の樹では,2013年には被

害 果 率 が9.5%(図―10)2014年 に は13.5%(図―13) と高かった。主灯直下の照度を測ったところ,0.1 lxと 極めて低かったことから,主灯直下の照度の低い空間に 成虫が飛来侵入し,被害につながったと考えられた。そ こで,補助灯を地上から高さ2 mの位置から,光が上 面に照射されるように主灯に設置した(図―15)。

その結果,被害果率を3.5%まで低下させることがで きた(図―14A)。