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図7−6溶液加熱法で作製したペンタセン前駆体膜を有するOFET特性

吸収度とXRDピーク強度が同程度の膜厚の蒸着ペンタセン薄膜に比し低いので、加熱前駆 体膜中、前駆体分子が多数存在することが考えれれる。さらに、加熱中、酸化されたペン タセン分子があることも考えられる。また、ペンタセン薄膜中に、多くの構造欠陥が存在 する可能性も考えられる。加熱ペンタセン前駆体膜の移動度低下の原因を明らかにし、加 熱ペンタセン前駆体膜FETの性能を向上する必要がある。

7−2 ペンタセン前駆体(6,13−Dih dro−6,13−methano entacene−15−one[DMP])

で作製された活性層を有する電界効果トランジスタの作製とその性能評価

 7−2−1 まえがき

 薄膜状態のペンタセンで優れた電界効果移動度が観測されて以来、ペンタセンは有機薄 膜トランジスタ材料として最も多く検討されている材料の一つである。熱安定性が高く、

真空蒸着法で容易に薄膜が作製できるとともに、耐環境安定性も比較的高いことなどが、

注目を集めている要因である。優れたFET特性を発現させるためには、その薄膜中での分 子の構造制御が不可欠であり、薄膜作製条件とその素子のFET特性との相関性に関して 種々検討されている41〕。ペンタセン蒸着薄膜では、分子の長軸が基板に垂直方向に配列し、

ペンタセンが凝集した分子層が層状に形成される。芳香環が平行に並んだスタッキング面 が、チャネル方向と一一致するように分子配向制御すると優れたFET特性が得られる42)。と

くに,薄膜を作製するときの基板温度や薄膜の作製速度の制御により、グレインサイズを大 きくし、その中での分子の配向度を高くすることが大きな移動度を得るための重要な要因 となっている。これまでに薄膜成長条件の制御、表面処理などによる効果で、移動度1cm2/Vs、

オンオフ比108などを示し、有機トランジスタとしては最高クラスの性能を発現している  本研究では、前節と異なる可溶ペンタセンから作製された活性層を有する有機電界効果

トランジスタ(OFET)の作製とその性能を評価した。

 ペンタセンは高凝集性のため、溶媒溶解性が極めて低く、.塗布プロセスが適用できない。

近年、可溶ペンタセンから作製された活性層を有する有機電界効果トランジスタ(OFET)

の作製が実現している。ペンタセン前駆体は、有機溶媒可溶であり、ペンタセン分子間の 凝集をほぐすため短冊状分子の中心に置換基を付加したアダクトにより有機溶媒に可溶化 される(図7−7)。これを塗布薄膜化した後、置換基を加熱して、ペンタセンに変換する(図

7−7)。

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  ペンタセン前駆体(6,13−Dihydro−6,13−  pentacene   methanopentacene−15−one[DMPl)

図7−76,13−Dihydro−6,13−methanopentacene−15−one[DMP]の加熱による ペンタセンヘの置換

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図7−8ペンタセン・膜のXRDプロフイール

 図7−8にペンタセン前駆体(6,13−Dihydro−6,13−methanopentacene−15−one[DMP])を用い

て、溶液法で作製されたペンタセン膜のXRDプロフィールを示す。15〜25deg.のブロード なピークはガラス基板固有のピークである。一方、低角度側のピークはペンタセシが6軸 配向し、ペンタセンの長軸が基板に対して、垂直に配向していることを示す。このような 場合、ソース・ドレイン電極をベンゼン環の面の前後に作製することで、高キャリヤ移動 度が実現できることが知られている。図7−9に溶液法を用いてボトムコンタクト構造より作 製されたOFET特性を示す。図より、所定のゲート電圧で、低ドレイン電圧領域において、

ドレイン電流がドレイン電圧に対し直線性を示し、高電圧領域で飽和傾向を示すことから、

作製されたOFETが典型的なOFET特性で動作することが分かる。図7−9(b)のトランスフ ァー特性から、移動度は0.09cm2八7s、しきい値電圧(Vth)は一7Vに見積もられた。真空蒸着 法に比し、可溶法では、ペンタセンFETの性能が10分の一程度に低下する。

 これは、ペンタセン前駆体から作製されたペンタセン膜には、膜中、未置換の前駆体が 多数存在することを示唆する。

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図7−9 可溶前期体で作製された活性層を有するOFET特性

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ドキュメント内 有機材料を用いた電子・光デバイスの (ページ 98-102)

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