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交換関係

[si(x, t), sj(x, t)] = ijksk(x, t)δ3(xx) (B.54) を満たす局所スピン演算子{si(x)}i=1,2,3を考える。ただし,

si(x) = si(x) (B.55)

とする。全スピン演算子Si

Si(t) =

d3x si(x) (B.56)

によって定義すると,これは交換関係

[Si(t), Sj(t)] =ijkSk(t) (B.57) を満たす。また,

S±def= S1±iS2 (B.58)

を導入すると,これは交換関係

[S3, S±] = [S3, S1]±[S3, iS2]

= iS2±i(−iS1)

= ±(S1±iS2)

= ±S±, (B.59)

[S+, S] = [S1+iS2, S1−iS2]

= i[S2, S1]−i[S1, S2]

= 2S3 (B.60)

を満たす。

今,スピンが全て第3軸方向に向いていて,第3軸まわりの回転に対して不変な真空|0⟩を考える。選 定項(§B.4参照)として,

Φ(x) =s3(x) (B.61)

を選ぶ。δiSiによって誘起された変化とする:

δiA=i[Si(t), A]. (B.62)

例えば,

δ1s3(x) = i[S1(t), s3(x)]

= i

d3x[s1(x, t), s3(x)]

= i

d3x(−i)s2(x)δ3(xx)

= s2(x), (B.63)

δ2s3(x) = i[S2(t), s3(x)]

= −s1(x) (B.64)

である。また,

δ1δ1s3 = i[S1, s2]

= i·is3 =−s3, (B.65)

δ2δ2s3 = i[S2,−s1]

= i·is3 =−s3 (B.66)

である。よって,秩序パラメーターは,

v = −⟨0|δδs3|0

= 0|s3|0 (B.67)

である。

i軸まわりの回転の生成子は,

Si− ⟨0|Si|0 (B.68)

である。対称性が破れた真空|0では,

[Si− ⟨0|Si|0⟩]|0⟩

{

= 0 for i= 1,2

̸

= 0 for i= 3 (B.69)

である。ここで,

0|Si|0 =

d3x⟨0|si|0

= {

0 for i= 1,2

vV for i= 3 (B.70)

であるから(V は系の体積),(B.69)は {

Si|0⟩ ̸= 0 for i= 1,2 [S3−vV]

|0= 0 (B.71)

となる。これは,元々あったSU(2)対称性が,その部分群U(1)の対称性を保ちながら,自発的に破れ たことを意味する(対称性を保ったままの部分群を安定群と言う)。

S1S2対称性の自発的破れに伴い,N Gχ(x)が生じる。Sによってχ場は

eiSθχ(x)eiSθ =χ(x)−cθ (B.72) と変換されるものとする。ただし,cは複素c数であり,θは実パラメーターである。(B.72)のより,

eiS+θχ(x)eiS+θ =χ(x)−cθ (B.73) を得る。

強磁性体では普通,NG場χ(x)(マグノンと呼ばれる)は,

χ(x) = 1 (2π)3/2

d3k χ(k)ei(k·xωχ(k)t) (B.74)

の形をしている。ただし,消滅演算子χ(k)と生成演算子χ(k)とは,正準交換関係

[χ(k), χ(k)] = δ3(kk) (B.75) を満たす。これ以外の交換関係は0である。また,これより,

[χ(x, t), χ(x, t)]

= 1

(2π)3

d3kd3k[χ(k), χ(k)]ei(k·xk·xωχ(k)t+ωχ(k)t)

= 1

(2π)3

d3k eik·(xx)

= δ3(xx) (B.76)

が分かる。

(B.72)をθで微分して

eiSθ[iS, χ(x)]eiSθ = −c,

[iS, χ(x)] = −c (B.77)

を得る。この式と(B.76)より,

S =w −ic

d3x χ(x) (B.78)

と分かる。この式のより,

S+ = S

=w ic

d3x χ(x) (B.79)

である。また,上の2式より,

[S+, S] =w |c|2

d3xd3x[χ(x, t), χ(x, t)]

= |c|2

d3x

= |c|2V (B.80)

を得る。この式の真空期待値より,

0|[S+, S]|0=|c|2V (B.81) が分かる。ところで,(B.60),(B.70)より,

0|[S+, S]|0 = 20|S3|0

= 2vV (B.82)

である。よって,

|c|2= 2v (B.83)

を得る。

上の議論で,

[S+, S] = 2S3

= 2

d3x s3 (B.84)

と,

[S+, S] =w |c|2V

= 2vV

= 2

d3x⟨0|s3|0 (B.85)

との表現が異なるのは,次の理由による。すなわち,

s3− ⟨0|s3|0=O(1/V) (B.86) のとき,右辺はV → ∞の極限で0と見なされる。積分をしてもこの項からの寄与はもはやないので,

弱い関係式(B.85)を得る。ここで重要なのは,空間積分の前に行列要素が決まることである。O(1/V) の項は,極限操作の前に積分すれば残り,(B.84)を得る。

(B.78)に(B.74)を代入して,

S =w −ic

d3x

d3k 1

(2π)3/2χ(k)ei(k·xωχ(k)t)

= −ic

d3k(2π)3/2δ3(k)χ(k)eχ(k)t

= −ic(2π)3/2χ(k=0) (B.87)

を得る。ただし,ωχ(k=0) = 0を用いた。この式のより,

S+ = S

=w ic(2π)3/2χ(k=0) (B.88)

を得る。今,

S3 =w

d3k α(k) (B.89)

とおくと,(B.59),(B.87),(B.88)より,

[S3, S] =

d3k[α(k),−ic(2π)3/2χ(k=0)] =ic(2π)3/2χ(k =0), (B.90) [S3, S+] =

d3k[α(k), ic(2π)3/2χ(k =0)] =−ic(2π)3/2χ(k =0) (B.91) を得る。これより,

[α(k), χ(k =0)] = −χ(k =0)δ3(k), (B.92) [α(k), χ(k =0)] = χ(k =0)δ3(k) (B.93) が分かる。よって,

α(k) =χ(k)χ(k) +β(k) (B.94)

である。ただし,β(k)はc数である。これを(B.89)に代入して S3 =w

d3k χ(k)χ(k) +

d3k β(k) (B.95)

を得る。この式の真空期待値をとると,

0|S3|0=

d3k β(k) (B.96)

となる。左辺に(B.70)を代入して,

d3k β(k) =vV (B.97)

を得る。よって,(B.95)は

S3=w

d3k χ(k)χ(k) +vV (B.98)

となる。

C Nother current と生成子

今,任意の量F(x)に対して

δF(x) def= F(x)−F(x), (C.1)

δF¯ (x) def= F(x)−F(x) (C.2)

を導入する。前者と後者の関係は,

δF(x) = [

F(x)−F(x)] +[

F(x)−F(x)]

= νF(x)δxν+ ¯δF(x) (C.3)

である。(C.2)の定義より

δψ¯ A(x) = ∂ψA(x)

∂xµ ∂ψA(x)

∂xµ

=

∂xµ

(ψA(x)−ψA(x))

= µ¯δψA(x) (C.4)

である。すなわち,δ¯とµは可換である。この式と(C.3)より δψA = νψAδxν+ ¯δψA

= ψA,µνδxν+µδψ¯ A(x) (C.5)

を得る。

(B.20)のδLは,

δL = det [∂xµ

∂xν

]LA+δψA, ψA+δψA]− L

= (1 +νδxν)

(L+ ∂L

∂ψAδψA+ ∂L

∂ψAδψA )− L

= ∂L

∂ψAδψA+ ∂L

∂ψAδψA+L∂νδxν (C.6)

となる。これに(C.5)を代入すると,

δL = ∂L

∂ψA(∂νψAδxν+ ¯δψA) + ∂L

∂ψA,µνA δxν +µδψ¯ A) +L∂νδxν

= ( ∂L

∂ψA −∂µ ∂L

∂ψA

δψA+µ ( ∂L

∂ψA )δψ¯ A

+ ( ∂L

∂ψAψA+ ∂L

∂ψAψ,νµA )

δxµ+L∂µδxµ

= ( ∂L

∂ψA −∂µ ∂L

∂ψA

δψA+µ ( ∂L

∂ψA¯δψA+Lδxµ )

[L]Aδψ¯ A+µNµ (C.7)

を得る。ただし,第3等号で

∂L

∂ψAψA+ ∂L

∂ψAψ,νµA =µL (C.8)

を用い,第4等号で

[L]A def= ∂L

∂ψA −∂µ ∂L

∂ψA, (C.9)

Nµ def= ∂L

∂ψAδψ¯ A+Lδxµ (C.10)

を導入した。Nµは,

Nµ = ∂L

∂ψA(δψA−ψAδxν) +Lδxµ (C.11)

= ∂L

∂ψAδψA−Tµνδxν, (C.12)

Tµν def= ∂L

∂ψAδψA− Lδµν (C.13)

とも書ける。Nµは,Nother currentと呼ばれ,Tµνは正準エネルギー・運動量テンソルと呼ばれる。N0 は,(C.11)より

N0 = ∂L

∂ψ˙A(δψA−ψAδxν) +Lδx0

= πA(δψA−ψAδxν) +Lδx0

= πA(δψA−ψ,iAδxi)Aψ˙A− L)δx0

= πA(δψA−ψ,iAδxi)− Hδx0 (C.14) である。ただし,第2,第4等号で

πA def= ∂L

∂ψ˙A, (C.15)

H def= πAψ˙A− L (C.16)

を用いた。

今,

N(t)def=

d3x N0(x) (C.17)

を定義すると,以下に示すように,次の仮定の下で,

A(x, t), N(t)] = iδψ¯ A(x, t) (C.18) となる。

仮定(1)δx0xによらない:

δx0 =δx0(t). (C.19)

仮定(2)δψA, ∂iψAπAを含まない。

仮定(3)Lは特異でない。すなわち,

A(x, t), H(t)] = ˙A(x, t), (C.20) H(t) def=

d3xH(x) (C.21)

および,

A(x, t), πB(x, t)] =iδABδ3(xx) (C.22) が成り立つ。

仮定(1)より,

N(t) =

d3x[

πA(δψA−ψ,iAδxi)− Hδx0]

=

d3x πA(δψA−ψ,iAδxi)−Hδx0 (C.23) である。これと,仮定(2),(3)より

A(x, t), N(t)] =

d3xA(x, t), πB(x, t)](

δψB−ψB,iδxi) (x, t)

A(x, t), H(t)]δx0(t)

= i(δψA−ψA,iδxi)(x, t)A(x, t), H(t)]δx0(t)

= i(δψA−ψA,iδxi−ψ˙Aδx0)(x, t)

= iδψ¯ A(x, t) (C.24)

となる。これより,

eiN(t)ψA(x, t)eiN(t) = ψA(x, t) + ¯δψA(x, t) +O(¯δ2) (C.25) が導かれる。

また,(C.17),(C.7)より,

N˙(t) =

d3x ∂0N0

=

d3x(∂µNµ−∂iNi)

=

d3xL −[L]A¯δψA)

d3x ∂iNi (C.26)

が得られる。

今,連続変換がm個のパラメーターで特徴づけられ,(B.17),(B.18)が,微小量r}mr=1を用いて,

δxµ = xµ−xµ=εrfrµ, (C.27)

δψA(x) = ψA(x)−ψA(x) =εrFrA

BψB(x) (C.28)

と書ける場合を考える。これは大域的な変換である。このとき,Nother current(C.11)は,

Nµ = εr ( ∂L

∂ψAFrABψB−Tµνfrν )

εrJµr, (C.29)

Jµr def= ∂L

∂ψAFrABψB−Tµνfrν (C.30) と書ける。今,

Jrdef=

d3x J0r (C.31)

を定義すると,これはパラメーターεrが表わす変換の生成子である。

例えば,時空並進の変換は

δxµ=εµ, δψA(x) = 0 である。これは(C.27),(C.28)で

r = µ, fµν = δµν, FµA

B = 0 としたものである。また,このとき,

¯δψA(x) = δψA(x)−∂µψA(x)δxµ

= −εµµψA(x) (C.32)

である。JµrJrは,

Jνµ = 0−Tνλδµλ

= −Tνµ, (C.33)

Jµ =

d3x T0µ (C.34)

となる。

Lorentz変換のときは,

δxµ = εµνxν, (C.35)

εβa = −ε, (C.36)

δψA(x) = 1

2ε(F)ABψB(x) (C.37)

である。このとき,

δψ¯ A = δψA−∂αψAδxα

= 1

2εαβ(Fαβ)ABψB−∂αψAεαβxβ

= 1 2εαβ

[

(Fαβ)ABψB+ (xβα−xαβA ]

(C.38) である21)

δxµは,

δxµ = εµβηβνxν

= εαβδµαηβνxν

= 1

2εαβµαηβν−δµβηαν)xν

= 1

2εαβ(fαβ)µνxν, (C.39)

(fαβ)µν def= δµαηβν −δµβηαν (C.40) とも書ける。直接計算によって,

[fαβ,fµν] =ηβµfαν−ηαµfβν +ηανfβµ−ηβνfαµ (C.41) が確かめられる。fαβFαβはともにLorentz群のLie代数の表現行列であるから,

[Fαβ,Fµν] =ηβµFαν−ηαµFβν +ηανFβµ−ηβνFαµ (C.42) が分かる。

Nother currentは,

Nµ = ∂L

∂ψAδψA−Tµαδxα

= ∂L

∂ψA(Fαβ)ABψB−Tµαεαβxβ

= 1 2εαβ

[ ∂L

∂ψA(Fαβ)ABψB(Tµαxβ−Tµβxα) ]

= 1

2εαβJµαβ, (C.43)

Jµαβ def= ∂L

∂ψA(Fαβ)ABψB(Tµαxβ−Tµβxα) (C.44) となる。よって,Lorentz変換の生成子は,

Jαβ =

d3x

[

πA(Fαβ)ABψB(T0αxβ−T0βxα) ]

(C.45) である。

(C.27)はPµとかかれ,(C.45)の(1)倍は通常Mαβ とかかれる。すなわち Pµ ≡ −

d3x T0µ(−H,P), (C.46)

Mµν

d3x(T0µxν−T0νxµ)

d3x πA(Fµν)ABψB (C.47)

21)εがあると,仮定(1),(および仮定(2))を破る。

である。Pµの時空並進の生成子であり,MµνはLorentz変換の生成子である。今,

Ji def= 1

2εijkMij (C.48)

= εijk

d3x T0jxk−εijk

d3x πA(Fjk)ABψB, (C.49) Ki def

= Mi0 (C.50)

=

d3x(T0ix0−T00xi)

d3x πA(Fi0)ABψB  (C.51) を定義すると,Jiは角運動量であり,KiはLorentz boostである。

実スカラー場のときのPµMµνを計算する。ラグランジアンを,

L=1

2ηµνµϕ∂νϕ+V(ϕ) (C.52)

とする。V(ϕ) = 2/2)ϕ2 のときが自由Klein-Gordon場,V(ϕ) = (µ22)[cos(λϕ)1]のときが sine-Gordon場に対応する。ϕの正準共役場は,

π = ∂L

∂ϕ˙

=

∂ϕ˙(1

2ϕ˙2− · · ·)

= ˙ϕ (C.53)

である。正準エネルギー・運動量テンソル(C.13)は,

Tµν = ∂L

∂ϕϕ−δµνL

=

∂ϕ [1

2ηαβαϕ∂βϕ+V(ϕ)]

ϕ−δµνL

= −∂µϕ∂νϕ−δµνL

= −∂µϕ∂νϕ+δµν

[1

2ηαβαϕ∂βϕ−V(ϕ)]

(C.54) であり,(C.46)は,

Pµ =

d3x T0µ

=

d3x

(ϕ∂˙ µϕ−δ0µ[1

2ηαβαϕ∂βϕ−V(ϕ)])

=

d3x

(

π∂µϕ−δ0µ

[1

2ηαβαϕ∂βϕ−V(ϕ)])

(C.55) となる。スカラー場では,Fµν = 0であるから,(C.47)は,

Mµν =

d3x(T0µxν −T0νxµ)

=

d3x(π∂µϕxν−π∂νϕxµ) (C.56)

となり,角運動量は,

Ji = εijk

d3x T0jxk

= εijk

d3x π∂jϕxk

= −εijk

d3x πxjkϕ

=

d3x π(x×ϕ)i (C.57)

となる。

(C.55)より,

P =

d3x πϕ (C.58)

である。実クライン・ゴルドン場の場合にこれを計算する。(A.49)-(A.51),(A.53)-(A.56)を代入して P = 1

(2π)3

d3x

d3k

d3k

ω(k) 2

[−ia(k)eik·xiω(k)t+ia(k)eik·x+iω(k)t]

×

√ 1 2ω(k)

[ika(k)eik·x−iω(k)t−ika(k)e−ik·x+iω(k)t]

=

d3k

d3k

ω(k) ω(k)

1 2

[−a(k)a(k3(kk)keiω(k)tiω(k)t

+a(k)a(k3(kk)keiω(k)tiω(k)t+a(k)a(k3(k+k)keiω(k)t+iω(k)t

−a(k)a(k3(k+k)keiω(k)t+iω(k)t]

=

d3k1

2k[

a(k)a(−k)ei2ω(k)t+a(k)a(k) +a(k)a(k) +a(k)a(k)e2iω(k)t]

=

d3kk

2

[a(k)a(k) +a(k)a(k)]

(C.59) を得る。ただし,第2等号で(A.141)を,第3等号でω(−k) =ω(k)を用いた。第4等号では,第1項 と第4項

I1def= 1 2

d3kka(k)a(k)e−i2ω(k)t, I4 def= 1 2

d3kka(k)a(k)e2iω(k)t (C.60) は変数変換k→ −kにより,

I1=−I1, I4=−I4 (C.61)

となるので消えることを用いた。(C.59)は正準交換関係(2.13)より,

P =

d3kka(k)a(k) +1

2δ3(k =0)

d3kk

=

d3kka(k)a(k) (C.62)

となる。

D 付録 D

D.1 高次補正

この節では,ℏを復活させる。空間次元がdのときの D(x−y) = 1

ℏ[φ(+)(x), φ(−)(y)] (D.1)

Dd(x−y)と書くと,

Dd(x) = 1 (2π)d

ddkeik·xiω(k)t

2ω(k) , ω(k) =

k2+κ2 (D.2)

である。これは,

Dd(x) =−κ(d1)/2θ(−x2)

[N(d1)/2

−x2) +iε(t)J(d1)/2

−x2) 2(d+3)/2π(d−1)/2(

−x2)(d−1)/2

]

(d1)/2θ(x2) K(d−1)/2 x2) (2π)(d+1)/2(

x2)(d1)/2 (D.3) となることが知られている([4]のpp.424-425)。ただし,x2= 0における特異性は無視した。ここで,

x2=−t2+x2, ε(t) = {

+1 for t >0

1 for t <0 , θ(z) = {

1 for z >0

0 for z <0 (D.4) であり,J(d1)/2N(d1)/2K(d1)/2 はそれぞれベッセル関数,第2種ベッセル関数,第2種変形 ベッセル関数である。特に,d= 3のとき,

D3(x) = { κ

1

x2[N1

−x2) +iε(t)J1

−x2)] for x2 <0

κ 2

1

x2K1

x2) for x2 >0 (D.5)

であり,d= 1のとき,

D1(x) =

{ 14[N0

−x2)−iε(t)J0

−x2)] for x2 <0

1

K0

x2) for x2 >0 (D.6)

である。ただし,Jn= (1)nJnNn= (1)nNnn= 0,1,2,· · ·)を用いた。x2 = 0付近で展開す ると,

D3(x) = 1 4π2

1 x2 + κ2

2 ln (κ

|x2| 2

)

+κ2(2γ1)

16π2 +iε(t)θ(−x2) κ2 16π +O

( x2ln(

κ

|x2|))

, (D.7)

D1(x) = 1 2π ln

(κ

|x2| 2

) γ 2π + i

4ε(t)θ(−x2)−κ2x2 8π ln

(κ

|x2| 2

)

+O(x2) (D.8)

となる。γ = 0.57721· · · はオイラー定数である。ただし,n= 0,1,2,· · · に対して,

Jn(z) =

m=0

(1)m m!(m+n)!

(z 2

)n+2m

, (D.9)

Nn(z) = 2

πJn(z) lnz 2 1

π

n1

m=0

(n−m−1)!

m!

(z 2

)n+2m

1 π

m=0

ψ(m+ 1) +ψ(m+n+ 1) m!(m+n)! (1)m

(z 2

)n+2m

, (D.10)

Kn(z) = 1 2

n1 m=0

(1)m(n−m−1)!

m!

(z 2

)n+2m

+(−1)n+1

m=0

1 m!(m+n)!

(z 2

)n+2m[ lnz

2 −ψ(m+ 1) +ψ(m+n+ 1) 2

]

, (D.11) ψ(z) = d

dzln Γ(z), ψ(1) =−γ (D.12)

であることを用いた。

(2.36)を例に,高次補正を計算する。まず,場の秩序パラメーター(2.126)は,(2.42)より

ϕ=f+λf3+ 3ℏλD(ε)f (D.13)

である。第3項が高次補正である。今,

: ˜ψ[x|φf]: def= ψ−ϕ (D.14)

を定義すると,これは:ψ[x|φ]:とは高次補正の分だけ異なる。(2.36)の例では,

: ˜ψ[x|φf]: = ψ−ϕ

= φf +f +λ(φ3f+ 3φ2ff+ 3φff2+f3)(f+λf3+ 3ℏλf D(ε))

= φf +λ(φ3f + 3φ2ff+ 3φff23ℏf D(ε))

= φf(1 + 3λf2) +λ(φ3f + 3φ2ff−3ℏf D(ε)) (D.15) である。

φ3f = φ(+)3f +φ(+)f φ(f)φ(+)f +φ(f)φ(+)2f +φ(f)2φ(+)f

(+)2f φ(f)+φ(+)f φ(f)2+φ(f)φ(+)f φ(f)+φ(f)3 (D.16) :φ3f: = φ(+)3f +φ(f)φ(+)f φ(+)f +φ(f)φ(+)2f +φ(f)2φ(+)f

(f)φ(+)2f +φ(f)2φ(+)f +φ(f)φ(f)φ(+)f +φ(f)3 (D.17) φ3f3f: = [φ(+)f φ(f)φ(+)f −φ(f)φ(+)f φ(+)f ] + [φ(+)2f φ(f)−φ(f)φ(+)2f ]

+[φ(+)f φ(f)2−φ(f)2φ(+)f ] + [φ(f)φ(+)f φ(f)−φ(f)φ(f)φ(+)f ]

= [φ(+)f , φ(f)(+)f + [φ(+)2f , φ(f)] + [φ(+)f , φ(f)2] +φ(f)(+)f , φ(f)]

= ℏD(ε)φ(+)f + 2ℏD(ε)φ(+)f + 2ℏD(ε)φ(−)f +φ(−)fD(ε)

= 3ℏD(ε)[φ(+)f +φ(f)]

= 3ℏD(ε)φf (D.18)

および,

φ2f = φ(+)2f +φ(+)f φ(f)+φ(f)φ(+)f +φ(f)2 (D.19) :φ2f: = φ(+)2f +φ(f)φ(+)f +φ(f)φ(+)f +φ(f)2 (D.20) φ2f2f: = φ(+)f φ(f)−φ(f)φ(+)f

= ℏD(ε) (D.21)

より,(D.15)は,

: ˜ψ[x|φf]: = φf(1 + 3λf2) +λ[:φ3f: +3ℏD(ε)φf + 3(:φ2f: +ℏD(ε))f−3ℏf D(ε)]

= φf(1 + 3λf2+ 3ℏλD(ε)) +λ(:φ3f: +3 :φ2f:f) (D.22) となる。また,:ψ[xf]:は,

:ψ[xf]: = :φf+f+λ(φ3f + 3φ2ff + 3φff2+f3):

= φf +λ(:φ3f: +3 :φ2f:f+ 3φff2)

= φf(1 + 3λf2) +λ(:φ3f: +3 :φ2f:f) (D.23) である。ただし,c数のN積は0であるとした。(D.22),(D.23)より

: ˜ψ[x|φf]::ψ[xf]: = 3ℏλD(ε)φf(x) (D.24)

= 0w (D.25)

である。

準粒子方程式(2.1)の真空期待値を取ると,巨視的物体に対する古典的方程式

Λ(∂)ϕ(x) =0(f)|j[ψ(x)]|0(f) (D.26) を得る。(D.14)より

0(f)|j[ψ](x)|0(f) = 0(f)|j[ϕ(•)+ : ˜ψ[•|φf]:](x)|0(f)

= j[ϕ](x) + (高次補正) (D.27)

となる。従って,(D.26)は

Λ(∂)ϕ(x) =j[ϕ](x) + (高次補正) (D.28)

となり,tree近似でのϕの方程式は

Λ(∂)ϕ(x)tree= j[ϕ](x) (D.29)

となる。

(D.27)を示そう。以下では,N積はφfについてのものとし,必要がない限り引数は省略する。j[ψ](x)

には,ψn(x)のような項が含まれる。ψnψ=ϕ+ : ˜ψ:を代入すると,

ψn = (ϕ+ : ˜ψ:)(ϕ+ : ˜ψ:)· · ·(ϕ+ : ˜ψ:)

= ϕn+n1: ˜ψ: +n(n−1)

2 ϕn2: ˜ψ:: ˜ψ: +· · · (D.30)

となる。この真空期待値は,

0(f)n|0(f)=ϕn+n(n−1)

2 ϕn20(f)|: ˜ψ:: ˜ψ:|0(f)+· · · (D.31) である。第2項以降が,(D.27)の(高次補正)に対応する。tree近似では,

:A::B:tree= :AB: (D.32)

である。よって,

⟨0(f)|ψn|0(f)⟩tree= ϕn (D.33)

となる。同様にして,(D.29)を得る。

今の例では,

: ˜ψ:: ˜ψ: = (1 + 3λf2)2φ2f +λ(1 + 3λf24f + 3λ(1 + 3λf2)f φ3f 3λℏf D(ε)(1 + 3λf2f + λ(1 + 3λf24f +λ2φ6f + 3λ2f φ5f 2f D(ε)φ3f

+ 3λ(1 + 3λf2)f φ3f + 3λ2f φ5f + 9λ2f φ4f2f2D(ε)φ2f

3λℏf(1 + 3λf2)D(ε)φf 2f D(ε)φ3f2f2D(ε)φ2f + 9λ22f2D2(ε) (D.34) であり,真空期待値は,φf の偶数次だけが残り,

⟨0(f)|: ˜ψ:: ˜ψ:|0(f)⟩ = ⟨0(f)|(1 + 3λf2)2φ2f+λ(1 + 3λf24f+λ2φ6f + 9λ2f φ4f

18λ2f2D(ε)φ2f + 9λ22f2D2(ε)|0(f)

= 0(f)|[

(1 + 3λ2)218λ2f2D(ε)]

φ2f +λ(1 + 12λf24f +λ2φ6f

+9λ22f2D2(ε)|0(f) (D.35)

である。Wickの定理より得られる公式

0(f)2nf |0(f)= (2n1)(2n3)· · ·3·1ℏnDn(ε) (D.36) より,

0(f)|: ˜ψ:: ˜ψ:|0(f) = [

(1 + 3λf2)218λ2f2D(ε)]

D(ε) +λ(1 + 12λf2)3ℏ2D2(ε) +15λ23D3(ε) + 9λ22f2D2(ε)

= (1 + 3λf2)2D(ε) + 3λ(1 + 9λf2)ℏ2D2(ε) + 15λ23D3(ε) (D.37) を得る。

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