第 4 章 特記事項 57
5.4 ページレ イアウト
LATEX 2εでは,\documentclassコマンド のオプションで出力する用紙サイ ズを設定でき,適切なマージンなどが自動で設定されますが,その値に満足 できないこともあります.そんな場合,マージンなど の値を変更することが
5.4 ページレイアウト 75
ヘッダ
本体
フッタ 傍注
i
8
-i
7
? 6
i 1
-i
3
i 10
- 9i
6
? i
11
i
2
? i 6
4
6
? i
5
6
? i
6
6
?
1 1インチ + \hoffset 2 1インチ + \voffset 3 \evensidemargin = 72pt 4 \topmargin = 5pt 5 \headheight = 15pt 6 \headsep = 19pt 7 \textheight = 628pt 8 \textwidth = 360pt 9 \marginparsep = 10pt 10 \marginparwidth = 124pt 11 \footskip = 27pt \marginparpush = 5pt (非表示)
\hoffset = 0pt \voffset = 0pt
\paperwidth = 597pt \paperheight = 845pt
図5.2: ページレ イアウトパラメータ
76 第5章 LATEXのカスタマイズ できます. 図5.2に,変更することのできるパラメータを示し ます.この図 は,‘tools’2 中のlayoutパッケージを用いて作られたものです.
ちょっと待った!. . .「ページの幅を少し広くしよう」と思い込む前に,もう 少し考えてみましょう.LATEXではほとんどのことがそうであるように,ペー ジレ イアウトにもそのように定義されている理由があるのです.
確かに,市販のMS Wordのページレ イアウトと比較すると一行の幅はか なり狭くなっています.しかし ,お気に入りの本3を手にとって,一行の文字 数を数えてみて下さい.一行に,66文字以上はないでしょう.そこで,LATEX の出力結果でも同じように文字数を数えて下さい.一行に66文字くらいであ ることがわかります.経験的に,一行にたくさんの文字を詰め込むととたん に読みづらくなることがわかっています.これは,ある行の終わりから次の行 の最初まで目を移動するのが難しいためです.また,新聞が複数の列(訳注2)か ら構成されているのも同じ理由です.
そこで,もし 作成している文書の幅を広げるならば ,その文書を読む人に 無理をさせることを覚えておいて下さい.ただ,十分に注意を払うのならば その方法を教えまし ょう. . .
LATEXには,これらパラメータの長さを変更するために二つのコマンドが 存在し ,通常文書のプ リアンブルで使用し ます.
一つ目は,パラメータに決まった値を直接設定するコマンド です.
\setlength{parameter}{length}
二つ目は,パラメータに設定し 長さを増減させるコマンド です.
\addtolength{parameter}{length}
このコマンドは,現在の値を基準に設定することができるので,\setlength コマンド よりも使いやすいでしょう.一行の幅を1cm広くするには,以下の コマンド を文書のプ リアンブルに書いて下さい.
\addtolength{\hoffset}{-0.5cm}
\addtolength{\textwidth}{1cm}
この場合,calcパッケージを使用すると,\setlengthコマンドなどの引数中,
もし くは数値を書き込むことのできる場所に加減乗除など の算術式が使用で きるようになります.
2CTAN:/tex-archive/macros/latex/packages/tools
3評判の良い出版社が発行している書籍のことです.
(訳注2)
日本の一般の縦組された新聞では,段ですね.