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ペブルゲームの最小深さに関する結果の証明

(1) V2セレクションネットワークに対応するペブルゲームの証明

補題 5.2(抜粋) ペブルプレイ戦略5.1は、値が0のペブルを含む任意のペブル状態から、ペブル

状態0122. . .2以上の状態にする最小深さペブルプレイ戦略である。

5.2の証明 ペブルプレイ戦略5.1が、値が0のペブルを含む任意の状態から、ペブル状態01222. . .2 以上の状態にする最小深さペブルプレイ戦略であることを、補題5.3を用いて証明する。

目的状態 01

1回多い

12が 1回多い

必要深さ 少ない

P 多い 0 1

P 1 1 P

0 2

0122. . .2

図 36: 目的状態が0122. . .2で0を1にする比較が優先される図

Pを値が0のペブルを1個以上含む任意のペブル状態とする。a, bをそれぞれPに含まれる値 が0,1のペブルの数とする。

ペブルゲームの深さの定義から、値が2以上のペブルの値が増加せず、値が0,1a+b個のペ ブルの内a+b2 個のペブルの値が増加する、最小深さ戦略が存在する。

どのペブルの値を増加させるか、順番に示す。

1. 値が0のペブルについて

p0を任意の値が0のペブル、p0を任意の値が1以上のペブルとする。

補題5.3より、p0の値が増加するプレイを行った後の状態からの目的状態までの深さは、p0

の値が増加せず代わりにp0の値が増加するプレイを行った後の状態からの目的状態までの 深さ以下である。従って、最初の深さのプレイで可能な限り多くの値が0のペブルの値を増 加させる最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

値が0のペブルの値は0同士の比較でしか増加しないため、値が0のペブル同士の比較を

a2回行うことで、a2個の値が0のペブルの値を増加させる戦略が、前記の最小深さペブ ルプレイ戦略である。従って、最初の深さのプレイでa2個の値が0のペブルの値を増加さ せる最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

2. 値が1のペブルについて

値が2以上のペブルの値は増加させないとしていることから、前記の最小深さペブルプレイ 戦略は、値が0のペブル同士の比較をa2回行う範囲で、可能な限り多くの値が1のペブル の値を増加させるペブルプレイ戦略である。

値が0のペブル同士の比較をa2回行う時、a mod 2個の値が0のペブルとb個の値が1 のペブルが比較に使われていない。これらを全て比較することが、可能な限り多くの値が 1のペブルの値が増加する比較であり、(a mod 2)+b2 個の値が1のペブルの値が増加する。

従って、最初の深さのプレイでa2個の値が0のペブルと(a mod 2)+b2 個の値が1のペブ ルの値を増加させる最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

上記より任意のペブル状態P に対して、最初の深さのプレイでa2 個の値が0のペブルと

(a mod 2)+b2 個の値が1のペブルの値が増加する最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

ペブルプレイ戦略5.1は、全ての深さでa2個の値が0のペブルと(a mod 2)+b2 個の値が1 ペブルの値が増加するプレイを行う戦略である。従って任意のペブル状態Pを初期状態とした時、

最初の深さでペブルプレイ戦略5.1に従う最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

ペブルプレイ戦略5.1を任意の深さプレイした後の状態を初期状態とした時も、最初の深さで ペブルプレイ戦略5.1に従う最小深さペブルプレイ戦略が存在する。最初から最後までペブルプ レイ戦略5.1に従う戦略も最小深さペブルプレイ戦略であることから、ペブルプレイ戦略5.1は最 小深さペブルプレイ戦略である。

補題 5.3(抜粋) a, bを任意のa≤bを満たす自然数、Pを任意のペブル状態とする。

この時、ペブル状態P+a+bP+ (a1) + (b+ 1)がどちらも値が0のペブルを含んでいる 状態ならば、次の式が成り立つ。

D(P +a+b,0122. . .2)≤D(P+ (a1) + (b+ 1),0122. . .2) (71) 5.3の証明 a, ba≤bを満たす任意の自然数、Pを任意のペブル状態とする。

この時、ペブル状態P+a+bP+ (a1) + (b+ 1)がどちらも値が0のペブルを含んでいる 状態ならば、次の式が成り立つことを証明する。

D(P +a+b,012. . .2)≤D(P+ (a1) + (b+ 1),012. . .2) (72) Sをペブル状態P + (a1) + (b+ 1)を初期状態とし、プレイ結果が012. . .2以上になる任意 のペブルプレイ戦略とする。Sをペブル状態P+a+bを初期状態とし、原則Sと同様の比較を 行い、初期状態でa−1, b+ 1のペブルを使う比較では代わりに初期状態でa, bのペブルを使うペ ブルプレイ戦略とする。

S, Sに対して、同じ値のペブル比較する際はどちらの値が変化するかを、次のように解釈する。

1. 戦略Sにおいて初期状態でa−1のペブル(以降A−1)は、同じ値と比較した際に負ける (大きい方として扱う)。

2. 戦略Sにおいて初期状態でb+ 1のペブル(以降B+ 1)は、同じ値と比較した際に勝つ(小 さい方として扱う)

3. 戦略Sにおいて初期状態でaのペブル(以降A)は、同じ値と比較した際に勝つ(小さい 方として扱う)。

4. 戦略Sにおいて初期状態でbのペブル(以降B)は、同じ値と比較した際に負ける(大きい 方として扱う)

これによりAの値がBの値以下の深さでは、Sによるペブルの値の増加とSによるペブルの値 の増加は同じように起こる。

戦略Sをプレイした時、Aの値がBを超える深さがあるか否かで場合分けを行う。

1. 全ての深さでAの値がBの値を超えない場合

ペブルプレイ戦略Sの初期状態がP+a+bかつプレイ結果が012. . .2以上、そしてA 値がBの値を超えないことから、ペブルゲームの状態は図37のように遷移する。従ってS に対して次のいずれかが成り立つ。

(a) SP12. . .2以上に、A−1, B+ 10,2以上にする戦略 (b) SPを02. . .2以上に、A−1, B+ 1を1,3以上にする戦略

Aの値がBの値以下である深さではSSによるペブルの値の増加は同じように起こるこ とから、Sに対して次のいずれかが成り立つ。

0が無い

到達不可能 目的状態以上

P a b

12. . .2 1 1

P a−1 b+ 1

12. . .2 0 2

到達可能 目的状態以上

P a b

02. . .2 2 2

P a−1 b+ 1

02. . .2 1 3

図37: Aの値がBの値を超えない戦略のプレイ後のペブル状態の下界 (a) SPを12. . .2以上に、A, Bを1,1以上にする戦略

(b) SP02. . .2以上に、A, B2,2以上にする戦略

ペブルゲームの定義により、ペブルプレイ戦略の初期状態に値が0のペブルが含まれるなら ば、プレイ結果に含まれる値が0のペブルの数が0になることはない。戦略Sの初期状態 P+a+bは値が0のペブルを含むため、戦略Sをプレイした後のプレイ結果は012. . .2以 上である。したがって、Sはペブル状態P+a+bを初期状態とし、プレイ結果が012. . .2 以上になる、Sと同じ深さのペブルプレイ戦略である。

2. いずれかの深さでAの値がBの値を超える場合

P →P a→a b→(a1)

P →P a→a b→(a1) P

a b

P a a1

P a−1 b+ 1

P a1

a

図38: Aの値がBの値を超える深さのペブル状態

深さtoをペブルプレイ戦略SAの値がBの値を超える最初の深さとする。Pを戦略S の深さtoでの初期状態でP のペブルの状態とする。aを戦略S の深さto でのAの値と する。

深さtoで初めてAの値がBの値を超えること、ペブルの値の深さ1ごとの増加量は0か1 であることから、戦略Sの深さtoでのBの値はa1である。Aの値がBの値以下であ

る深さではSSによるペブルの値の増加は同じように起こることから、戦略Sの深さ toでの初期状態でP のペブルの値はPであり、戦略Sの深さtoでのA−1の値はa1 であり、戦略Sの深さtoでのB+ 1の値はaである。

ペブルゲームの状態は図38のように遷移し、ペブルプレイ戦略Sの深さtoでの状態と、ペ ブルプレイ戦略Sの深さtoでの状態は全く同じである。したがって深さtoまでSをプレ イし、深さto以降はSと同じようにプレイする戦略は、ペブル状態P +a+bを初期状態 とし、プレイ結果が012. . .2以上になる、Sと同じ深さのペブルプレイ戦略である。

従って任意のSに対し、ペブル状態P +a+bを初期状態とし、プレイ結果が012. . .2以上に なる、Sと同じ深さのペブルプレイ戦略が存在する。

よって次の式が成り立つ。

D(P+a+b, ν . . .)≤D(P+ (a1) + (b+ 1), ν . . .) (73)

(2) U型セレクションネットワークに対応するペブルゲームの証明

補題 5.7(抜粋) 任意の自然数µ, νに対して、ペブルプレイ戦略5.6は、値が0のペブルをµ個以 上含む任意のペブル状態から、µ個の値が0のペブルとそれ以外の値がνのペブル状態以上の状 態にする最小深さペブルプレイ戦略である。

5.7の証明 ペブルプレイ戦略5.6が、値が0のペブルをµ個以上含む任意の状態から、ペブル状

態0·µ+ν . . . ν以上の状態にする最小深さペブルプレイ戦略であることを、補題5.8を用いて証

明する。

目的状態 a→a+ 1が

1回多い

b→b+ 1 1回多い

必要深さ 少ない

P 多い a(≤b)

b

P a+ 1

b P

a b+ 1

0·µ ν . . . ν

図39: 目的状態が0·µ+ν . . . νa(≤b)a+ 1にする比較が優先される図

Pを値が0のペブルをµ個以上含む任意のペブル状態とする。nPのペブルの数からµ引い た非負整数とする。p1p2p3. . . pnを、P = 0·µ+p1p2p3. . . pnp1 ≤p2≤p3≤. . .≤pnを満た す任意の非負整数とする。

値が同じペブル同士を比較した時は、値の添字が大きいペブルの値が1増加すると定義する。

ペブルゲームの深さの定義から、最初の深さのプレイで0·νのペブルの値が増加せず、p1p2p3. . . pn

の内ν+n2 個のペブルの値が増加する、最小深さ戦略が存在する。

p1からpnまで、どのペブルの値を増加させるかを順番に示す。

1. p1. . . pνについて

補題5.8より、p1p2. . . pνの全ての値が増加するプレイを行った後の状態からの目的状態ま

での深さは、p1p2. . . pνのいずれかの代わりに、それより大きいペブルの値が増加するプレ イを行った後の状態からの目的状態までの深さ以下である。0·νp1. . . pν を比較するこ とでp1. . . pνの値が増加するプレイができる。従って、最初の深さのプレイでp1. . . pνを増 加させる最小深さペブルプレイ戦略が存在する。

2. pν+1, pν+2について

最初の深さのプレイでp1. . . pνを増加させる最小深さペブルプレイ戦略は、pν+1より小さ い値のペブルの比較組み合わせが全て確定している。そのため、前述の最小深さペブルプレ イ戦略ではpν+1の値は増加しない。