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6. 実験における調査結果

6.4 プロジェクト 4 のデータ分析

6.4.1 プロジェクト 4 の不具合データ

プロジェクト4における不具合件数は272件で、不具合対応工数の合計は497時間であった。

発生要因で分類した場合の件数の割合、及び不具合対応工数の割合を図 40に示す。

発生要因工程としては、今回の調査で対象とした設計工程を要因としている不具合の割合が 多い。「システム設計」、「基本設計」、「詳細設計」の 3 つの工程を要因する不具合は、合わせて

全体の26.4%を占めている。

不具合対応工数で見ると、前述の 3工程の割合が、合計で31%となり、件数の割合に比較して 大きくなっていることから、設計工程が要因の不具合は不具合対応工数が大きくなることを示して いる。

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【発生要因】 【不具合対応工数】

図 40 プロジェクト4 不具合発生要因及び不具合対応工数

詳細設計 21%

製造 26%

検査仕様 8%

検査ミス 12%

その他 28%

基本設計 0.4%

システム設計 5%

詳細設計 23%

基本設計 1%

システム設計 7%

製造 38%

検査仕様 3%

検査ミス 8%

その他 20%

また、これらの不具合が検出された工程を分析した結果を図 41に示す。

プロジェクト 4については、上流工程で検出されている不具合はなく、検査工程で検出される割 合が、合計で99%とほぼ全件を占めている。また、他社や他プロジェクトなど外部からの指摘も 1%

とごくわずかになっている。

図 41 プロジェクト4 不具合検出工程

これらの不具合のうち、設計要因の不具合件数は 72 件で、その不具合対応工数の合計は

152.35 時間であった。プロジェクト4 における、設計要因の不具合対応工数の内訳を表 18に示

す。

表 18 プロジェクト4 不具合対応工数の内訳

解析時間 解析後

レビュー 処置時間 処置後

レビュー 確認時間 対応工数 合計 システム設計

19.60 0.00 13.00 0.00 3.00 35.60

基本設計

0.50 0.00 3.00 0.00 0.00 3.50

詳細設計

70.25 0.00 28.75 0.00 14.25 113.25

小計

90.35 0.00 44.75 0.00 17.25 152.35

不具合対応工数(H) 工程種別

リリース前検査 1%

結合検査 90%

単体検査 7%

総合検査 1% A社指摘 1%

仕様変更 0%

不具合件数を「システム設計」、「基本設計」、「詳細設計」の3工程で分類した結果、及びそれ ぞれの不具合対応工数の割合を図 42に示す。

システム設計については、不具合件数では19%であるが、不具合対応工数では23%となり4%増 加している。逆に詳細設計の割合は、80%から75%と5%減少している。

【不具合件数】 【不具合対応工数】

図 42 プロジェクト4 設計要因の不具合件数及び設計要因の不具合対応工数

システム 設計

19%

詳細設計 80%

基本設計 1%

システム 設計

23%

詳細設計 75%

基本設計 2%

次に、不具合ごとの不具合対応工数の分布を図 43に示す。

不具合対応工数が 5時間未満のものが91%と大半を占めている。工数の削減にはこの部分へ の対処が不可欠である。

なお、このプロジェクトでは、不具合対応工数が20時間以上の不具合は存在しなかった。

0~5H未満 91%

50H~

0%

40~50H未 満 0%

5~10H未満 8%

10~20H未 満 1%

20~30H未 満 0%

30~40H未 満 0%

図 43 プロジェクト4 不具合ごとの不具合対応工数

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