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85. また、次の会計基準に対する適用後レビューが 2019 年から 2020 年初頭に開始する予 定であることについて、IASB スタッフから説明があった。

(1) IFRS 第 10 号「連結財務諸表」、IFRS 第 11 号「共同支配の取決め」、IFRS 第 12 号

「他の企業への関与の開示」

(2) IFRS 第 5 号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」

86. 今回の ASAF 会議では、次の点が質問事項とされたうえで、ASAF メンバーによる議論 が行われた。

(1) IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビューを開始すべ き時期について提案はあるか。

(2) IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビューについて は、3 つの会計基準をまとめて単一のプロジェクトとして実施すべきか、または 2 つ以上のプロジェクトに分割して実施すべきか(例えば、IFRS 第 11 号に対する 適用後レビューを IFRS 第 10 号及び IFRS 第 12 号とは別に実施することや、投資 企業の要求事項だけ別に実施すること)についてコメントはあるか。

(3) リサーチ・パイプラインについてコメントはあるか。

(ASBJ からの発言の要旨とこれに対する参加者の主な発言)

87. ASBJ からの主な発言の要旨は次のとおりである。

(1) 持分法のプロジェクト及び IFRS 第 11 号の適用後レビューは開始されておらず、持 分法に関するいくつかの論点は解決されていないものがある。そのため、まずは市 場関係者の見解を収集し、持分法に関する議論に寄与するために、IASB は持分法の プロジェクト及び IFRS 第 11 号の適用後レビューを早期に開始すべきであると考え る。

88. ASBJ からの発言に対する参加者の主な発言は次のとおりである。

(1) 持分法には多くの問題があり、持分法のプロジェクトは早急に開始すべきである。

そのため、IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビュー については、IFRS 第 11 号を先行して実施することも考えられるが、分野をまたが る横断的な論点もあるため、まずは適用後レビューの対象を分割せずに包括的な 検討を開始すべきであり、状況に応じて分割して検討すべきであると考える。

(2) リソースが十分である場合には、IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に 対する適用後レビューについて適用後レビューの対象を分割しないことが考えら れるが、リソースの問題等がある場合には、IFRS 第 11 号と関連する IFRS 第 12 号 の規定を優先すべきであると考える。限定的なアウトリーチによると、持分法につ いては、多くの適用上の問題が生じていると考えている。

(3) 持分法の論点については懸念があり、会計基準も複雑であるため、論点を理解する ためにも、早期に検討に着手することがよいと考える。特に一定の投資スキームに おいて、市場関係者は、現行の会計基準の結果に必ずしも満足していない。

(4) 持分法のプロジェクトに取り組んでいるが、開始と中止を繰り返しており、難しい プロジェクトであると理解している。

(参加者のその他の発言)

89. 参加者からのその他の主な発言は次のとおりである。

(1) IFRS 第 11 号には多くの問題があると認識しているが、IFRS 第 12 号は開示を取り扱 っており、また市場関係者の見解を踏まえると、IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビューについては、3 つの会計基準をまとめて実施す るのがよいと考える。

(2) 多くのメンバーは、IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レ ビューを早急に開始すべきだと考えており、3 つの会計基準をまとめて実施するのが よいと考えていたが、適用後レビューを分割して実施することもよいと考えるメン バーもいた。また、IFRS 第 10 号における投資先に対する支配の判定が困難であり、

リソースの問題がある場合には、IFRS 第 10 号に対する適用後レビューを先行すべき であるとの意見も聞かれている。

(3) IASB は、概念フレームワークの改訂版を公表したことを踏まえ、例えば排出物価格 設定メカニズム等、改訂された概念フレームワークに関連するリサーチ・プロジェク トにより注力すべきである。

(4) IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビューについては、

3 つの会計基準が相互に関係し、分割して検討することが困難であるため、3 つの会 計基準をまとめて実施するのがよいと考える。

(5) IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対する適用後レビューについては、

3 つの会計基準を分割して実施するものの、同時に実施するのがよいと考える。

(6) 多くのプロジェクトがリサーチ・パイプラインに入っているが、プロジェクトの開始 にあたってリソースはあるのか。

⇒実施する作業の内容により、作業量が多いものも少ないものもある。資産のリター ンに依存する年金給付に関するプロジェクトは、狭い範囲のプロジェクトとして早 く進められる可能性があるが、採掘活動プロジェクトは、非常に作業量が多くなる可 能性がある。(IASB スタッフ)

(7) FASB は、IASB と同様に、変動対価及び条件付対価に関するプロジェクトに取り組ん でいる。子会社である中小企業プロジェクトについては、FASB も非公開企業に対す る同様の問題を認識しており、親会社の連結財務諸表の作成プロセスを考えると当 該プロジェクトの必要性は理解できる。

(8) これまでの議論を踏まえると、IFRS 第 10 号、IFRS 第 11 号及び IFRS 第 12 号に対す る適用後レビューを早急に開始すべきという意見が多かったと理解した。また、3 つ の会計基準をまとめて実施するかどうかについては、意見が分かれていたが、IFRS 第 11 号に対する適用後レビューを先行して実施すべきとの意見も相応にあったと理解 した。(IASB スタッフ)

次回の ASAF 会議の議題

(議題の概要)

90. 本セッションでは、次の内容について IASB スタッフから説明があった。

(1) 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題の内容(アジェンダ・ペーパー9 付録 A)

(2) IASB のアジェンダ・プロジェクトのアップデート(アジェンダ・ペーパー9 付録 B)

(3) 2017 年 12 月開催の ASAF 会議における ASAF メンバーからのアドバイスを IASB ス タッフ又は IASB ボードがどのように検討したかについてのフィードバック(アジ ェンダ・ペーパー9 付録 C)

91. 前項(1)について、IASB スタッフは、次の項目を 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の 議題とすることを提案している。

(1) 動的リスク管理

(2) 開示に関する取組み-開示原則

(3) 資本性金融商品-減損及びリサイクリング(EFRAG)

(4) 共通支配下の企業結合(香港公認会計士協会(HKICPA)及び OIC)

(5) 基本財務諸表

(6) 有形固定資産-意図した使用の前の収入(IAS 第 16 号の修正)

92. 今回の ASAF 会議では、次の点が質問事項とされたうえで、ASAF メンバーによる議論 が行われた。

(1) 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題の提案に対するコメントはあるか。

(2) 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題の提案について、追加したい項目はある か。

(3) プロジェクトのアップデート又は IASB が ASAF メンバーのアドバイスを求める時 期についてコメントはあるか。

(ASBJ からの発言の要旨とこれに対する参加者の主な発言)

93. ASBJ からは、特段の発言は行っていない。

(参加者のその他の発言)

94. 参加者からのその他の主な発言は次のとおりである。

(1) 6 月中旬までに、企業の業績指標に関するガイダンス案を公表する予定である。この 文書について ASAF メンバーからのインプットを求めたいと考えており、また基本財 務諸表プロジェクトにも貢献できると考えられるため、2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題としたいと考えている。

(2) EFRAG が 3 月に公表したディスカッション・ペーパー「資本性金融商品-減損及びリ サイクリング」のコメント期限は 5 月 25 日であり、2018 年 7 月開催予定の ASAF 会 議において EFRAG としての見解を示すことが困難となる可能性が高いと考えており、

EFRAG ボードに 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題とするか否か確認する必要 があると考えている。

(3) 2018 年 7 月開催予定の ASAF 会議の議題には同意するが、あるメンバーから主要な新 しい会計基準(IFRS 第 9 号や IFRS 第 15 号)の適用状況(例えば、適用上の課題や

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