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プロジェクトの評価

ドキュメント内 JICA (ページ 91-97)

5−1 妥当性

本プロジェクトは、以下の理由から妥当性が高いと考えられる。

(1)我が国の対ミャンマー国援助方針との整合性

我が国のミャンマー国に対する援助は、現在のミャンマー政府の状況をかんがみ、新規の 経済協力案件実施は基本的に見合わせる措置をとっている。しかし、「緊急性が高く真に人 道的な案件」など、人道支援および民主化支援に資する案件に関しては、内容吟味のうえ、

順次実施する方針としている。本プロジェクトは、この方針と合致するほか、援助重点課題 の 1 つである「教育と保健・医療改善による人的資源開発」に該当し、支援実施について整 合性が認められる。

(2)APCD(アジア太平洋障害者センター)プロジェクトとの関連性

ミャンマーはAPCDによるプロジェクトの対象国である。APCDプロジェクトは 2007 年現 在第 2 フェーズを迎え、その実施方針の1つにはAPCDで研修を受けた人々が自国において 活動を展開することが含まれている。本プロジェクトでは、APCDにおいて過去にトレーニ ングを受けたNGOスタッフ等を、リハビリテーション人材育成のための講師として活用で きる可能性を検討しており、エンパワーメントの観点からAPCDプロジェクトの実施方針に も合致している。また、APCD研修のミャンマーにおける窓口である社会福祉省からは、本 プロジェクトの実施に対しコミットメントが得られているため、連携したプロジェクトの実 施可能性が認められる。

(3)プロジェクトサイトの選定

ヤンゴンにある国立リハ病院を中心としてリハビリテーション関連人材の育成を実施する ことは、ミャンマー国保健省の方針でもある。ヤンゴンは総合病院のほか、整形外科・婦人 科・小児科などの各種専門病院があり、国立リハ病院とは連携した治療体制をとっているが、

リハビリテーションに関する技術や知識はいずれの病院でも未熟である。国立リハ病院を中 心としたリハビリテーション人材育成を実施することにより、これら専門病院とのネットワ ークを生かした専門研修も行えるため、プロジェクトサイトとしては妥当であると考えられ る。

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(4)ターゲットグループの選定

本プロジェクトで訓練対象となるのは、すでにリハビリテーション関連の職に就いている 人材であり、更なる知識と技術を導入することによる能力向上に加え、すぐに実践に反映さ せることができるため、患者への直接の裨益が期待される。

また、本プロジェクトで訓練対象となる主な国立病院は医療系学生の実習の場でもあるた め、スタッフの能力が向上することで実習生への波及効果も期待できる。さらに、ミャンマ ーでは保健省管轄の国立病院間で適宜医療人材の異動が行われるため、プロジェクト実施地 域としてはヤンゴンが中心となるが、ここで育成された人材が他地域に異動となることによ る技術・知識の波及も見込まれる。

(5)広報活動

本プロジェクトでは障害に関する広報活動も実施する方針である。ここでいう情報とは、

リハビリテーションサービスに関する情報だけではなく、障害の理解や予防(感染症・公衆 衛生分野とも関連)等に関する情報が含まれるため、ターゲットグループ以外のより多くの 人々への障害の発生予防および障害の悪化予防の促進も見込まれ、プロジェクトとしての妥 当性が高い。また、プロジェクト対象病院に来たリハビリテーションを必要とする人々やそ の家族への情報提供を行うことで、彼らが居住地に戻ったあと、彼ら自身によって周囲の 人々へ情報を伝達してくれることも見込まれる。

なお、ハンセン病対策・基礎保健サービス改善プロジェクトから提言されたもう 1 つの技 術協力プロジェクトである基礎保健スタッフ強化プロジェクトとの連携により、基礎保健ス タッフによる情報の提供が行われることが望まれる。

(6)協力実施期間

人材育成の体制整備と育成の両方を行うため、ある程度の時間が必要となる。よって、5 年間が妥当であると考えられる。

5−2 有効性

本プロジェクトは、以下の理由から有効性が見込める。

(1)関係者のコミットメント

実施機関である保健省がリハビリテーション人材育成と能力向上に意欲的であり、かつプ ロジェクト現場である病院の関係者らの向上意識も高いことから、プロジェクト実施中だけ でなく終了後においても継続してリハビリテーション人材の育成が行われる可能性が高い。

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(2)プロジェクト目標

「国立リハ病院およびプロジェクト対象病院において、質の高いリハビリテーション医療 を提供できる体制が整備される」と計画されており、それらの病院における治療のマネージ メント体制とスタッフ自身の技術の向上が指標として設定されている。これらの指標をモニ タリング評価する方法についてはプロジェクトの活動にも含まれているため、プロジェクト 目標の設定は明確である。

(3)外部条件

外部条件であるミャンマーのリハビリテーション関係職種の勤務条件は、給与に関しては 国内のインフレにともない金額の一斉引き上げが行われたばかりである。国立病院の人事は 保健省によって管理されており、その保健省の方針としてリハビリテーション医療の強化が あるため、勤務条件の安定は今後も保たれる可能性が高い。

5−3 効率性

本プロジェクトは、以下の理由から効率的な実施が見込める。

(1)プロジェクトの成果

本プロジェクトでは「①人材育成の実施体制」が整備されることで、「②人材育成の実施」

がなされること、および「③広報活動」の実施により障害の理解と病院受診者増加を目指す ことという活動計画がなされており、プロジェクト実施期間 5 年間の間に段階的に達成し得 る計画となっている。また、それぞれの成果が相互に関連してはいるものの、活動自体には 独立性もあるため、一部の活動の遅れによってすべての計画が遅延してしまうことがなく、

効率的な実施が見込める。

(2)プロジェクトサイトの機材と施設

国立リハ病院の機材と施設は人材育成のために必要な最低限の改善と改修を要するが、可 能な限り現状の物を利用しつつ、プロジェクト予算の範囲内で実施できる必要最低限の改修 を想定している。また、国立リハ病院施設の小規模な改修を行うことに関しては、すでに保 健省の合意も得られている。さらに、これに関してはプロジェクトの活動の中で人材育成企 画チームが計画を策定することとなっており、現状の問題把握と改善策についてマネージメ ントサイドの研修の一部にもなっている。

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(3)外部条件

成果に対する外部条件は、国立リハ病院における訓練が継続して実施されることと、訓練 を受けたスタッフが国立リハ病院およびプロジェクト対象病院で勤務を続けることである。

国立リハ病院は現在もさまざまな分野の研修生を受入れている状況であることに加え、保健 省の方針として国立リハ病院をリハビリテーション人材育成の中心とすることが示されてい るため、体制としては訓練を継続して行える可能性が高い。訓練を受けた人材の継続的な勤 務に関しては、6 カ月以上の長期訓練を海外で受けた場合には、その後も保健省管轄の病院 で一定期間の勤務を続ける義務が発生するため、指導者となり得る人材に対して長期海外研 修を実施した際はこの外部条件は満たされると考えられる。その他の訓練修了者に関しては、

国立病院における勤務のモチベーションを高める、フォローアップ体制を整備するなど、勤 務を継続しやすい環境を保つ工夫をプロジェクト実施中に行うことで、条件として満たされ る可能性は高くなると考えられる。

(4)指標の設定

指標の入手手段としては、すべてプロジェクトの活動を進めていくなかで得られる結果を もとにしており、確認のためにプロジェクトの活動とは別の予算を用意する必要がない。そ れぞれの活動を計画に沿って進めることで達成度を把握することができるため、目標と現状 とを比較することが容易であり、場合により途中で目標達成に向けて計画を調整するなどの フィードバックも可能である。

5−4 インパクト

本プロジェクトのインパクトは以下のように予測できる。

(1)上位目標の実現

上位目標である「ミャンマー国において質の高いリハビリテーション医療を提供できる体 制が整備される」に関しては、現職のリハビリテーション医療関係者を訓練して能力を向上 させることと、訓練を受けた人材が全国のリハビリテーション医療を行っている国立病院に 最低 1 人ずつは配置されることによって、プロジェクト終了 5 年後(プロジェクト開始から 10 年後)までには実現できることが見込まれる。

リスクとしては、現実問題として都市圏ではない病院への配属希望者の確保が困難である ことがあげられる。ただし、保健省としては今後 2 〜 3 年のうちに現在ポストが空いている 国立病院すべてにリハビリテーション医療人材を配置したい意向である。プロジェクト実施 中に保健省の人事動向にも留意しつつ、必要に応じてJCCの議題として取り上げるなど、積

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