4-1 前提条件
本プロジェクト実施の前提条件について以下に示す。
1) 環境社会配慮
「東ティ」国の環境影響評価(EIA)の手続きは、通商産業環境省(MCIE)の国家 環境局(NDE)がプロジェクトのカテゴリー区分や環境ライセンスの発行を担当し ている。このため、本プロジェクトにおいても、事業者となる道路・橋梁・治水局
(DRBFC)からNDEにプロジェクト概要を提出し、カテゴリー区分を判定しても らい、そのカテゴリー区分に応じた対応を行うこととなる。
本プロジェクトでは、 事前にNDEに確認したところ、カテゴリーBに該当するこ とを確認している。カテゴリーB では、EIA の実施は必要としないが、環境管理計 画(EMP)は提出する必要がある。EMPの内容は、本報告書の内容からほぼ網羅さ れるうえ、提出後、手続きに必要な期間は 3 か月程度と考えられる。このため、工 事着工前までに環境社会配慮において必要な手続きを完了できる見通しである。
2) 免税
本プロジェクトの実施に係る税金については、公共事業省(MPW)が負担する。
3) 施工ヤードの無償提供
施工ヤードの無償提供については、ステークホルダー協議を実施し、行政担当者及 び地区有力者に説明し了解を得ている。ステークホルダー協議には、事業者となる
DRBFCの担当者も参加しており、工事契約までに地権者に説明し、同意を得ること
になっている。また、過年度、無償資金協力において実施されたモラ橋の建設工事 において提供された場所と同じであるため、本プロジェクトにおいても理解を得ら れるものと考える。よって、施工ヤードの無償提供は、特に問題なく実施されるも のと判断される。
以上より、事情実施の前提条件は確保されているとみなされる。
4-2 プロジェクト全体計画達成のための必要な相手方投入(負担)事項
からも工事期間中は定期的に技術者を現場に派遣し、状況把握に努めることが望ま れる。
2) 本工事で整備される施設は、整備後にその機能を適正に維持するために維持管理が 必要である。整備される施設は、維持管理の負担が少ないように計画されているが、
年 2 回程度の定期点検を行い、必要に応じて補修などを行う必要がある。DRBFC の維持管理にかかる予算は、3.5.2 運営・維持管理費にあるように、十分に確保さ れていると判断される。
上記の投入については、十分、先方政府に対応できるものと判断される。
4-3 外部条件
本プロジェクトの効果を発現・持続するには、次の外部条件が満足されることが必要であ る。
1) 主要な国道の維持管理が適切に実施されるという政策が継続される。
2) ディリから現場までの輸送路の維持管理が適切に実施され、資機材の運搬及び物 資の調達が容易にできることが維持される。
3) 施工ヤード及びコンクリート用骨材の提供が円滑になされる。
4) 供用後の維持管理が適切に実施される。
現在のところ、上記条件について特に阻害される要因はなく、外部条件は満たされている と判断される。
4-4 プロジェクトの評価
4-4-1 妥当性
プロジェクトの実施の妥当性を表 4-4-1 に示す。
表 4-4-1 プロジェクト実施の妥当性
評価項目 妥当性
1) 裨益人口 安定した道路交通が確保されることによる裨益対象は、南部主 要都市の一つであるスアイ市を含むコバリマ県(Covalima District)の各地域であり、これは「東ティ」国全体の約 5.4%
(6 万人)に相当する。
2) 住民の生活改善 本プロジェクトの目標は、モラ川の浸食による影響を防ぐこと で、地域住民にとって極めて重要な生活道路である国道 A02 号 線の安定した道路交通を確保することにある。
本プロジェクトにより、モラ橋付近の自治体であるズマライ
(Zumalai)住民の生活基盤が安定するとともに、モラ川以西 の地域に安定的に物資が輸送されるようになる。
また、収穫された農産物が消費地であるディリに安定的に運搬 できるようになるなど、地域住民の生活改善と安定に大きな貢 献がなされる。
3) 国会開発計画との整合 「東ティ」国では、2030 年を目標年次とした国家開発計画にお いて、持続的かつ長期的な維持管理計画により道路資本を維持 することを目標としている。また、社会資本への損害を抑える ため、継続的な浸食防護対策の実施を求めている。本プロジェ クトは、これらの目標に貢献するものである。
4) 本邦の援助政策との整 合
「東ティ」国に対する日本の援助方針の一つに「経済活性化の ための基盤づくり」があり、本プロジェクトにより国道 A02 号 線の道路交通が安定することになり、その方針と整合する。
4-4-2 有効性
(1) 定量的効果
本プロジェクトを実施しない場合、既設橋において浸食が進行し、5年確率程度の降雨・洪 水に伴う洗掘、浸食により橋梁の安定が失われることや、右岸側のアプローチ道路の冠水 が想定される。このため、定量的効果として、橋梁の安定が失われ、河道内を車両が通行 せざるを得なくなる場合が想定され、その場合、降雨による水位上昇により通行不可とな る期間は、2007 年における調査より60 日間/年である。よって、本プロジェクトの実施 により橋脚・橋台を防護することで、60 日間/年の通行不能期間が未然に防がれることと なる。
表 4-4-2 定量的効果
指標名 基準値(2007年) 目標値(2018年)
通行止め日数(※) 60日/年 0日/年
※5年確率の降雨・洪水による浸食被害を想定。
注)通行止め日数を0にする直接の要因は2011年に完成した新モラ橋であるが、本 件事業の意義が、新橋梁に接続する既設モラ橋を含めた関連インフラの機能を保持 することにあることを踏まえ、同指標を採用した。
既設橋の橋脚と橋台が保護されることで、洗掘による下部工の崩壊を防ぐことがで き、既設橋の安定性が向上する。
護岸の維持管理(補修及び修復)にかかる経費が大幅に削減される。
国道の通行止め回数が減少し、交通の安定性が向上する。これにより、モラ橋付近 の村落のみならず、コバリマ県全体の社会経済の発展に寄与する。
以上の内容により、本プロジェクトの実施による妥当性は高く、また有効性も見込まれる ものと判断される。
1. 調査団員の氏名・所属 2. 調査行程
3. 相手国関係者リスト 4. 討議議事録
5. 参考資料
4-1 交通調査結果 4-2 地質調査結果
4-3 ステークホルダー協議・記録簿
間宮 圭 計画管理
経済基盤開発部計画・調整課 小川 基樹 業務主任/洗掘防止対策 株式会社 エイト日本技術開発 萩原 昭 副業務主任
/構造物設計(護岸堤防) 株式会社 エイト日本技術開発 宮本 宏一 構造物設計 (橋脚防護) 株式会社 エイト日本技術開発 岡部 信之 自然条件調査 株式会社 エイト日本技術開発 角谷 晃 施工計画/調達事情/積算 株式会社 エイト日本技術開発
2.第二回現地調査
氏名 分担業務 所属
小川 基樹 業務主任/洗掘防止対策 株式会社 エイト日本技術開発 萩原 昭 副業務主任
/構造物設計(護岸堤防) 株式会社 エイト日本技術開発 宮本 宏一 構造物設計 (橋脚防護) 株式会社 エイト日本技術開発 岡部 信之 自然条件調査 株式会社 エイト日本技術開発 根本 勝 環境社会配慮 株式会社 エイト日本技術開発 角谷 晃 施工計画/調達事情/積算 株式会社 エイト日本技術開発
3.第三回現地調査
氏名 分担業務 所属
恒岡 伸幸 総括 独立行政法人国際協力機構
国際協力専門員 小川 基樹 業務主任/洗掘防止対策 株式会社 エイト日本技術開発 萩原 昭 副業務主任
/構造物設計(護岸堤防) 株式会社 エイト日本技術開発
角谷 晃 施工計画/調達事情/積算 株式会社 エイト日本技術開発
24-Mar. S 移動(ディリ→モラ橋→スアイ)
現地調査(モラ橋)
25-Mar. S 現地調査(Baer橋、モラ川、Nanunu橋)
移動(スアイ→ディリ)
26-Mar. M MOF/MOI/DRBFCとの協議 再委託準備(地形測量、地質調
査)
入札、契約交渉、JICA 報告、
契約書署名
再委託契約準 備補佐
水文・降雨デ ータ収集
施工単価・
調達事情調 27-Mar. T MOFとの協 査
議 ミニッツ準備 28-Mar. W
ミニッツ準備 29-Mar. T
30-Mar. F MOI/DRBFCとの協議 31-Mar S
ミニッツ準備 再委託業者への現地説明
1-Apr. S
2-Apr. M ミニッツ署名、JICA東ティモール事務所への報告
3-Apr. T
移動(ディリ→シンガポール→東京)
4-Apr. W
※網掛け部は、計画予定地(ズマライ)での活動を示す。
― 28-Apr. S
29-Apr. S 書類整理
30-Apr. M JICA協議、DRBFC協議、再委託業者協議 積 算 単 価 調
査、関連法規 調査、現地施 工 能 力 調 査 など
降 雨 デ ー タ な ど、流量解析に 必 要 な デ ー タ 収集
1-May T C/P の組織・予
算、整備方針に かかわる調査
再委託管理<
測量>
再 委 託 管 理 < 地 質 > & ベ ー ス ラ イ ン 調査補佐 2-May W
5/3 T 5/4 F 5/5 S
5/6 S 書類整理
5/7 M C/P の組織・予 算、整備方針に かかわる調査、
他ドナーの類似 事例調査
5/8 T 再 委 託 管 理 &
ベース乱調査 5/9 W
5/10 T 再委託管理<
5/11 F 測量>
5/12 S 移動
5/13 S 書類整理 書類整理
5/14 M JICA報告
再委託管理<
地質>&ベー スライン調査
補佐
JICA報告
ベースライン 調査、
降雨データ収 集
JICA報告
5/15 T 質問票
回収
再委託管理<
測量> 積算単価
調査
環境スコー ピング、
振動・騒音調 査 5/16 W
5/17 T マリアナ事務所
5/18 F 質問票
回収
再委託管理<
5/19 S 測量>
5/20 S 書類整理
5/21 M
質問票の回収、
相手国負担事項 についての調 査、維持管理能
力の評価
施設設計、比較検討、施工法検討
施工法検討、
概 略 事 業 費 検討、相手国 負 担 事 項 積 算
水文解析、
洪水予測 解析、不足
資料の収 集
環境予測、環境評 価及び代替案の 検討、緩和策の検 討、ステークホル ダー協議準備 5/22 T
5/23 W 5/24 T 5/25 F 5/26 S 5/27 S 5/28 M
施設設計、
比較検討
再委託管理<
5/29 T 地質>
5/30 W 5/31 T
洪水被災調査、
ステークホルダー協議
洪水被災調査、
ステークホルダー協議 6/1 F
6/2 S 6/3 S
6/4 M TNドラフト作成
6/4 T
JICA協議、再委託支払い、TNドラフト作成、MOI 事前協議等
TNドラフト作成 6/5 W
6/6 T TNドラフト作成、JICA協議7、MOI事前協議 6/7 F 等
6/8 S TN署名、JICA説明
6/9 S