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プロジェクトの基本計画

ドキュメント内 Microsoft Word - 01 表紙鑑 ペルー.doc (ページ 114-120)

5-1 プロジェクトの名称・対象地域・裨益者・期間 5-1-1 プロジェクトの名称

カハマルカ州小規模農家生計向上プロジェクト

5-1-2 対象地域

カハマルカ州のカハバンバ郡、カハマルカ郡、サンマルコス郡、サンミゲル郡及びサンパブ ロ郡

5-1-3 裨益者

(1)直接裨益者

対象地域から選定されたモデル集落(各郡1集落の計5集落)の小規模農家約500戸(各 モデル集落100戸)

(2)間接裨益者

対象地域のモデル集落以外の集落、及び啓蒙対象地域のうち、モデル集落での取り組 みが啓蒙可能な小規模農家等

5-1-4 期間

2011年4月から2016年3月(5年間)

5-2 プロジェクトの基本設計 5-2-1 上位目標

対象地域の小規模農家の生計向上が図られるとともに、啓蒙対象地域においてモデルが活用 される。

5-2-2 プロジェクト目標

対象地域において小規模農家の生計向上に向けたモデルが構築される。

5-2-3 成果・活動・投入

(1)成果

成果1:適切なモデル集落において、農民組織の活動実施体制が整う。

成果2:モデル集落農家の対象作物の農業生産性が向上する。

成果3:モデル集落の農民組織による農産物生産チェーンが整備される。

成果4:モデル集落の水土保全が促進される。

成果5:啓蒙対象地域においてモデル集落での取り組みが啓蒙される。

(2)活動

活動1-1:モデル集落選定基準に基づき各郡1カ所のモデル集落を選定し、協定書 を締結する。

活動1-2:モデル集落でベースライン調査を実施する。

活動1-3:モデル集落の農家に対して活動内容の説明・啓発を行う。

活動1-4:各活動内容に適した農民組織を設立する。

活動1-5:農民組織に対する組織運営に係る指導・支援を行う。

活動1-6:モデル集落でエンドライン調査を実施する。

活動2-1:対象作物の優良種子を生産し、モデル集落の小規模農家への供給を行う。

活動2-2:各郡のモデル集落に展示圃場を設置する。

活動2-3:展示圃場の活用と日常活動を通して栽培技術を普及する。

活動2-4:栽培技術マニュアルを作成する。

活動3-1:農産物生産チェーン整備計画書を作成する。

活動3-2:対象5郡に農産物加工場を整備する。

活動3-3:農産物加工場の操作運営に係る指導を各農民組織に対して行う。

活動3-4:農民組織による農産物加工品の市場開拓と販売を指導・支援する。

活動4-1:対象地域の小規模農家に対する土壌保全に係る指導と実施促進支援を行 う。

活動4-2:農民組織による苗畑場の設置・運営と植林への指導・支援を行う。

活動5-1:モデル集落の取り組みを啓蒙する対象地域を選定する。

活動5-2:啓蒙内容を検討のうえ、啓蒙計画を策定する。

活動5-3:啓蒙対象地域の生産者等関係者に対して計画に沿った啓蒙活動を行う。

5-3 実施体制 5-3-1 実施機関

国立農業研究所(INIA)

5-3-2 カウンターパート

国立農業研究所、農村農業生産開発計画、カハマルカ州政府、カハバンバ郡政府、カハマル カ郡政府、サンマルコス郡政府、サンミゲル郡政府、サンパブロ郡政府

5-3-3 合同調整委員会

(1)機能

合同調整委員会は、少なくとも1年に1回開催され、また、必要に応じて開催する。

役割は、以下のとおりである。

① プロジェクトのPDMに基づき、プロジェクトの年間計画の協議と承認。

② プロジェクト年間計画の進捗及び達成度の確認。

③ その他プロジェクト実施に関する懸案事項の討議。

(2)合同調整委員会の構成

① 議長:INIA本部 総裁

② メンバー(なお、メンバーが代理指名する者でも可とする。)

1)ペルー側

a.AGRORURAL 総裁

b.INIAカハマルカ試験場 場長

c.AGRORURALカハマルカ支所 支所長 d.カハマルカ州 知事

e.カハバンバ郡 郡長 f.カハマルカ郡 郡長 g.サンマルコス郡 郡長 h.サンミゲル郡 郡長 i.サンパブロ郡 郡長

2)日本側

a.日本人専門家

b.JICAペルー事務所長

c.JICAによって派遣されているその他の日本人専門家

③ オブザーバー

1)在ペルー日本国大使館代表 2)ペルー国際協力庁

3)ペルー農業省 4)対象地域農民代表

5)委員会議長から指名された者

5-4 プロジェクト実施上の留意点 5-4-1 作物栽培

(1)対象地域においては、ニンニクのさび病の蔓延が深刻化している。対象地域における 植物防除に詳しい国家農業衛生サービス(SENASA)とも連携し、農薬散布のタイミング 及び量を調整し、可能な限り農薬散布量を減らした効果的な植物防除法の普及を行うこ とが望ましい。

(2)INIAカハマルカ試験場では、現地で容易に入手できるクイや牛の糞尿を利用したコン ポスト生産技術を確立している。したがい、物理的な土壌保全対策のみならず、肥料と しての効果が高いコンポストの生産技術の普及も行うことが望ましい。

(3)対象地域においては、標高差を活かした特色のある農業が営まれており、気候に合わ せて作物・栽培体系が多様化している。したがい、現地の自然・社会条件等の地域特性 を十分考慮した作物・品種の選定を行い、さらに波及性も考慮したモデルを構築する必 要がある。

5-4-2 農業技術普及

(1)INIAカハマルカ試験場からの他の支援機関もしくは農民組織を介した面的な普及シス テムの構築をめざす必要がある。そのため、現地での農業技術普及の実績があり、既存 の普及プログラムを構築しているINIAカハマルカ試験場を中心に、効率的に普及システ ムを構築する必要がある。

(2)現地調査の結果、畜産・酪農が基幹産業であるために灌漑用水を優先的に牧草に利用 している地域では、一部の農民からは、灌漑牧草地をその他の商品作物に変えることに 否定的な意見が聞かれた。したがい、モデル集落選定には農民の意思を十分配慮する必 要がある。

(3)円借款事業(山岳地域小中規模灌漑整備計画事業)または円借款事業の実施機関であ ったPRONAMACHCSによる事業対象地区にモデル集落を選定した場合、農民がアクセス がしにくくなる場所が選定される可能性がある。したがい、展示圃場の目的を考え、円 借款事業実施地区でなく、「円借款事業実施地区の農民もアクセスできる場所」を選定す る場合も考えられる。

(4)カウンターパート機関が所有する農業普及に必要な車両等の機材が不足している。し たがい、円滑な農業技術普及活動の実施のために、必要に応じて、それらの機材を提供 する必要がある。

5-4-3 農地保全・植林分野

(1)先進的な一部の農家が対象地域において導入している農地保全対策の中から、地域に 応じて適用可能なもの選択し、普及していくことが望ましい。

(2)農地保全対策のうち、耕種的手法の方が、土木的手法に比べて、経済性と持続可能性 に優る。したがい、一般に農地保全対策には耕種的手法を優先的に採用することが望ま しい。しかし、下記の場合には耕種的手法のみでの問題解決が困難であるので、耕種的 手法と緊急対策としての土木的手法とを組み合わせた計画とするのが望ましい。

 耕種的手法のみでは、土壌流出量を許容量以下に抑えることが困難な場合

 山岳地域等、地形・自然条件が厳しく、耕種的手法のみでは植物が定着しない場合

 山岳地域等の人口が希薄な地域、公有地もしくは非農地で、農民主導による農地保 全活動の継続、維持管理が期待できない場合

(3)急傾斜地等への植林においては、農民が事業に参加するためのインセンティブを提示 できる持続可能な苗畑管理計画及び植林計画を策定する必要がある(例えば、間伐材や 材木の販売利益を労賃として支払う仕組みの導入等)。

(4)住民主導による植林・農地保全事業実施のためには、農民に対し、それらの重要性を 理解してもらうための啓蒙活動の実施が不可欠である。

(5)対象地域においては、広範囲に放牧が行われている。そのため、苗木の保護の観点か らも、ゾーニング等により、保全エリアと放牧エリアを設定し、家畜放牧による悪影響 緩和を図る必要がある。

(6)対象地域においては、AGRORURALが管理する223カ所の苗畑が存在するため、プロジ ェクト実施にあたっては、それらを効率的に活用することが望ましい。

5-4-4 種子生産・配布

(1)球根での栄養繁殖であるニンニクは、増殖率が非常に低い。対象農家に計画どおりの 種子量を配布するためには、十分な灌漑用水と綿密な栽培管理が必要。必要に応じて、

INIAカハマルカ試験場及び展示圃場に灌漑施設の導入・拡張が必要。

(2)INIAドノソ試験場とINIAカハマルカ試験場では、栽培環境が大きく異なるため、品種 の導入(ニンニク及びエンドウマメ)については、品種特性を十分考慮する必要がある。

(3)農民に種子を生産・配布するためには、事業において支援する農民組織をINIAの種子 認証事務所に事前登録する必要がある。

(4)持続性を考慮し、優良種子は有償で配布することが望ましい。しかし、初期の農民組 織には、優良種子を購入する十分な資金が無いことが予想される。したがい、農民組織 が継続的に購入できるような価格に設定するとともに、農民組織の成熟度に応じて、金 額を段階的に上げていくなどの対策が必要である。

(5)種子生産にあたっては、対象地域の自然・社会的特性、市場での需要等を考慮し、毎 作期、生産量の見直しを行うことが望ましい。

5-4-5 農民組織化

(1)地元に入り、農民の考えていることを把握し、組織化することの必要性やメリット、

特に経済的なインセンティブにつき十分に時間をかけて説明することが必要である。こ れが、組織の継続性に繋がることとなる。

(2)組織化する時、組織形態(組合、委員会、会社)をどのようにするのかは、農民と十 分に協議し、決して押し付けるようなことはしないことも肝要である。

(3)本プロジェクトでは、円借款事業との相乗効果も期待されている。円借款事業対象地 区では、農民の組織化が行われていることから、このような既存組織を出来るだけ活用 し、組織乱立による農民の混乱を防ぐことが望まれる。

5-4-6 農民組織運営

本プロジェクトでは、関連政府の指導の下、農民組織による生産チェーン(生産、加工、販 売)の運営・維持管理が計画されている。この場合、加工用の生産物は、組織員及び周辺の農 家から買い上げることとなる。もし、農民組織が、会社化された場合、周辺農家から生産物を 購入することになるので、税理上周辺の農家も販売するために組織化する必要がある(売買に 伴う領収書の提出義務)。また、加工の対象品が作物をもとにした食品なので、衛生許可証を取 得することも不可欠である。

5-4-7 収穫後処理・農産物加工

(1)加工品に対する市場ニーズの把握

現時点まで、農産物加工品(ニンニク及びエンドウマメのペーストと製粉、紫トウモ ロコシの製粉)に関しての市場ニーズの検討・分析が実施されていない。従い、収穫後 処理・農産物加工場の建設計画策定に先駆けて、市場ニーズ調査を行うことが必要不可 欠である。今回、カハマルカ商工会議所と協議した結果、ポテンシャルのある市場とし て鉱山会社の配膳業や海岸地域(チクラヨやトルヒージョ)が挙げられた。このような

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