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フロントマターとバックマターの調整

第 2 章 タイプセッティングの調整 9

2.3 フロントマターとバックマターの調整

フロントマターとバックマターに出力される情報のデザインはタイプセット仕様によって規定 されます. フロントマターとは本文に先立ち配置される文書エレメントで,表題(タイトル), 次,図表一覧,概要等からなります. 一方バックマターは本文に続いて配置されるエレメントで, 録,文献目録,索引等から構成されます.しばしばこれらの様式を変更する必要性が生じますが, くの場合SWPSWの内部からこれらの変更が可能です.

2.3.1 タイトルページを変更する

タイプセット仕様はタイトルページにどのような要素を表示するかを規定します. 書籍やレポー トや論文の表紙として企図した内容とこれらが異なる場合,それら自動生成される要素を破棄し, 希望する内容に置き換えることができます.具体的には新たなタイトルページ環境の設定を行いま す. その場合,表紙を構成する情報に対する様式(フォーマット)も規定する必要があります. おタイトルページ環境を設定すると後続のページ番号が1にリセットされます. したがってペー ジ番号の調整にも留意してください(17ページ参照).

表紙のカスタマイズ

1. 本文の先頭にカプセル化したTEXフィールドを挿入します.

2. 入力ボックスに \begin{titlepage} と入力し,OKボタンをクリックします.

3. 表紙に必要な情報を入力するとともに,タグやスペースコマンドを用いてフォーマットを調 整します.

4. 表紙の末尾に再びカプセル化したTEXフィールドを挿入します.

5. 入力ボックスに \end{titlepage} と入力し,OKボタンをクリックします.

6. 目次や図の一覧,表の一覧などを生成させたい場合はカプセル化したTEXフィールドを挿 入します.

7. 入力ボックスにこれらの要素に関連したTEXコマンド(\tableofcontents,

\listoffigures,\listoftablesなど)を入力します. 8. OKボタンをクリックします.

9. タイプセットツールバーのフロントマターボタン をクリック,またはタイプセットメ ニューからフロントマターを選択します.

10. 全ての内容を削除してOKボタンをクリックします.

11. 文書を保存した後タイプセットプレビューします. 目次が存在する場合はLATEXパスを3 回に設定します.

ある種の雑誌では著者に関する情報を番号なしの脚注として含める必要があります. 具体的には

2.3 フロントマターとバックマターの調整 25

著者名の脇に脚注マーカーとしての*を付け,一方脚注自体は先頭ページの下部に*とともに配 置します.

表紙に脚注を付加する

1. タイプセットメニューからフロントマターを選択します.

2. Authorフィールド内の著者名の末尾にカーソルを位置付けます.

3. フィールドツールバーの注釈ボタン をクリック,または挿入メニューからノート(注 釈)を選択します.

4. 脚注の文面を入力します.

5. ノートの種類のエリアでfootnoteを選択します. 6. OKボタンをクリックします.

文書をタイプセットすると脚注は*とともに先頭ページの下部に生成されます. 一方本文中の 脚注は採番された形で1からスタートします. ただし使用するドキュメントクラスがタイトルペー ジオプションを含む場合,結果は異なってくる可能性がありますので注意してください(73ペー ジ参照).

2.3.2 目次を変更する

章や節といった文書の構成区分(division)が目次中にどう反映されるかもタイプセット仕様に よって規定されます. 具体的にはどのdivisionの見出しが目次中に含まれるべきか,番号の付いて いない見出しの扱いはどうするか,表示のスタイルはどうするかといった項目が含まれます. これ らの設定を変更することは難しいことではありません.

目次に表示するセクションレベルを変更する

タイプセット仕様中のtocdepthという名のカウンタがどのセクションレベルまで目次に含め るかどうかを規定します. LATEXはドキュメントクラスに関係無く,セクションをレベル1と定義 します. 目次や本文中でどのセクションレベルまで番号が付くかに関する詳細は34ページを参照 してください.

◮目次に出力されるセクションレベルを変更する

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. 一番下の行に \setcounter{tocdepth}{x}と入力します. ここでxは目次中に含めたい 最も深いセクションレベルを意味します.

3.OKボタンをクリックします.

目次内にページの区切りを設定する

LATEXは文書中の各セクションレベルの見出しから目次を生成します. その場合,目次中の一部 の項目をページの下部から次のページへ移動させたり,あるいはその逆の操作を行うことができま

す. 具体的には本文中にLATEXコマンドを挿入し,目次中のページの区切りを制御します.

◮目次中にページの区切りを設定する

1. 文書をコンパイルして目次を生成します.

2. 次のページに移動させたい目次中の項目を決めます.

3. ステップ2に該当するセクション見出しを本文中に求めます. 4. 見出しのすぐ上にカーソルを位置付けます.

5. TEXフィールドを挿入します.

6. 入力ボックスに\addtocontents{toc}{\protect\pagebreak}と入力します. 7. OKボタンをクリックします.

文書をコンパイルして新しく目次を作成すると, LATEXは所定の場所にページ区切りを設定 し,目次の続きを次のページに移動します.本文自体には変更は加わりません.

◮目次中の一項目を前のページに移動する 1. 文書をコンパイルして目次を生成します.

2. 目次内で前のページに移動させたい項目を決めます.

3. ステップ2に該当するセクション見出しを本文中に求めます. 4. 見出しのすぐ上にカーソルを位置付け, TEXフィールドを挿入します.

5. 入 力 ボ ッ ク ス に \addtocontents{toc}{\protect\enlargethispage*{1000pt}}と 入 力します. ただし指定する数値は移動量に応じて適宜変更してください.

6. OKボタンをクリックします.

7. 見出しに続くパラグラフにカーソルを位置付け, TEXフィールドを挿入します.

8. 入力ボックスに\addtocontents{toc}{\protect\pagebreak}と入力し,OKボタンを クリックします.

文書をコンパイルして新たな目次を作成すると, LATEXは所定の項目を前のページに移動 し,その直後で改ページします. 本文自体には変更は加わりません.

目次用に短縮形の見出しを設定する

セクション等の見出しが長すぎる場合,目次用に短縮形を設定することができます. それは同時 にページヘッダー中でも使用されます(17ページ参照).

◮短縮形の見出しを定義する

1. 該当するセクションの先頭にカーソルを位置付けます.

2. 見出しの短縮形をカギカッコを付けて記述します.例を次に示します.

[Short Heading]A Long Heading to Announce This Section of My Document

2.3 フロントマターとバックマターの調整 27

番号の無い見出しを目次に表示する

タイプセット仕様では,見出し番号の付かない謝辞などのセクションを目次には出力しないのが 通例です. しかしLATEXコードを利用すれば,それらを出力させることが可能です.

◮番号の無い見出しを目次に出力する

1. 番号の付かない見出しの直後にカーソルを配置します. 2. カプセル化したTEXフィールドを挿入します.

3. 入 力 ボ ッ ク ス に\addcontentsline{toc}{sectionlevel}{Name} と 入 力 し ま す. こ こ で sectionlevelは該当する見出しを含めたいレベル(章とか節等)を示す値です. 一方Name は目次中に表示したい見出し用テキストを指定します.

4. OKボタンをクリックします.

文献目録と索引を目次中に表示する

文献目録や索引の見出しは通常,番号が振られない形で自動生成されます. このため何もしない と文献目録や索引は目次には現れません. これを変えるには次のようにします.

◮文献目録や索引を目次中に含める 1. 文献目録や索引を作成します.

2. 文書をタイプセットコンパイルして索引を作成します. またBibTEXを使用している場合 には文献目録を生成します.

3. 目次を次のように作成します.

• v4.0以降をお使いの場合はtocbibindパッケージを文書に追加します. このパッケー ジは文献目録と索引を含んだ形で目次を生成します.

• それ以前のバージョンをお使いの場合:

(a)索 引 あ る い はBibTEX文 献 目 録 を 示 す 灰 色 ボ ッ ク ス の 直 前 に カ ー ソ ル を 配 置 し ます.

(b)カプセル化したTEXフィールドを挿入します.

(c)論文(アーティクル)やレポート用のシェルを使用している場合は入力ボックス に\clearpage と入力します. 書籍(ブック)用のシェルを使用している場合は

\cleardoublepageと入力します.

(denterキーを押します.

(e)さ ら に \addcontentsline{toc}{sectionlevel}{Name} と 入 力 し ま す. こ こ で sectionlevelは該当する索引や文献目録を含めたいレベル(章とか節等)を示す値 です. 一方Nameは目次中に表示したい見出し用テキストを指定します.

(fOKボタンをクリックします.