• 検索結果がありません。

フォトルミネッセンス(PL)測定

第3章 Pd を触媒とした無電解エッチングによる Si 微細構造の作製と物性評価

3.4 実験結果および考察

3.4.4 フォトルミネッセンス(PL)測定

PSi、酸化物Siナノクラスター、Siナノワイヤを含む様々なSiナノ構造のPL特性は幾人

かの著者らによって報告されている。その殆ど全てのこれらの研究は赤外―紫外の領域で の発光を観測している3。Qui4氏らはSi基板上にAgNO3/HF水溶液を用いて濃硝酸による 樹枝状の銀の除去を行わないAgに覆われたSiナノワイヤを作製し、~ 330 nmの強い紫外 の発光を観測した。紫外領域の発光は作製されたSiナノワイヤ表面上のAg nanocapsの中 心に於ける欠陥の存在と関係していると結論付ける。彼らはまたAg+/HF水溶液を用いて

SiOxNy-capped SiNWsを作製し、SiOxNy nanocapsのSi-N結合状態で放射性再結合によ

って青-緑のバンド発光を観測した5。多孔質構造が可視発光の大きな役割を担っていると信 じられているが、発行のメカニズムは現在のところ明らかになっていない。

Fig. 3.6に本研究で作製したSi微細構造のPLスペクトルを示す。すべての試料で可視領

域におけるブロードなPL発光を確認できた。発光原因はエッチングにより微細構造の表面 に多孔質構造が形成された為だと推測している。

Fig. 3.6

400 500 600 700 800 900 0

10000 20000

0.0006M 0.002M 0.004M 0.006M 0.008M 0.01M

Wavelength (nm)

P L i nt e ns it y (a rb. uni ts )

40

多孔質シリコン(PSi)についての研究は数多く行われている。なぜなら、PSiは可視領域で 効率的なPL発光だけでなく、注入型エレクトロルミネッセンスも示す6。多くのPSi膜は HFをベースとした電解液中の従来の陽極化成法で形成される。HF/HNO3をベースとした 水溶液中で形成されたステインエッチングされたSi膜は陽極化成で形成されたPSi膜と似 た性質を示唆する。7様々なHF/oxidantの水溶液を用いたフォトエッチングによって可視 発光のPSiの作製が行われている。量子閉じ込め(quantum confinement ; QC)モデルはPSi からの可視発光の説明を提議した初めてのものである。その後、多くの別の可能性を持っ たモデルが提案された。例えば、水素化されたアモルファスSi、表面水素化合物、欠陥、

siloxene、表面状態のモデルがある。QCモデルを除いて、全ての他のモデルはPSiルミネ

ッセンスの原因は外因性によるものとしている。

41

PdCl

2

濃度依存性

PdCl2濃度の依存性を調べるため、以下の条件で作製を行う。

Pd堆積条件

PdCl2 : M mol/L (M = 0.0003~0.01) ,H2O : 40 ml, HF : 10 ml 温度 : 30℃, 時間 : 10 min

エッチング条件 : H2O2 : 2 ml, H2O : 45 ml, HF : 5 ml

温度 : 30℃, 時間 : 60 min エッチング後、王水によってパラジウムを除去

Fig. 3.7にそれぞれのPdCl2濃度のPLスペクトルの積分強度を示す。PdCl2濃度の依存性は

確認することができなかった。

Fig. 3.7

0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0

P L i nt e ns it y (a rb. uni ts )

PdCl

2

(mol/L)

42

H

2

O

2

濃度依存性

H2O2濃度依存性を調べるため、以下の条件で作製を行う。

Pd堆積条件

PdCl2 : 0.004 mol/L ,H2O : 40 ml, HF : 10 ml 温度 : 30℃, 時間 : 10 min

エッチング条件 : H2O2 : N ml (N =1~9) , H2O : 45 ml, HF : 5 ml

温度 : 30℃, 時間 : 60 min エッチング後、王水によってパラジウムを除去

Fig. 3.8にH2O2濃度を変化させたときのPLスペクトルの積分強度を示す。

H2O2の量が1 mlのときと7 mlのとき高い強度を示した。PLスペクトルの強度はH2O2濃 度に影響を受けないことが分かる。

Fig. 3.8

0 2 4 6 8 10

PL in tensi ty (arb . un it)

H

2

O

2

(ml)

B

43

エッチング時間依存性

エッチング時間依存性を調べるため、以下の条件で作製を行う。

Pd堆積条件

PdCl2 : 0.004 mol/L ,H2O : 40 ml, HF : 10 ml 温度 : 30℃, 時間 : 10 min

エッチング条件 : H2O2 : 2 ml , H2O : 45 ml, HF : 5 ml

温度 : 30℃, 時間 : L min (L =30~90) エッチング後、王水によってパラジウムを除去

Fig. 3.9にエッチング時間を変化させたときのPLスペクトルの積分強度を示す。

エッチング時間が長くなるにつれて、PL強度が高くなり、75 minのときに最大となった。

Fig. 3.9

30 40 50 60 70 80 90

PL in te n sit y (arb. u n it )

Time (min)

B

44

関連したドキュメント