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オークション
⃝ ファーストプライス・オークション.
➢ オークションのルール:
➜ 最高入札者が勝利し,財を手に入れる.
➜ 最高入札者は を支払う.
➜ 敗者は財を得られず,何も支払わない.
➜ 最高入札者が複数の場合,くじで勝者を決定.
➢ ファーストプライス・オークションでの入札者の効用関数: (13)
➢ 対称ベイジアン・ナッシュ均衡(s∗i = s∗)を求める.
➜ 均衡戦略s∗は以下の性質を満たすと仮定する: 1.
➱ θi > θi′ ⇒ s∗(θi) > s∗(θi′).
2.
⃝ 均衡戦略の導出.
➢ i以外の入札者は均衡戦略s∗(·)に従うと仮定する.
➜
➢ 評価額θiの入札者iがaiを入札した場合の期待利得:
(14)
➜ iが勝てる状況は, 場合.
➱ i以外の入札者は均衡戦略s∗(·)に従う.
➱ が について成立する場合.
➜ jがai以下を入札:
➱ s∗−1(·): 均衡戦略s∗(·)の逆関数.
➱ .
➱ s∗(·)が厳密な増加関数であることに依存.
⃝ 均衡戦略の導出.(続き)
➢ 評価額θiの入札者iがaiを入札した場合の期待利得: (続き)
➜ iの勝利: の場合のみ.
➜ 入札者の評価額は分布関数 に従う.
➱ jの評価額がs∗−1(ai)以下の確率: .
➱ 他全員の評価額がs∗−1(ai)以下の確率: .
➱ iの勝利確率: .
➜ 入札額aiから入札者iが得る期待利得:
(15)
➢ (15)を最大化するai(s∗への最適反応)を導出する.
➜ 一階条件を用いる: とする.
➜ (15)はaiについて微分可能.(逆関数の定理より)
⃝ 均衡戦略の導出.(続き)
➢ (15)を最大化するai(s∗への最適反応)を導出する.(続き)
➜ 一階条件より:
(16)
➱ 微分の公式:
❒ (f(x)g(x))′ = f′(x)g(x) + f(x)g′(x).
❒ f−1′(x) = 1/(f′(y)). ただしy = f−1(x).
➜ 対称均衡ではiも戦略s∗(·)に従う.
➱ ai = s∗(θi)の時にiの利得を最大化.
➱
❒ 注意: s∗−1(ai) = θi.
⃝ 均衡戦略の導出.(続き)
➢ 均衡戦略s∗(·)は以下の関係式を満たす:
(17)
➢ (17)を整理する:
(18)
➢ (18)を更に整理する:
(19)
⃝ 均衡戦略の導出.(続き)
➢ 常微分方程式(19)を解く.
➜ であることに注意.
(20)
➜ (20)が求めたかった均衡戦略である!
⃝ 十分性のチェック.
➢ 一階条件は最適解であるための .
➜ どの入札者も(20)から逸脱しないことを示す必要が有る.
➢ i以外の入札者は(20)に従うと仮定する.
➢ iは
➜ ai = s∗(1)で勝利確率を維持したまま支払額を減らせる.
➜ iが逸脱するならばai ≤ s∗(1)の範囲.
➢ 評価額θiのiが,評価額zの真似をすることからの期待利得: Π(z, θi) =
= (21)
⃝ 十分性のチェック.(続き)
➢ s∗(·)に従った場合とz と偽った場合の期待利得の比較: Π(θi, θi) − Π(z, θi)
= θin−1(θi − θi) + θin
n − zn−1(θi − z) − zn n
= zn−1(z − θi) − 1
n(zn − θin)
= (22)
➜ (22)が非負ならば逸脱しないと言える.
➱ z ≥ θiとz ≤ θiの二通りの可能性.
0
x y= x
n 1
i
z z
n 1
0
x y= x
n 1
z
i z
n 1
⃝ 十分性のチェック.(続き)
➢ z ≥ θi (左図):
(22) = zn−1(z − θi) −
∫ z
θi
xn−1dx = 斜線部面積 > 0.
➢ z ≤ θi (右図):
(22) =
∫ θi
xn−1dx − zn−1(θi − z) = 斜線部面積 > 0.
命題 4 ファーストプライス・オークションには以下の対称ベ イジアン・ナッシュ均衡s∗(·)が存在する: について,
(23)
⃝ 命題 4の直観的説明.
➢ 入札者は を入札する.
➜ セカンドプライス・オークションとの違い.
➜ 評価額を入札して勝利しても利得はゼロ.
➢ 入札額を増加することには以下のトレードオフがある:
➜ メリット:
➜ デメリット: (2ndプライスとの違い!)
➢ (23)でトレードオフがちょうどバランスする.
⃝ 競り下げ式オークション.
➢ 競り下げ式とファーストプライスには密接な関係性がある.
➜ 競り上げ式とセカンドプライス以上の強い関連性.
➢ 競り下げ式オークションのルール.
➜ 十分に高い水準からスタートし,価格bが順次下落.
➜ 入札者は購入希望価格になった瞬間に手を挙げる.
➜ 最初に手を挙げた入札者が挙手時の価格で財を購入.
➢ 競り下げ式オークションの重要な特徴: 1.
➜
➱ 進行中は誰も名乗り出ていない状態.
➱ 誰かが名乗り出た時点でゲームは終了.
➜ 競り上げ式オークションとの大きな違い!
➱
⃝ 競り下げ式オークション.(続き)
➢ 競り下げ式オークションの重要な特徴: 2.
➜
➱ 購入できても利得はゼロになってしまうため.
➱ 価格が更に下がるのを待つべき.
➜
➱ 他の入札者に購入されてしまう危険性が高まる.
➢ 1stプライスと競り下げ式は完全に である.
➜
➜ 私的価値・相互依存価値モデルの区別なく成立!
➜ 2ndプライスと競り上げ式の同値性は私的価値に限定.
⃝ 1996年ノーベル経済学賞受賞者:
ウィリアム・ヴィックリー,ジェームズ・マーリーズ.
『非対称情報下におけるインセンティヴの経済理論に対するファ ンダメンタルな貢献を称えて』
➢ Vickrey(1961): 私的価値モデルのオークションの分析.
➜ 2ndプライスはヴィックリー・オークションとも呼ばれる.
➢ 契約理論の標準的分析手法の先達となる.