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5. ヒトリンパ系の in vivo リアルタイム機能画像化

5.3. ヒトのリンパ系のリアルタイム機能画像化

ヒトでの測定には,ヘルシンキ宣言を遵守し,被検者よりインフォームドコ ンセントを得た上で,専門の形成外科医師の協力により実施した.上記に使用

したICGを0.1 mLだけ,健康人の下肢の第一指間部に皮下注射した.ICGがリ

ンパ管へ導入される様子を,蛍光カメラで観察し,リンパ管の部分で,LED 光 源光音響イメージングシステムにより,周辺の静脈と共にリンパ管を画像化し た.この時の蛍光カメラ画像をFig.5-5に示す.白く光っている部分がICGの存 在している場所になる.体動や超音波プローブの動きの影響を受けないように,

820 nm光と940 nm光を高速に切り替えて,2つの波長の光音響信号を16 msお

きに取得した.

940 nm光で得られた光音響信号は,820 nm LED光源と940 nm LED光源のエ

ネルギーの違いを考慮して 1.12 倍して補正した上で,2 画像の同じ場所のデー

タの比(I940nm/I820nm)を求めた.この比において1以上は,1 に丸めた上で,0~1

の間で,Jetカラーマッピングによる画像化及びそのリアルタイム表示を行った.

Fig.5-5 Fluorescent image of a human leg. Round mark shows the scanned area.

白黒で表した超音波画像と共に,I940nm / I820nmの画像を,Jetカラーマップを使 用してオーバーレイした動画の取得に成功した.

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Fig.5-6(a)(b) Images of I940nm/I820nm . Background image is ultrasound image. Purple arrows show veins. Blue arrows show lymphatic vessels. Imaging size:

40.32 mm x 38.4 mm

Fig.5-6(a)(b)に,この動画中のあるタイミングの画像を示す.Fig.5-6(a)中の紫色

の上下矢印で示されたものは,静脈血管であり,元の動画像において,I940nm /

I820nm>0.7となっている.Fig.5-6(b)中の紫色の下方に向かう矢印で示されたもの

は,静脈血管であり,スキャン面を 4 カ所で横切っている.これも元の動画像

ではI940nm / I820nm>0.7となっている.一方,Fig.5-6(b)中の青色の上方に向かう

矢印で示されたものは,リンパ管であり,これは元の動画像ではI940nm / I820nm< 0.5となっている.

Fig.5-6(a)の静脈が見て取れる図中矢印Aの部位で,820 nm光と940 nm光と で別々に取得された光音響信号画像を部分的に拡大して Fig.5-7(a)と Fig.5-7(b) に示す.

(a) (b)

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Fig.5-7 Photoacoutic signal image in A region of Fig.4-5(a) at (a) 820 nm and (b) 940 nm. Imaging size is 17.9 mm x 17.9 mm. (c) Photoacoustic intensity profile of (a) and (b) at each white line. (d) I940nm/I820nm ratio at white line.

この画像では信号強度の大きいものがより白く表示されている.更に,Fig.5-6(b) の,静脈とともにICGが見て取れる図中矢印Bの部位で,820 nm光と940 nm 光とで 別々に 取得 さ れた光 音響信 号画像 を部分 的に拡 大し て Fig.5-8(a)と Fig.5-8(b)に示す.

(a) (b)

(c) (d)

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Fig.5-8 Photoacoutic signal image in B region of Fig.4-5(b) at (a) 820 nm and (b) 940 nm. Imaging size is 17.9 mm x 17.9 mm. (c) Photoacoustic intensity profile of (a) and (b) at each white line. (d) I940nm/I820nm ratio at white line.

Fig.5-7(a)と Fig.5-7(b)から取得した光音響デジタル信号について,図中の白い

縦線の部分のプロファイルのデジタルデータをFig.5-7(a)とFig.5-7(b)のそれぞれ から出して,Fig.5-7(c)に示す.これらの2つの画像データからI940nm / I820nmの計 算を実施するにあたり,視認性を劣化させる画像のノイズを減らすために,デ ジタル値で100以下の信号は,すべて0とした.この結果をFig.5-7(d)に示す.

この計算値が1付近になった部分は,静脈血管を示している.同様に,Fig.5-8(a)

と Fig.5-8(b)に対しても,図中の白い縦線の部分のプロファイルのデジタルデー

タをFig.5-8(a)とFig.5-8(b)のそれぞれから出して,Fig.5-8(c)のプロファイルから 計算した結果をFig.5-8(d) に示す.Fig.5-8(d)中の2つの山は,それぞれ,静脈血 管,リンパ管を示していると考えられる.静脈血管では,I940nm / I820nmの値がほ ぼ1になり,ICGを含むリンパ管では,0.3以下になっており,これら2つを識 別できている.

(a) (b)

(c) (d)

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