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ここでは台形を考えよう。等脚台形と一般の台形でもパターンを作ることに関 する基本的な考え方は変わらないのでまず一般の (等脚でなくてもよい) 台形に 対してやり、等脚のときに対称性が増えることを注意するという形で議論しよう。

まず台形0ABCを考えよう。平行四辺形の時と同じように帯のパターンを作る

となれば、平行でないほうの辺の中点に関して

180^{\mathrm{o}}

回転を施していけばよい (図

28) 。帯が出来れば後は、平行四辺形に対してパターンIV_{1}, IV_{4}, IV_{5} などを考えた

ときのように、帯の積み方は好きなように出来る。

それは各々、平行四辺形 ODEC を基本図形とするパターン IV_{1}, IV_{4}, IV_{5} を2次 の部分図形とする台形OABCのパターンとなっている。そのとき台形のパターン としての対称性の群はそれぞれの部分パターンの対称性の群に対して、 OA に平 行でない辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}}回転が付け加わる。その上、部分パターンとして I

鷲を選んだとすれば、

OA

に平行な辺の中点に関する

180^{\mathrm{o}}

回転も付け加わるこ

とが分かる。

図28: 台形を基本図形とする帯のパターン

下の図のように等脚台形0ABCから始めれば、同じような帯のパターン (図 29) が得られるが、上のどの部分パターンを選んでも、等脚台形のパターンの対 称性には、上底と下底の中点同志を結ぶ直線に関する線対称も付け加わることが 分かる。

更に OC=BCであってその上\angle OCB=120^{\mathrm{o}}であれば、、部分パターンを IV_{5}

図29: 等脚台形を基本図形とする帯のパターン

に取ったものは、等脚台形0ABC を下底に関して折り返して得られる正六角形の

パターンとしてみれば、蜂の巣のパターン

I

巧になっていることが分かる。

一般の台形 OABC を下底に関して折り返して得られる六角形 OFGABC は、1 組の対辺が平行で等しく、他の隣り合う辺同志が等しい六角形になっている。帯 28からパターン IV_{5} を2次の部分パターンとするパターン IV_{6} を描くことができ

る (図30) 。

図30: 2次部分パターンを IV_{5} とする台形のパターン IV_{6}

帯28からパターン IV_{5} を2次の部分パターンとするパターン IV_{6} を描くことが できたのだが、パターン IV_{5} の基本図形である平行四辺形は ODEC と思っても HABI と思っても、台形のパターンとしての IV_{6} は同じものが得られている。

対称性を見るときはパターン IV_{5} の基本図形は平行四辺形ODEC と思うこと にする。部分パターン IV_{5} と台形のパターンとしての IV_{6} の対称性を比較すると

\mathcal{H}(IV_{5})=\mathbb{Z}o^{\rightarrow}D+\mathbb{Z}FC\rightarrow

で、これは

\mathcal{H}(IV_{6})

と一致している。

\mathcal{U}(IV_{5})

o^{\rightarrow}c と平 行な辺の中点に関する180^{\mathrm{o}} 回転と中心に関する 180^{\mathrm{o}}回転を含んでいるが、

\mathcal{U}(IV_{6})

はo^{\rightarrow}cと平行な辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}} 回転は含み、中心に関する 180^{\mathrm{o}} 回転は含ま

ないが、それはAB と平行な辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}} 回転に変わっている。

\mathcal{G}(IV_{5})

\mathcal{G}(IV_{6})

の鏡映の部分は同じで、 OAと平行な辺に関する鏡映を含んで いる。元の台形が等脚台形の時は更に、

\mathcal{G}(IV_{6})

には、上底の中点と下底の中点を 結ぶ直線に関する鏡映が含まれることになる。

当然、平行移動の群

\mathcal{H}(IV_{5}) =\mathcal{H}(IV_{6})

では基本図形 OABC を移してもパター ン全体は得られない。

またこのパターンは、六角形OFGABCを基本図形とするパターンと見ること が出来る (パターン VI_{2} ) 。対称性の群はパターン IV_{6} と同じになるが、六角形 OFGABC を基本図形にしていることを強調すれば、

\mathcal{H}(VI_{2})

= \mathbb{Z} o^{\rightarrow}D +\mathbb{Z} FC\rightarrow

で、

\mathcal{U}(VI_{2})

BC\rightarrowに平行でない辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}} 回転が加わり、

\mathcal{G}(VI_{2})

は BC\rightarrow と平行な辺に関する鏡映が加わるということになる。

図31: 六角形のパターン VI_{2}

一般の台形 OABC の下底の中心で 180^{\mathrm{o}} 回転をして得られる六角形0FGABC は、3組の対辺が平行で等しい六角形になっている。上でパターン IV_{6} を作った

ときは平行四辺形のパターン

I

鷲を使ったが、パターン

IV_{4}

H

B

にしたもの

を考えてみれば、次のパターン IV_{7} が得られることになる。

図32: 2次部分パターンを IV_{5} とする台形のパターン IV_{7}

これはまた、元の台形 OABC の各辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}} 回転を次々と行って 得られたパターンだと思ってもよい。対称性の群は、平行移動の群が

\mathcal{H}(IV_{7})

=

\mathbb{Z}OD+\mathbb{Z}o^{\rightarrow}B=\mathbb{Z}o^{\rightarrow}B+\mathbb{Z}o^{\rightarrow}Gであり、運動

\mathcal{U}(IV_{7})

には各辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}}

回転が加わるが、鏡映は増えない。

水平線が非常に印象的ではあるが、この平行な水平線のパターンがパターンの 対称性の群

\mathcal{G}(IV_{7})

に関して不変であることを意味しているだけで、水平線に関す る鏡映は対称変換にならない。

むしろ以下のように、六角形OFGABCを基本図形とする2次の部分パターン

を考えるときに (図33) 、平行移動の群 \mathcal{H}(VI_{3}) の中に水平なベクトルがあること

を示唆しているというべきかも知れない。

図33: 六角形のパターン VI_{3}

この対称性の群

\mathcal{G}(VI_{3})

\mathcal{G}(IV_{7})

と変わらないが、六角形を基本図形としてい ることを強調すると、平行移動の群

\mathcal{H}(VI_{3})

\mathcal{H}(IV_{7})=\mathbb{Z}o^{\rightarrow}B+\mathbb{Z}o^{\rightarrow}c

と全く同

じであるが、運動

\mathcal{U}(VI_{3})

は各辺の中点に関する 180^{\mathrm{o}} 回転のほかに六角形の中心

に関する 180^{\mathrm{o}}回転が加わると言うほうがよいだろう。

元の台形が等脚の時は、台形のパターンIV_{6} と IV_{7} は同じものになり、六角形 のパターン VI_{2} と VI_{3} も同じになり、更に対称性の群に上底と下底の中点同志を 結ぶ線に関する鏡映が回復する。

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