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第 5 章 自営無線ブロードバンドシステムの候補システムにおける実証試験

5.5 システム間干渉試験

5.5.5 パターン E (625k-MC 基地局→モバイル WiMAX 基地局)

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ポイント D-1、D-2 においてはほとんど影響を受けていないものの、ポイント D-3、

D-4、D-5においてはスループットが大きく低下した。

ほとんと影響を受けていない結果のうち、干渉波電力が高いポイントD-2の-87.4 dBm

(10MHz幅)を干渉を受けない受信電力と想定する。自営無線ブロードバンドシステム のモデルによる所要離隔距離を拡張秦モデル(Suburban)で計算した結果を表 5.5-8 に示 す。

表 5.5-8 自営無線ブロードバンドシステムのモデルによる所要離隔距離(パターンD) 条件 ポイントD-2

モバイルWiMAX移動局

送信電力 0.2 W 送信給電線損失 0 dB 送信空中線利得 2 dBi 送信空中線高 1.5 m 伝搬損失 114.4 dB

625k-MC移動局

受信空中線利得 2 dBi 受信給電線損失 0 dB 受信空中線高 1.5 m 受信電力 / 10MHz -87.4dBm 所要離隔距離 100m

以上により、本試験におけるモバイルWiMAX移動局から625k-MC移動局への干渉時 に必要な離隔距離は100mという結果となった。

5.5.5 パターンE (625k-MC基地局→モバイルWiMAX基地局)

-96- とした。構成図を図 5.5-11に示す。

図 5.5-11 試験構成図(パターンE)

図5.5-13に示すポイントE-1からE-5において625k-MC基地局から電波を発射し、

モバイルWiMAX基地局における625k-MC基地局からの干渉の状況を測定する。なお、

625k-MC基地局は移動局を8台同時接続し、8キャリア全てを同時に発射する状態とし

た。機器配置イメージを図 5.5-12に示す。

各測定点において625k-MC基地局の電波を発射した際にモバイルWiMAXが通信可能 となるかということに加え、スループット、変調方式を測定する。また、モバイルWiMAX 基地局位置でスペクトラムアナライザを用いて干渉波電力(帯域幅10MHz、5MHz)を 測定する。

図 5.5-12 機器配置イメージ(パターンE)

なお、パターンE及びFにおける試験構成では、周波数変換回路による雑音成分の増 大、MIMO構成としていないこと、変調方式がQPSKにとどまったこと等により、安定 的に通信が確立できた上りスループットは 0.5Mbps 程度であった。本来、モバイル

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WiMAXにおけるQPSK変調時の上りスループットは、1.6Mbps程度であるが、本試験

にでは、上りのスループットが0.5Mbpsをした下回った時を干渉発生として判定した。

(2) 測定結果

① 625k-MC基地局を停波した状態での測定を行う

② 625k-MC基地局を稼働させモバイルWiMAX基地局が受ける影響の測定を行う。測

定ポイントを図 5.5-13に示す。

① 、②の測定結果を表 5.5-9に示す。

図 5.5-13 測定ポイント(パターンE)

表 5.5-9 測定結果一覧(パターンE)

測定ポイント 干渉源

なし E-1 E-2 E-3 E-4 E-5 距離[m] - 510 315 280 150 250

625k-MC移動局数 - 8 8 8 8 8

モバイルWiMAX通信可否 - 通信可 通信可 通信可 通信可 通信可

上りスループット[Mbps] 0.516 0.520 0.176 0.480 0.172 0.512 変調方式(上り) QPSK QPSK QPSK QPSK QPSK QPSK 帯域内電力[dBm]/10MHz - -67.5 -53.7 -56.0 -53.3 -63.7

帯域内電力[dBm]/5MHz - -68.0 -54.0 -55.8 -53.3 -63.9

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ポイント E-1、E-5 においては、ほとんど影響を受けていないものの、ポイント E-2、

E-3、E-4においてはスループットが低下した。ほとんど影響を受けていない結果のうち、

干渉波電力が高い E-5 の-63.7dBm(10MHz幅)を、干渉を受けない受信電力として想 定する。自営無線ブロードバンドシステムのモデルによる所要離隔距離を、拡張秦モデ ル(Suburban)で計算した結果を表 5.5-10に示す。

表 5.5-10 自営無線ブロードバンドシステムのモデルによる所要離隔距離(パターンE) 条件 ポイントE-5

625k-MC基地局

送信電力 4W 送信給電線損失 1dB 送信空中線利得 11dBi

送信空中線高 30 m 伝搬損失 115.7 dB

モバイルWiMAX基地局

受信空中線利得 11 dBi 受信給電線損失 5 dB

受信空中線高 30 m 受信電力 /10MHz -63.7 dBm 所要離隔距離 1200 m

以上により、本試験における625k-MC基地局からモバイルWiMAX基地局への干渉時 に必要となる離隔距離は1200mという結果となった。

5.5.6 パターンF (625k-MC移動局→モバイルWiMAX基地局)