参考事例 2 :運動パラメータの変更
3. CVT 第 3 階層モデルの解説
3.1. 運動系モデル
3.1.10. バリエーター (TransMission.Mechanics.Variator)
TRAMI ガイドライン準拠モデル、バリエーターモデルの機能仕様を記述する。
概要
以下にバリエーターモデルの機能を示す。
① 回転系の機能
・変速比に応じた伝達トルクを算出
② 熱系の機能
・バリエーターの損失に応じた発熱量を算出
ダイアグラム
以下に本システムのダイアグラムを示す。
Fig.3.1.10.2.1 バリエーターモデルのダイアグラム
入出力仕様
以下に本システムの入出力仕様を示す。
入力
名称 単位 範囲 説明
HydraulicsIn Pa - 油圧入力
nu_oil_m2ps m2/s - オイル動粘度
trq_TM_PNT_DF_Nm Nm - セレクトからの入力トルク
w_DS_PNT_out_radps rad/s - ファイナルギヤからの入力回転
Gear_Load N - バリエーターへの荷重
出力
名称 単位 範囲 説明
w_TM_PNT_DF_radps rad/s - セレクトへの出力回転
tau_DS_PNT_out_Nm Nm - バリエーター出力トルク
w W - バリエーターの熱流量
構成要素
以下に本システムを構成するクラスを以下に示す。各クラスの解説はクラス説明章を参照のこと。
構成クラス
クラス名 部品名 説明章 機能
Brg_Load_Distribution_BR3_4 荷重配分計算ブ
ロック
3.1.11 各軸受荷重配分を算出
Brg_Load_Distribution_BR5_6 荷重配分計算ブ
ロック
3.1.12 各軸受荷重配分を算出
BRG_Angular 転がり軸受 ※1 2.6.7.1 転がり軸受の損失を算出
SealRing シールリング ※1 2.6.5 シールリングの損失を算出
BeltPully_wLoss ベルト・プーリー 3.1.13 変速とベルト・プーリー損失を算出
※1 動力伝達システムにおけるプラントモデルI/Fガイドライン準拠デュアルクラッチ式トランスミッション第3階層プラントモ デル解説書参照。
パラメータ仕様
以下に本システムのパラメータ仕様を示す。
変数名 設定ファイル・値 単位 説明
alpha_T1(BR3_4) 0.31597 - ラジアル荷重配分率
BR3_4
alpha_T1(BR5_6) 0.77807 - ラジアル荷重配分率
BR5_6
alpha_Grd -0.146665463 - ラジアル荷重配分率
BR5_6
Jbeta_Grd 1 - スラスト荷重の正負BR5_6
gamma_Grd 0.169008764 - ドリブン側ギヤ径とベアリン
グスパンの比BR5_6
omega 1.611315565 - BR5,6で支持するシャフト
と、隣接する2本のシャフト の成す角
BRG_Friction_Filename(BR3) BR3.txt - ベアリング3損失ファイル
BRG_Friction_Filename(BR4) BR4.txt - ベアリング4損失ファイル
BRG_Friction_Filename(BR5) BR5.txt - ベアリング5損失ファイル
BRG_Friction_Filename(BR6) BR6.txt - ベアリング6損失ファイル
SealRing_friction_filename(SR4) SR4.txt - シールリング4損失ファイ
ル
SealRing_friction_filename(SR4) SR5.txt - シールリング5損失ファイ
ル
Ap 0.019522 m2 プライマリ受圧面積
betap 0.00277 pa・s2 遠心油圧による押力の係
数
fname_Tloss_Pri Variator_PriLossTorque.txt Nm プライマリロストルク
As 0.016335 m2 セカンダリ受圧面積
betas 0.00180491 pa・s2 遠心油圧による押力の係
数
fname_Tloss_Sec Variator_SecLossTorque.txt Nm セカンダリロストルクファイ
ル
Oil_Viscosity_Breakpoint 6.16e-06, 9.16e-06, 1.49e-05, 2.73e-1.49e-05, 5.95e-0
m2/s オイル動粘度
fname_Fspg Variator_SPG.txt - スプリング力ファイル
fname_Rp Variator_Rp.txt - プライマリ巻きかけ半径ファ
イル
fname_QpFs Variator_QpFs.txt - 軸間力/セカンダリクランプ
力