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バイオマスエネルギー利用時のコスト

6. 事業費用における関連コスト

6.1. バイオマスエネルギー利用時のコスト

バイオマス事業に必要となるコストは、初期費用(イニシャルコスト)と運転維持費用(ランニングコスト)の 大きく2つに分けられます。

図表 35 バイオマス関連事業の事業コストの分類

分類 主な発生費用

初期費用

(イニシャルコスト)

・ 設計費(基本設計・実施設計など)

・ 機器費用(ボイラ本体・配管等の付帯設備)

・ 建屋、燃料サイロ

・ その他(造成費・建築費など)

運転・維持管理費

(ランニングコスト)

・ 燃料費(バイオマス燃料、化石燃料)

・ 設備の運転・維持管理費

> メンテナンス費 (メーカー側・事業者側)

> 設備稼働における電気代

> 灰の処理費用

> 除雪費(地域条件による)

・ 固定資産税等

(1) 初期費用(イニシャルコスト)

日本国内での導入状況から見て、バイオマスボイラのイニシャルコストの一般的な傾向について定量的なデータ が存在しないため、対象施設の状況を踏まえた上でメーカーや建設会社に個別に問い合わせることが一般的です。

また、発注後に想定外の工事が必要になり、当初の想定した見積り金額を超えてしまうケースも見られます。

また、日本で導入されている高性能なバイオマス関連設備(チップボイラ)に関しては、国内でも100数十台が 導入されていると言われていますが、依然として市場が小さいため機器価格の低下も進んでいません。一般に普及 が進んでいる欧州と比べても現地価格から約 4~8 倍にも達しており、これらの初期費用(イニシャルコスト)を 庄縮・削減できるかによって、事業が実施できるか大きく左右されます。

図表 36 バイオマスボイラの標準的な設備費(300kW 級)

費用項目 価格 備考

ボイラ関連設備 2,500~4,000 万円 配管・制御盤含む 建設工事費 2,000~4,000 万円 1次工事、2次工事など

建屋・燃料サイロ 2,000~4,000 万円 簡易建屋、半地下・地下式サイロ その他建設工事 1,000~2,000 万円 敷地造成費用など

合計 7,000 万~1 億円 ※条件により金額は変動あり

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(2) 運転・維持管理費(ランニングコスト)

① 燃料費

バイオマスボイラを利用する際のチップ燃料については、海外などでは、エネルギー単位(kWh)あたりの価格で 取引が行われていますが、日本ではエネルギー単位ではなく重量ベースで表記・取引されており、バイオマス燃料 の取引の基準含水率は湿量基準で35%が目安になります。

地域条件にもよりますが、日本での木質チップの取引価格は、概ね8,000~15,000円/t(2,000~4,000円/m3) 程度になります。ただし、その際の含水率は35~50%(WB)まで幅があり、燃料化する原料、時期や加工条件に より変化します。燃料利用として標準的な35%(WB)の含水率に管理されたチップは、日本ではかなり高品質な 部類に該当します。

木質チップ(スギ)の低位発熱量11.3MJ/㎏(35%WB)で3,000円/m3の場合に、重油価格70~80円/Lに相 当すると考えられます。木費チップの燃焼において、燃料の含水率の管理は重要です。木質バイオマスを普及させ ていくためには、適切に含水率を管理することにより質のよいチップを生産し、適正な価格を形成していくことが 重要です。

図表 37 1kWh 当りのエネルギー単価の比較(円/kWh) ※参考

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② 保守・点検費(メンテナンス費)

保守・点検費用は、ボイラメーカー等との契約内容により大きく異なってきます。特に、1年間に複数回の技術 者派遣によるメンテナンスを行うなどのケースでは、ボイラ一台あたりの保守・点検費用は100万円にもなります。

一方、木質バイオマスボイラの特性をよく理解し、適切な運転を行いかつ日常的な保守・点検は自ら行い、一部の 専門的な保守・点検についてのみを適切な訓練を受けた地域企業を発掘して委託することができれば保守・点検費 用を10万~30万円程度に抑えることができます。

なお、ボイラ指定範囲外の高含水率チップを投入するなどバイオマスボイラにとって無理な運転方法は不完全燃 焼を招きやすくなり、タールやススがボイラに付着することを増加させます。また、耐火壁に負担がかかるなど、

長期的には部品交換の頻度が上がってしまいます。バイオマスボイラを適切に運転することは、保守・点検費用を 一定の範囲内に抑えるためには考慮すべき条件です。

図表 38 バイオマスボイラ関連設備の消耗部品

消 耗 部 品 主な交換頻度 一般的なコスト

① 制御機器(センサー類) 5 年 30~50 万円/回・基

② 動力機器(モーター類) 10 年/回 50~60 万円/回・基

③ 燃焼室耐火ブロック交換 10 年/回 50~60 万円/回・基

④ 燃料搬送装置(スクリュー類) 5~10 年/回 15~20 万円/回・基

※注意:消耗品の交換頻度はボイラ設備の使用状況によって変わる。

③ 灰の処理費用

木質チップを燃焼した際に発生する燃焼灰は、産業廃棄物として処理しなければならないため処理委託費用が発 生します。灰の発生量は燃料の質に左右されます。日本で導入されているバイオマスボイラでは、一般的に使用さ れる樹皮付きのチップは、発生する灰分量は1.0~2.5%程度です。なお、灰の処理費用単価については、10,000円 /t程度が一般的な相場のようです。

④ 電気代

現在、市場にでている木質バイオマスボイラは、全自動運転が一般的となっており、燃料の搬送から燃焼制御な ど各プロセスで電子制御がされています。そのため、電力容量及び電気料金が発生します。メーカーによる設備関 連の資料(カタログ等)には、設備関連機器の定格電気容量(kW)が示されています。また、これらボイラ本体 で消費される電力以外にも、循環ポンプ、熱量メーター、電灯、サイロシャッタ一等など必要に応じた電力が必要 です。

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図表 39 バイオマスボイラ関連設備の電気容量の内訳(出力 240kW)

消 耗 部 品 出力規模

排ガスファン 1.5 kW

燃料空気ファン 0.18 kW

ストーカスクリューモーター 0.25 kW ドージングスクリューモーター 0.25 kW サイロディスチャージモーター 0.55 kW スワイベルアームモーター 1.1 kW

火格子油圧ポンプ 0.37 kW

火格子灰出しスクリュー 0.25 kW

熱源ポンプ 0.4 kW

エアーコンプレッサ 1.5 kW

出力合計 5.3 kW

※出所:トモエテクノ社資料

図表 40 バイオマスボイラ関連設備の電気料金の試算(参考)

ボイラ定格出力 電気容量 年間稼働時間 年間電気料金

100~180 kW 4.6 kW 441,600 円 240~360 kW 5.3 kW 508,800 円

450~550 kW 7.9kW 758,400 円

700~900 kW 14.0 kW

4,800 時間

(200 日×24 時間)

1,344,000 円

※出所:トモエテクノ社資料により、ボイラ定格出力を抽出し電気料金を20円/kWhとして試算した。

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