データ

In document 65-3.ren (Page 66-85)

REERENCES

1. データ

2004

年に実施された「結婚と家族に関する国際比較調査(第

1

次調査)」とそのフォロー アップ調査として2007年に実施された「結婚と家族に関する国際比較調査(第

2

次調査)」

によって得られたデータを使用する.第

1

次調査は2003年

3

月31日時点で全国の市町村に 居住する満18歳以上70歳未満の男女を母集団として層化

2

段無作為抽出法によって選ばれ た15,

000

人を対象に2004年

3

月から

4

月にかけて訪問留置法により実施された.第

2

次調 査は「少子化社会と政策的対応」を主要な研究テーマとしたことから,第

1

次調査の有効 回答者のうち調査時点において49歳以下だった男女4,

568

人に対してのみ訪問留置法によっ て実施された3).第

2

次調査の有効回答数は3,

083

人(有効回答率67.

5

%),うち女性は

1, 776

人であったが,以降の分析では妻の今後の出産意欲と,その配偶者である夫の家事 参加,労働時間の関連を中心に分析を行うことから,第

2

次調査時点において年齢が39歳 以下で,第

1

次調査,第

2

次調査ともに婚姻状況を初婚と回答した女性405人を対象とす る4)

2. 変数

本稿の分析における従属変数は回答者である妻が答えた今後の出産意欲である.「結婚 と家族に関する国際比較調査」では子どもをもつことに対する回答者の意欲について以下 の

3

つの観点から測定している.

これから子どもが欲しいかどうか:「ぜひほしい」から「絶対ほしくない」までの

5

件法で尋ねており,分析では数値が高いほどこれから子どもが欲しいと考えているように

3

)本調査は厚生労働科学研究費補助金による研究プロジェクト「国際比較パネル調査による少子社会の要因と 政策的対応に関する総合的研究」(主任研究者:西岡八郎)の一環として実施された.調査プロジェクトの概 要,調査方法の詳細,本調査データの分析から得られたその他の知見については西岡(2008)を参照のこと.

4

)婚姻状況の設問において第

1

次調査では再婚と回答したケースが第

2

次調査では初婚と回答するなどの矛盾 するケースがあったことから,両時点とも調査時点の婚姻状況を「初婚」と回答しているケースのみ分析対象

得点化した.

今後何人子どもが欲しいか:調査では(1)において「ぜひほしい」「ほしい」と回答 している対象者に対してのみすでにいる子どもも含めて全部で何人欲しいか尋ねている.

(1)において「どちらともいえない」「あまりほしくない」「絶対ほしくない」と回答した 対象者には現在の子ども数を代入して「ほしい子どもの総数」としたところ,分析対象ケー スの49.

3

~52.

5

%が

2

人,34.

2

~35.

4

%が

3

人という回答になり,両時点ともこれらのカ テゴリだけで80%以上を占めることから,「

0

2

人以下/

1

3

人以上」の

2

値変数と して分析に用いた.

いつ次の(最初の)子どもが欲しいか:(1)において「ぜひほしい」「ほしい」と回 答して全体の人数も回答した対象者に対していつ次の(最初の)子どもが欲しいかその時 期を尋ねている.分析では子どもを欲しいとは回答していないケースもあわせて「今すぐ・

既に妊娠している」「今から

3

年以内ないし

4

年後に」「今から

5

年以上たってから・いつ とはいえない」「ほしくない」の

4

カテゴリに割り当てを行い,数値が高いほどすぐに欲 しいと考えているように得点化した.

独立変数は家庭内分業とその時間的資源に関する

2

つの変数,夫の家事参加の程度と

1

週間あたりの平均的な労働時間である.夫の家事参加については「料理や食事の後片付け」

「洗濯」「部屋の掃除」「食料品・日用品の買物」の

4

項目について,「ほぼ毎日」「週に

3

4

回」「週に

1

2

回」「月に

1

3

回」「ほとんどしない・まったくしない」(第

2

次調 査のみ「まったくしない」という選択肢が追加されたため,得点化にあたっては「ほとん どしない」と合併した)の

5

段階尺度を数値が高いほど頻度も高いように得点化して総和 した.

1

週間あたりの平均的な労働時間は「41時間以下」「42~48時間」「49~59時間」

「60時間以上」の

4

段階尺度である.

これらの変数のほかに,すべてのモデル分析におけるコントロール変数として,居住地 域(市部=

1

/郡部=

0

),母親との同居(夫婦いずれかの母親と同居=

1

/いずれの母 親とも別居=

0

),世帯収入(夫婦それぞれの調査前年の年収について各選択肢の中央値 を合算し対数変換したもの),性別役割意識(「男が家庭を養い,女は家庭をまもるのが,

みんなにとってよい」「働き口が少ない時,女よりも男が就職の優先権をもつべきだ」に 対して回答された「賛成」から「反対」の

5

段階尺度を数値が高いほど賛成しているよう に得点化して合算したもの),妻の就業の有無(現在働いている=

1

/専業主婦=

0

),子 ども数(実数)の

6

つの変数を用いた.

Ⅴ 分析結果

1. 夫の家事参加・労働時間と妻の出産意欲

夫の家事参加・労働時間と妻の出産意欲の因果関係を分析する前に,それぞれの変数が この

2

時点間においてどのように分布しているのかを確認する.図

2

は第

1

次調査,第

2

次調査それぞれにおける夫の家事時間,夫の労働時間,妻の出産意欲の度数分布である.

夫の家事参加は両時点を通じて本調査が挙げた

4

項目いずれについても「ほとんどしな い・まったくしない」とするケース,すなわち「

0

点」が最も多く,第

2

次調査でその割 合はやや増加している5).大半の夫はほとんど家庭内分業に参加しておらずこの傾向は時 点間で変化がない.労働時間については,

2

時点間で41時間未満の割合が増加,60時間以 上の割合が減少という傾向があるが,49~59時間のカテゴリは

2

時点間で増加しており全 体として労働時間が短縮しているという方向は示されていない.分析対象が39歳以下の妻,

すなわち夫は働き盛りの年齢層ということもあるせいか大半は週休

2

日としても一日平均

10

時間近く,土曜日も含めるならば

9

時間程度は就労しているという結果であった.妻の 出産意欲は時点間に子どもをもったケースが全体の29.

1

%あることもあって,第

2

次調査 では消極的傾向の回答が目立つ.意識からみた意欲的側面,また時期については,今後は 子どもは欲しくないという回答が増えているが,希望する子ども総数については両時点で ほとんど変化がみられなかった.

図2 夫の家事参加,夫の労働時間,妻の出産意欲の度数分布

±²®¶¥

±²®¶¥

±²®¶¥ ²°®³¥²°®³¥²°®³¥

±¸®¸¥

²µ®µ¥

µµ®´¥

·±®µ¥

²´®°¥

²µ®µ¥ ·®²¥

³®·¥

²²®µ¥

±µ®¸¥

¶±®¹¥ µ¹®¹¥

±¹®¶¥

±°®²¥

²²®²¥ ±²®¹¥

³¸®±¥ ´°®±¥

±·®¸¥ ±´®¶¥

°¥

±°¥

²°¥

³°¥

´°¥

µ°¥

¶°¥

·°¥

¸°¥

¹°¥

±°°¥

ቼ±ඒᝩ౼ ቼ²ඒᝩ౼ ቼ±ඒᝩ౼ ቼ²ඒᝩ౼ ቼ±ඒᝩ౼ ቼ²ඒᝩ౼

ҋႇ৙ඕᴥ৙ឧᴦ ҋႇ৙ඕᴥ࢑ఖފȼɕୣᴦ ҋႇ৙ඕᴥ஽ఙᴦ

ȯɅ ɎȪȗ ɎȪȗ ȼȴɜȻɕ ȗțȽȗ

ɎȪȢ Ƚȗ ፏߦɎȪ ȢȽȗ

³̷

͏˨

²̷

͏˨

̾Ȭȣ ܬݗ˹

³­´ࢳɁ șȴȾ µࢳऻ

͏᪃ ɎȪȢ Ƚȗˁ ȼȴɜ Ȼɕȗ țȽȗ

±¶®±¥

±¸®°¥

²¸®¶¥

²³®¹¥

²·®¹¥

³²®´¥

²·®³¥

²µ®·¥

°¥ ²°¥ ´°¥ ¶°¥ ¸°¥ ±°°¥

ቼᴮඒᝩ౼

ቼᴯඒᝩ౼

´±஽ᩖ

ఝ຿

´²­´¸

஽ᩖ

´¹­µ¹

஽ᩖ

¶°஽ᩖ

͏˨

®°

µ®°

±°®°

±µ®°

²°®°

²µ®°

³°®°

³µ®°

° ² ´ ¶ ¸ ±° ±² ±´ ±¶

ᴥ¥ᴦ

ǽ ቼᴮඒᝩ౼ᴥíåáîᴷ²®·¶ཟ¬ óäᴷ²®¸´ᴦ ǽ ቼᴯඒᝩ౼ᴥíåáîᴷ²®¸±ཟ¬ óäᴷ³®±´ᴦ

5

)ただし対応関係のあるサンプルに関する

t

検定を行ったところ

2

時点間の平均の差は統計的に有意ではなかった.

2. 夫の家事参加と妻の出生希望の因果分析

夫の家事参加と妻の出産意欲の因果関係を検討するために,「結婚と家族に関する国際 比較調査」のパネルデータを交差遅延効果モデルと同時効果モデルの構造方程式モデリン グによって分析した.いずれのモデルについても居住地域,母親との同居,世帯収入,性 別役割意識,妻の就業の有無,子ども数を統制変数として用いた.統制変数間,あるいは 統制変数と

1

時点目の夫の家事参加,妻の出産意欲との間に論理的な説明が可能な相関を 仮定することによってモデル全体の適合度が改善される場合はそれらの相関も含めたモデ ルを採用した6).その結果,夫の家事参加と妻の出産意欲に関する12の分析モデルすべて において

GFI

は0.

985

~0.

990

AGFI

は0.

961

~0.

972

,RMSEAは0.

000

~0.

028

と高い適 合度を示している.

1

は,夫の家事参加と妻の出産意欲(希望意識・希望子ども数・希望時期)について 交差遅延効果モデルと同時効果モデルを用いた分析結果(各モデルにおけるパスの標準化 回帰係数)である.交差遅延効果モデルにおける

1は

1

時点目の夫の家事参加が

2

時点 目の同一変数に与える影響,・2は

1

時点目の妻の出産意欲が

2

時点目の同一変数に与え る影響を示している.・3は

1

時点目の夫の家事参加が

2

時点目の妻の出産意欲に与える ラグを考慮した影響,・4は

1

時点目の妻の出産意欲が

2

時点目の夫の家事参加に与える ラグを考慮した影響を示している.同時効果モデルにおける

1と

2は交差遅延効果モデ ルと同様に

2

時点目の夫の家事参加,妻の出産意欲が

1

時点目の同一変数から受ける影響 を示している.・3と

4は

2

時点目における夫の家事参加が妻の出産意欲に与える影響,

妻の出産意欲が夫の家事参加に与える影響をそれぞれ示している.

まず,妻の出産意欲を表す変数として子どもを欲しいと思っているかどうかの意識を用 いた両モデルによる分析結果をみていく.いずれのモデルにおいても

2

時点目の夫の家事

6

)モデルの改善には

AMOS

(ver.

16

)の修正指標(modi

fi cati oni ndex

)を用いた.これは分析モデルにパス・

共分散を加えることによってどの程度カイ二乗値の減少が期待できるか示すものである(山本・小野寺

1999

).

本稿では

5

%水準でカイ二乗値が有意に減少するために必要な3.

84

を基準として,モデル修正を行った.なお このようなモデルの修正によって本稿が注目する夫の家事参加と妻の出産意欲の間の係数が変化することはな く,一貫して本文で述べた効果が確認されている.

表1 夫の家事参加と妻の出産意欲の因果関係

交差遅延効果モデル

1

2

3

4

妻の出産希望意識

0. 576** 0. 516** 0. 080* 0. 034ns

妻の出産希望子ども数

0. 578** 0. 549** 0. 070+ 0. 016ns

妻の出産希望時期

0. 578** 0. 411** 0. 040ns 0. 008ns

同時効果モデル

1

2

3

4

妻の出産希望意識

0. 570** 0. 511** 0. 139* 0. 065ns

妻の出産希望子ども数

0. 575** 0. 549** 0. 122+ 0. 028ns

妻の出産希望時期

0. 578** 0. 410** 0. 068ns 0. 019ns

**

:p<.

01 *

:p<.

05 +

:p<.

10 ns

:p≧.

10

In document 65-3.ren (Page 66-85)

Related documents