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のぞかせます。この時、花びらの先は必ず北をさします。これは太陽のあたる 南側が暖められて北側より早く成長しふくらむため、先端は北をさすことに なるわけです。つまり、コ

ブシの花の咲き始めを見れ ば、どちらが北でどちらが 南かすぐわかります。この ような植物を方角指標植物 といいます。

 よく似たタムシバとの区 別はなかなかむずかしいと ころがありますが、コブシ

は開花と同時に小型の葉が一個、花のすぐ下からでます。その他、葉の形や花 芽の形も違いますので、よく観察してみましょう。

 低木の中にツルシキミが良く目につきます。ツルシキミは、ミカン科のなか まで、幹が地を這うのが特徴で、ツルシキミと名づけられています。葉は互生 で、長楕円形をし、先は鈍く、春、4 〜 5 月円錐花序をだし、香りのある白 い花を多数つけ、実は、真冬の 12 〜 2 月に赤く熟します。

 このツルシキミに混じって、葉の先がとがって、長いくさび形の葉があるの が確認されます。これがカラスシキミです。カラスシキミは、ジンチョウゲ科 のなかまで、花は白く、

横手道から愛宕道へ

 ここからジグザクの愛宕道での登りになります。植生は、ブナ、ミズナラを 中心とした林となり、イタヤカエデ、ヤマザクラ、ナツツバキが彩りを添えて くれます。

 ここにミズメという木があります。まだ、小さくて解りにくいかもしれませ んが、さがしてみましょう。ミズメはカバノキの仲間で、その特徴から、ヨグ ソミネバリという別名をもっています。ミズメという名前は、樹皮を傷つける と水のような樹液がでることからつけられましたが、この臭いが今で言うとサ ロメチールの臭いがするため、このような別名を持つようになったのです。実 際にどんな匂いがするか試してみましょう。また、登山道沿いに大きな木も見 ることができますので探して見ましょう。

 登るにつれて木の高さが低くなっているのに気が付きます。少しずつ稜線に 近づいてきているため、風の影響を受けて高くならないのです。さらに、今ま では高木の下で頑張っていたナツツバキの大きいのに気がつくはずです。周り の木が大きくならないため太陽の光を充分に受けているためだと思います。ま た、ブナもずんぐりとした大きな木が見えてきますが、切られずに残されたも のだと思われます。

 足元にはハバヤマボクチ(方言 名ほうこ〜若葉はよもぎのかわり に餅に入れる。)、サンインスミレ サイシンや、タチツボスミレ、ミ ヤマカタバミ、チゴユリ、ユキザ サやコバノフユイチゴを見ること

ができます。 サンインスミレサイシン

ニイニイゼミ

アブラゼミ ヒグラシ

ツクツクボウシ

オスメスのちがい 第10節腹板 第10節腹板 ミンミンゼミ

ひげ

ひげ ひげ

オス メス

1 ひげ 32

4 21

43 21 4 3

21 43

0

 新緑の頃、登山道を歩いていると、若葉がきれいに葉巻タバコのようにまる くなったものを見つけます。なんだと思いますか。これをぐるぐるともとにも どしてみると、小さな卵を発見します。そう、これがオトシブミのゆりかごです。

 オトシブミという名は、このゆりかごの形が、昔の巻紙に書かれた手紙に似て いることから「落とし文」と呼ばれるようになったものです。ゆりかごを作るの はメスで、1cm にも満たない小さな虫が 1 枚の葉っぱを巻いて作るさまは感 動的でもあります。1 つのゆりかごには 1 個の卵を産みつけるのですが、たっ た一つ産むために、何時間もかけてゆりかご作りの重労働をするのです。この ゆりかごは名前のとおり卵や幼虫の住みかとなるだけではなく、幼虫の食糧に もなり、幼虫はこの中でサナギになって羽化するとここから出てくるわけです。

 オトシブミの種類によって使う葉の種類や、作り方の細かい点は違うようで すが、基本的な方法は共通しています。まず、メスは葉の上を 1 枚 1 枚歩き回っ て、ゆりかごにする葉を決めます。次に、その葉の上を何度も歩き回りながら、

葉の点検をしたり大きさを図ったりします。そして、葉をしおれさせるために、

葉の根元近くに切れ込みをいれ、何箇所も噛み跡をつけます。葉の真中の葉 脈は傷をつけて折れ曲がりやすくします。そして、主脈のすぐ脇を真中にして、

縦に 2 つ折にし、先の方から 2 枚重ねのまま巻きはじめます。葉っぱの縁も ちゃんと内側に巻き込むのですからたいしたものです。少し巻いたところで穴 を開け卵を産み付けると、最後まで巻きます。そこで、これがとけないように 最後に残った部分をそり返し、巻きが戻らなくなると出来上がりです。このま までいるものと、下に落としてしまうものいろいろです。巻き方も、右、左色々 で、決まってはいないようですのでよく観察してみましょう。

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