• 検索結果がありません。

1.環境への負荷の自己チェックの目的

環境への取組を行うには,まず,自らの事業活動に伴って,環境への負荷が,どの活 動から,どのくらい発生しているのかを把握することが重要です。「環境への負荷の自 己チェック」では,事業活動における物質やエネルギーなどのインプットとアウトプッ トを把握するマテリアルバランスの考え方に基づき,事業活動における8項目の環境負 荷について把握します(図9)。8項目の中でも,エネルギー使用量,水使用量,化学 物質使用量,温室効果ガスのうち二酸化炭素排出量,廃棄物排出量は必ず把握します。

環境への負荷の状況を把握した結果を踏まえて,適切な環境経営目標や環境経営計画 の策定などを行うことが必要です。最新版の環境への負荷の自己チェック表 (以下「本 チェック表」という。)は,中央事務局のウェブサイトに掲載されています。

図9 事業活動のマテリアルバランス

環境負荷を把握する際には,自らの事業活動全体を俯瞰し,「どの事業活動が環境に 大きな影響を与えていると考えられるか」を検討し,環境に大きな影響を与えている活 動,施設,設備,物質などを特定します。

そのためには,事業活動の工程を分析し,各工程において発生する環境負荷を抽出す ることが必要です。各工程で何を,どれだけ投入(インプット)し,何を,どれだけ大 気や水域などに排出(アウトプット)しているかを整理することにより,環境に大きな

15水使用量の定量的な把握が困難な場合には,定性的管理をしてください。

16化学物質使用量の把握に係る詳細は,中央事務局のウェブサイトを参照してください。

◎ エネルギー使用量

○ 物質使用量

◎ 水使用量15

◎ 化学物質使用量16

事 業 活 動

(製造業的機能)

(非製造業的機能)

○ 総製品生産量又は販売量

◎ 温室効果ガス排出量 (二酸化炭素排出量など)

◎ 廃棄物排出量(及び 廃棄物最終処分量)

○ 総排水量

※◎は必ず把握する項目

インプット マテリアルバランス アウトプット

59

影響を与えている活動,施設,設備,物質などを特定することが可能となり,環境負荷 の削減のために何に取り組むべきかが明らかになります。

また,納入される材料の梱包材が廃棄物になっている場合など,自社だけの取組では 環境負荷の削減が難しく,取引先などを含めたバリューチェーンでの協力,協働の必要 性を考慮することが必要な場合もあります。

さらに, 一般的に従業員数が増える, 床面積が増える,生産量が増えるなど,事業活 動の規模が大きくなればなるほど,事業活動に投入(インプット)されるエネルギーや 物質などの量と,事業活動からアウトプットされる二酸化炭素や廃棄物などの排出量は 増加します。このような場合には,インプットやアウトプットの「総量」の把握ととも に,それらの絶対量を売上高や生産量などの経済価値や事業規模を表すデータで割り算 した環境効率指標などの原単位あたりの指標を把握することが重要になります。

原単位あたりの指標は,「効率性」の指標であり,ある量の製品やサービスを生産・

提供するのにどのくらいのインプット・アウトプットが生じているかを知ることができ ます。事業活動の規模の推移などを考慮して,適切な原単位あたりの指標を設定するよ うにしましょう。

「環境負荷の総量」

「事業規模データ」=環境効率指標

例: エネルギー使用量

事業及び活動量,売上高など=「エネルギー使用原単位」

二酸化炭素排出量

事業規模データ =「二酸化炭素排出原単位」

2.環境への負荷の自己チェック表の使い方などについて

(1) データの集め方

① 必要な情報, データの収集・整理に当たっては, 経理関係のデータや行政の統 計の調査票など, 事業所内に既にある情報を有効に活用します。

② データは, それぞれの担当部署で個別に保管,管理されていたり,伝票でしか 保管されていなかったりするため, 初めは収集・整理に多大な労力が必要とな る場合があります。社内にある環境関連情報や経営データを環境面から整理し, 担当者が管理・把握できる仕組みを整備することが望まれます。

③ データは月単位程度の短い期間で把握すると, 環境経営目標の設定や確認及び 評価,また, 地方公共団体や取引先への報告の際により有効です。

④ 少なくとも過去3年間程度の実績をチェックできるよう適切なデータ管理を行 います。

60

表1 活用できる社内の情報例と対応するチェック項目

活用できる社内の情報例 対応するチェック項目 エネルギー,原材料の使用量,購入量,金額などの

伝票

購入電力,その他エネルギ ー,水,原材料

石油など消費構造統計調査票の写し その他エネルギー

マニフェスト伝票 廃棄物

廃棄物処理委託会社への支払伝票 廃棄物 レンタルコピー機の請求書,支払伝票,設備仕様

書,使用説明書

紙使用量 大気汚染物質排出量総合調査票の写し,計量証明書 大気汚染 水質汚濁物質排出量総合調査票の写し,計量証明書 排水 化学物質の保管・管理に係る書類 化学物質 第一種指定化学物質の排出量及び移動量の届出書 化学物質 安全データシート(SDS) 化学物質 (2) 環境への負荷の自己チェック表を使用する際の留意事項

① 本チェック表は, 環境への負荷の自己チェックが容易になるように,例として 示したものです。個々の事業者の状況に応じて,項目,二酸化炭素排出係数,

単位などについて必要に応じて修正することが可能です。重要なことは,毎年 の環境負荷量を同じ基準で比較できるようにすることです。

② 入力が必須の欄と任意の欄が色分けされています。詳しい入力方法は, 本チェ ック表の脚注及び中央事務局ウェブサイトを参照してください。

③ 二酸化炭素排出係数については, 国が公表する電気事業者ごとの排出係数を用 いますが,毎年新たな排出係数を用いるのではなく, 原則として一定期間(中 長期の目標設定期間など)固定とし,環境経営目標の管理や経年比較が可能と なるようにします。その際に採用した排出係数は, 実績値とともに明らかにし ます。

④ 本チェック表は, 単年度の排出量を算定する形になっていますが, 可能な項目 については,2~3年のデータを整理することにより,前年度比や排出量の推 移を把握し,どのように改善されているかなどの評価を行い,環境経営目標及 び環境経営計画の策定・改訂,取組の改善に活用することが重要です。

⑤ 事業者は,環境負荷の総量を削減することが求められていますが, 一方,事業 経営の観点から,経済効率性の高い環境への取組も求められています。そのた め事業者の環境への取組結果などを把握・評価する場合は,環境負荷の総量を 把握,管理するだけでなく, 経済価値を反映しながらその環境への取組の効率 性を表す原単位あたりの指標(環境効率指標)を把握・管理することが重要に なります。本チェック表には,活動規模を把握する欄を設け,事業活動の規模 が変化する場合においても, 環境への取組の効果を把握できるようになってい ます。また, 指標は, 事業の特性に応じて,適切なものを選んでください。

61

別表 環境への負荷の⾃⼰チェック表 ○ 事業活動に伴う環境負荷について、本チェック表(Excelファイル)を基に把握してください。 ○ 環境負荷のうち、⼆酸化炭素排出量(エネルギー使⽤量)、廃棄物排出量、⽔使⽤量、化学物質使⽤量は必ず把握してください。  また、エネルギー使⽤量料⾦、廃棄物排出量処理費⽤等についても⼊⼒し、どの程度のコストがかかっているかを把握してください。 ○ 本チェック表は、以下の10シートから構成されています。「⼊⼒の⼿順等」を参考に数値、項⽬名、単位等を⼊⼒してください。 ⼊⼒の⼿順等(本シート) 1.事業規模(事業の規模) 2.取りまとめ表(⼆酸化炭素排出量、廃棄物排出量、⽔使⽤量、化学物質使⽤量を⼀表に取りまとめる表) 3.エネルギー(エネルギー使⽤量) 4.⼀般廃棄物(⼀般廃棄物排出量等) 5.産業廃棄物(産業廃棄物排出量等) 6.⽔(⽔使⽤量及び総排⽔量) 7.化学物質(化学物質使⽤量) 8.資源(資源使⽤量) 9.製品(総製品⽣産量または販売量) <⼊⼒の⼿順等> ① 環境負荷を把握する期間(年は⻄暦)を⼊⼒してください。1年間の環境負荷データを⼊⼒できます。⼊⼒した期間は、2〜7の各シートの⻘⾊のセルに⾃動で⼊⼒されます。 開始年⽉︓ 終了年⽉︓ ※原則として1年間の環境負荷データを⼊⼒しますが、1年未満の期間で⼊⼒することもできます。 ② 各シートのセルに数値、項⽬名、単位等を⼊⼒してください。既に⼊⼒されている単位については、必要に応じて変更してください。 ⻩のセルは、⾃動で合計値等が⼊⼒され、「2.取りまとめ表」に⾃動で⼊⼒されます。 ③ 各シートで⾏、列の挿⼊や削除をすると、⻘⾊及び⻩⾊のセルに設定している計算式等がずれることがあります。

62

関連したドキュメント