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2. 機能仕様

2.10 GPS

2.10.1 概要

(1) GPS ( Global Positioning System : 全地球測位システム )

GPSは、米国が開発した衛星航法システムで、元々は軍事用のシステムでしたが、現在は民間に開放 され、広く利用されています。

(2) GPSの動作

GPSは、複数の方向にある衛星からの電波を受信し、その電波の到達遅延時間を測定し、演算処理を して位置を求めます。

測位にかかる時間と測位制度は、電波の受信状態に大きく左右されます。携帯端末機の真上を中心 に、全天が見通せる状態が理想的な測位状態となります。

2.10.2 基本仕様

GPS

一般仕様 L1 1575.42MHz C/Aコード 測位方式 Standalone – GPS(S-GPS)

Assisted – GPS(A-GPS) プロトコル NMEA-0183

感度 捕捉(獲得)感度 : -145dBm トラッキング感度 : -158dBm

2.10.3 ソフトウェア構成

GPSソフトウェアの構成を以下に示します。

User Application GPS動作確認ツール

(GPS情報)

GPS Intermediate ドライバ

GPS ドライバ

GPS ハードウェア(モジュール)

(1) User Application

ユーザーアプリケーションは、GPS intermediateドライバが提供するAPIを使うか、または、同じく GPS intermediateドライバが提供する仮想COMポートを介して取得するNMEA形式情報を使って、

位置情報を取得します。

(2) GPS動作確認ツール(GPS情報)

GPSモジュールの受信状況、位置取得状況などを表示します。(3.30 GPS情報 p. 140 参照)

(3) GPS Intermediate ドライバ

Windows CE系OSの標準ドライバです。GPSドライバとアプリケーションの間に位置し、下記の機能

を提供します。

 複数のアプリケーションからのGPS同時使用

 位置情報APIの提供

 NMEA出力の提供 (4) GPSドライバ

GPSハードウェア(モジュール)を制御するためのプログラムです。

2.10.4 GPS 位置情報の取得

GPS Intermediateドライバから位置情報を取得するには、ふたつの方法があります。

方法1. GPS Intermediate ドライバ API を使用する

GPS intermediate ドライバの詳細については、以下のマイクロソフト社MSDNライブラリ情報(英 語)をご参照ください。

http://msdn2.microsoft.com/en-us/library/bb202086.aspx

方法2. 仮想COMポート経由でNMEA形式の情報を取得する

GPS Intermediate ドライバが提供する仮想COMポートにアクセスすることで、NMEAデータを読 み出すことができます。

仮想COMポート COM8

【利用手順】

1. CreateFile()で、仮想COMポートをオープンします。

2. ReadFile()で、NMEA文字列を読み込みます。

3. 取得したNMEA文字列を解析し、位置情報を取得します。

4. NMEA文字列は、GPSハードウェア(モジュール)の計測毎に出力され続けます。必要に応じ、

上記2.と3.を繰り返すことで、連続的に位置情報を取得できます。

5. 終了するときは、CloseHandle()を呼び出します。

【注意点】

1. .NET Compact frameworkのSerialPortクラスを使って仮想COMポートをOpen()すると、

必ず失敗します。これは、SerialPortクラスのOpen()がGPS Intermediateドライバの初期化 完了を待てないためです。そのため、SerialPortクラスを使用される場合は、Open()の前に GPS Intermediate ドライバAPIのGPSOpenDevice()を呼び出してください。

2. CreateFileやCloseHandle()時にGPSモジュールの電源OFF/ONが発生するときは、処理 に数秒の時間を要します。また、電源ON直後のコマンド処理は失敗する場合があります。

時間をあけてリトライしてください。

3. ReadFile()は、1KB程度のバッファを用いて読み込んでください。一度の読み込み量が少 ないと、GPSモジュールの出力に間に合わなくなり、途中から正常なデータ読み込みができ なくなる場合があります。