12. アプリケーションフレームワーク
12.16 セルラーフレームワーク
セルラーフレームワークによって、SSP でのセルラーモデム統合のためにハイレベルアプリケーションレ イヤーインタフェースと、さまざまなベンダのセルラーモデムをアプリケーションで使用可能にする共通イ ンタフェースが提供されます。
このフレームワークでは、データ通信の目的でセルラーネットワークと通信するために、セルラーモデ ムのプロビジョニングと構成を行います。コンソールフレームワークにより、
AT
コマンドを使用してシ リアルインタフェース経由でセルラーモデムと通信します。このフレームワークは、NetX によって提供される
PPP WAN
プロトコルを利用して、データ通信用のシリアルインタフェース上でシリアルデータパイプを作成します。TCP/IP を使用するデータ通信は、NetX アプリケーションプロトコル、ソケット、あ るいは
IoT
プロトコル(MQTT
など)を使用して、このワイドエリアネットワーク(WAN
)リンク上で 確立できます。また、セルラーフレームワークではフレームワークレベルのソケット
API
も提供されます。これは、特定の セルラーハードウェアモジュール内のオンチップ(セルラーハードウェアモジュール内)のTCP/IP
スタッ クや、さらにはソケットAPI
を使用するネットワークのTCP/IP
リンクと通信するためのものです。図
12.17
セルラーフレームワークの構成およびインタフェースレイヤーセルラーフレームワークは以下の論理ブロックで構成されています。
• セルラーフレームワークアプリケーションインタフェース
•
NetX TCP/IP
スタック用のネットワークスタック抽象化レイヤー(NSAL
)• セルラーデバイスドライバー
• オンチップネットワーキングスタックをサポートするセルラーハードウェアモジュールのインタフェー スになる
BSD
ソケット互換API
•
SSP HAL
インタフェース1. SF
セルラーフレームワークAPI
アプリケーションでは、SFセルラーフレームワーク
API
インタフェースを使用して、アプリケーション を変更することなくさまざまなベンダのセルラーモデムと通信します。モジュール固有の実装により、AT
コマンドセットが提供され、必要な機能を実装することで汎用ドライバーが上書きされます。たとえば、汎 用ドライバーによって、オープン、クローズ、プロビジョニングなどのAPI
が実装されます。これらのAPI
に必要なAT
コマンドは、モジュール固有のドライバーで提供されます。モジュール固有のドライバーに異 なる方法でオープンAPI
を実装する必要がある場合は、独自の実装によってオープンな実装を上書きして、実装することができます。
図
12.18
セルラーフレームワークAPI
2.
ネットワークスタック抽象化レイヤーセルラーフレームワークは、ネットワークスタック抽象化レイヤー(NSAL)を提供します。NSAL に よって、
IP
通信で使用するPPP
チャネルが作成されます。また、NSAL
ではPPP
が使用する認証方法(PAP/CHAP など)も処理されます。これらの認証メカニズムはオプションです。NSAL は、フレームワー ク
API
を使用して、セルラーモジュールとの間でデータの送受信を行います。NSAL
を使用すると、ネット ワークスタックに関して変更せずにセルラーデバイスドライバーを再利用できます。新しいネットワークス タックのサポートを追加するには、適切なNSAL
の実装が必要です。3.
セルラーデバイスドライバーセルラーフレームワークは
AT
コマンドセットを使用し、シリアルドライバーを使用してセルラーモデム とやりとりします。モデムとのやりとりに使用されるシリアルインタフェースはUART
です。4.
ソケットAPI
ソケット
API
によってアプリケーションにインタフェースが提供され、セルラーモジュールに存在するオ ンチップネットワーキングスタックをBSD
ソケットAPI
で使用できるようになります。使用にあたって は、セルラーモジュールまたはドライバーが、オンチップネットワーキングスタックとソケットインタ フェースをサポートする必要があります。アプリケーションは、これらのAPI
を使用する場合に、セルラー モジュールに存在するオンチップネットワーキングスタックを使用し、NSAL は使用しません。アプリケー ションは、MCU
上で実行中のネットワーキングスタックを使用しません。5. SSP HAL
インタフェース次の図は、MCU とのローレベル通信のためにセルラーデバイスドライバーで使用される
SSP HAL
コン ポーネントのインタフェースを示しています。この実装はセルラーデバイスドライバー固有です。セルラー モジュールは、UART、ICU、IOPORTなどのさまざまなHAL
コンポーネントを利用します。図
12.19 SSP HAL
インタフェースこのフレームワークの主な機能は以下のとおりです。
• 以下を使用する接続がサポートされます。
CAT1
、CAT3
、およびCAT M1
セルラーモデム セルラーモジュールに存在するオンチップスタック対応の
BSD
ソケットインタフェース
NSAL
インタフェースを使用するMCU
(ホスト)上のNetX
スタック• ネットワーキングスタックに対応する
API
の共通セットと、さまざまなセルラーハードウェアモジュー ル対応の汎用インタフェースがサポートされます。• 汎用
API
と抽象化を利用して、セルラーハードウェアモジュール用に開発されたアプリケーションを、別のセルラーハードウェアモジュールと連携するために簡単に移行できます。
• サポートされるセルラーモデム
:
NimbeLink CAT3
(NL-SW-LTE-TSVG
)Verizon-US
NimbeLink CAT3
(NL-SW-LTE-TEUG
)India and Europe
NimbeLink CAT1
(NL-SW-LTE-GELS3-B and NL-SW-LTE-GELS3-C
)Verizon-US
Quectel CAT M1-BG96
図
12.20 CAT3
モデム上のセルラーフレームワークモジュールの編成、オプション、スタックの実装図
12.21 CAT3
セルラーフレームワークモジュール上のCAT3
オンチップスタックを使用したBSD
ソケット図