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TS-613FinePix F31fdの組合せ TSN-664COOLPIX P330の組合せ

TSN-DA1、UR-E20、

FinePix F31fdの取付け状況

COOLPIX P330TSN-DA1 アウターチューブの組合せ状況 TS-613TSN-664を使ったデジスコ

(1)スポッティングスコープ(KOWA)とデジスコ

著者のデジスコの第一歩は2002年で、当時使用のCOOLPIX 4500 の活用を前提に KOWA のスポッティングスコープ TS-613 とデジタル カメラの接続用アダプターTSN-DA1、そして COOLPIX 4500 と TSN-DA1 を接続するアダプターリング TSN-AR28を組合せました。

そして現在、TSN-DA1 を共通して使用できるTSN-664も用いていま す。TSN-DA1はアダプターリングTSN-ARxx (xxは28、30、30.5、

37、43、46、52、55、58、62、72)を組み合わせてxxに対応する フィルターネジサイズのデジタルカメラに容易に接続できるようになって

52 います。また、フィルターネジのないデジタルカメラにはその三脚ねじを 利用するユニバーサルカメラアダプターTSN-DA4をTSN-DA1と組合 せることでデジスコ化できます。

著者は手持ちのコンバージョンレンズをデジタルカメラで有効活用した いこともあって、3章で解説のフィルターネジのないデジタルカメラにフ ィルターネジを付加することで TSN-DA1 に直接、接続することを可能 にしています。例えば3章で事例として紹介のCOOLPIX P330はフィ ルターネジの付加で、特殊リング(八仙堂)を組み合わせ、TSN-DA1に TSN-AR43 を取り付けることで TSN-664 との組み合わせを可能にし ました(調整などの詳細については” TS-613 & TSN-664 Digiscoping Maniac”参照)。

3章の応用でフィルターネジのついていないデジタルカメラにフィルタ ーネジがつけられれば同様にデジスコとして使える可能性があります。な お、TSN-AR xxに該当寸法がなければステップアップリング/ステップダ ウンリングを組合せて接続します。

COOLPIX P330TSN-DA1を組み合わせた状態

53 (2) COOLPIX P5100用光軸調製用アダプター

TSN-664COOLPIX P5100の組合 せによるデジスコ

デジタルカメラアダプターTSN-DA1 アウターチューブを組合せ

光軸調整前12.9mm(同1800mm) 光軸調整後

COOLPIX P5100(Nikon)にCOOLPIX P5000/ P5100用のアダ プターリングUR-E20を取り付け、TSN-664(KOWA)にデジタルカ メ ラ ア ダ プ タ ーTSN-DA1 を 取 り 付 け 、 そ の ア ウ タ ー チ ュ ー ブ に TSN-AR28を接続して組合せ、デジスコにしました。

この組合せではCOOLPIX P5100のズームレンズの広角から中域にか けて右側に目立つ周辺減光が生じました。原因を調べたところ、COOLPIX P5100のレンズ構造に起因する光軸ズレと推定されました。

そこでCOOLPIX P5100とTSN-664の間の光軸調整をするため、

アダプターリングTSN-AR28の部分を光軸調整可能なものに置き換えて 製 作 し 、 周 辺 減 光 の 低 減 を 図 り ま し た (”TS-613 & TSN-664 Digiscoping Maniac”に関連する解説あり。)

54 COOLPIX P5100の光軸調整用アダプターリングTSN-AR37(改)

Hood & Adapter HA-1 (RICOH)のアダプター部を取り付けたCOOLPIX P5100

上図に光軸調整に対応のアダプターリングの構造を示します。なお、

COOLPIX P5100に取り付けるアダプターはUR-E20(ネジ径28mm)

を用いず、Caplio GX/GX8(RICOH)用のフード&アダプターHA-1(ネ ジ径37mm)としました。これはUR-E20の鏡胴長約32.5mmに対し てHA-1のそれが約31.3mmと若干短いことから、ケラレ、周辺減光の 低減に有効と考えたことによります。

TSN-DA1のアウターリングのアダプターリングTSN-ARxxを取り付 ける部分のネジ径は61mmで、TSN-ARxxの中央部分を丸く切り抜いて

ステップアップリング37-49 φ41.5(穴あけ)

TSN-AR37

両面接着テープ

55 図のようにステップアップリングを通す構造としました。孔径はHA-1の 先端の直径に光軸調整に必要な移動量を計算して 41.5mm とし、加工性 を考えてアダプターリングTSN-AR37を選びました。ステップアップリ ングの外形は径の大きい表記寸法に2mm加えた程度となり、デジタルカ メラアダプターTSN-DA1のアウターチューブの内径は53mmで調整代 が 確 保 さ れ る こ と を 確 認 し て 、 ス テ ッ プ ア ッ プ リ ン グ 37-49mm

(MARUMI;ローレットが切られていない分、小径のため)を選びました。

デジタルカメラアダプターTSN-DA1を使った COOLPIX P5100と TSN-664によるデジスコ、光軸調整が可能な自家製アダプターリングを 製作することで以前は目立っていた右側の周辺減光が大幅に軽減され、四 隅に生じる若干の周辺減光に目をつぶれば、ほぼ、ズーム全域でデジスコ として使えるものとなりました。なお、COOLPIX P5100のAFの設定 として[AF]、[遠景]、[マクロ]がありますが、遠景に設定することで AF の迷いが少なく合焦させることができます。

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【加工手順】

1) TSN-AR37の穴を開ける 位置にケガキ

アダプターリングTSN-AR37

2) アダプターリングTSN-AR37にドリルで穴を開け、精密糸鋸(銅・

アルミ・貝殻用鋸刃を取付け)で直径約40mmの穴を切り抜き

精密糸鋸でTSN-AR37を切り抜き 穴を切り抜いた直後のTSN-AR37

3) アダプターリングTSN-AR37の穴の部分を金工ヤスリ、紙ヤスリを 棒に巻いたものを使ってφ41.5mmの穴に仕上げ加工

上:フード&アダプターHA-1(RICOH) 下左:TSN-AR37の切り抜いた穴の部 分を仕上げ

下右:ステップアップリング37-49

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【自家製アダプターリングの光軸合わせの手順】

1) HA-1とステップアップリング37-49を接続し、ステップアップリ ングのHA-1側の面全体に強力両面接着テープを貼り、その後、HA-1を 一旦外します。以降、「さあ、接着!」となるまで、TSN-AR37 とステッ プアップリングは適度な距離を保って両面接着テープで接着されないよう に注意して作業となります。

2) 中央部を41.5mmの円で切り抜 いたアダプターリング TSN-AR37 の穴にHA-1を通し、両面接着テープ が TSN-AR37 につかないように注 意しながら HA-1 とステップアップ リングを接続します。

3) HA-1 を COOLPIX P5100 に接続し、改造した TSN-AR37 に TSN-DA1のアウターチューブを接続します。

4) スポッティングスコープに取り付けたデジタルカメラアダプター TSN-DA1のインナーチューブにアウターチューブを挿入し、アイピース の 面 に ス テ ッ プ ア ッ プ リ ン グ の ア イ ピ ー ス 側 の 面 を 接 触 さ せ ま す 。

(TSN-AR37をつけたアウターチューブはガイドの役割で、この時点で もステップアップリングとTSN-AR37が接着しないように注意)

5) スポッティングスコープを空に向け、COOLPIX P5100を起動して 液晶モニターを表示させ、ズームレンズを周辺減光のわかりやすい位置と します。そして液晶モニターを見ながら周辺減光が四隅にバランスよくで きるようにアイピースに当てたステップアップリングを少しずつ動かし、

「ここかな・・」となったらズームレンズを広角から望遠の範囲で動かし、

58 目立つ周辺減光が生じないことを確認した上、TSN-AR37をステップア ップリング側に押し付けて両面接着テープで接着させます。そして一旦、

TSN-DA1 のアウターチューブごと、COOLPIX P5100 を外して、

TSN-AR37とステップアップリングが確実に接着されるように指先で押 し付け、スポッティングスコープに TSN-DA1 に取り付けた COOLPIX P5100 を接続し、ズーム全域で目立つ周辺減光が生じていないことを確 認して完成です。

[カメラ側の面] [アイピース側の面]

完成した光軸調製用アダプター

59 (3) デジスコのピント精度を高める単眼鏡

a. ACTY H7X18 (Vixen)

ACTY H7X18 (Vixen) TSN-DA1ACTY H7X18 取り付けた状態

37mmフィルターネジ化 TSN-DA1アウターチューブに取付け

一眼レフカメラでファインダー倍率を 1.1~1.2倍とかに拡大するアイ カップがオプションにあります。デジスコでよい撮影結果を得るためには ス ポッ ティン グス コー プのピ ント 合わせ が重 要です が、TS-613、 TSN-664のフォーカシングノブの微調整段階で「これでよいだろうか」

と若干の不安が残ります。そこでコリメート法のピントの合わせ方をWeb 検索して岐阜科学館の Web サイトで「まずファインダーや小型の双眼鏡 のピントを星に合わせ、それを使って望遠鏡をのぞいて望遠鏡のピントを

60 合わせます。そしてカメラの距離を無限大(∞)にして、カメラで望遠鏡 をのぞくように撮影すればいいのです。絞りは開放にします。」との記述を 見つけました。

手持ちの双眼鏡Papilio 6.5X21では形状からスポッティングスコープ のアイピースに光軸を合わせることが困難なため、7 倍の単眼鏡 ACTY H7X18(Vixen、2005年2月発売)を特価で入手しました。この単眼 鏡は20cmからピントが合い、カメラ用マグニファイヤーとしても使用可 能とされます(但し、アイレリーフは10mmで眼鏡使用では使いにくい)。 ACTY H7X18の先端の部分の直径(約26mm)がTE-14WDの接 眼レンズの口径(約30mm)より小さいため、ACTY H7X18を接眼レ ンズにぶつけて傷つけないように八仙堂で販売のステップアップリング 35→37mmを入手して取り付けました。

ステップアップリングの取り付けは、その 35mm 側の内径が ACTY H7X18 の鏡筒の先端の外径(約 32mm)より少し狭いため、内側を金 ヤスリで少し削っては ACTY H7X18の先端に当て、削り過ぎないぎり ぎりのところまで削った上、紙やすりで仕上げ、ACTY H7X18 の先端 にステップアップリング35→37mmを、ACTY H7X18の先端とステ ップアップリング35→37mmの37mm側の先端が面一になるように押 し 込 ん で 締 り ハ メ で 行 い ま し た 。 そ し て カ メ ラ 接 続 用 ア ダ プ タ ー TSN-DA1 の ア ウ タ ー チ ュ ー ブ に 、37mm の ア ダ プ タ ー リ ン グ TSN-AR37を組み付けてACTY H7X18を取り付けました。

ACTY H7X18を見ながらスポッティングスコープのピント合わせし、

精度高くピント合わせできることが確認できました。(月の撮影時のフォー カシングノブの位置をマーキングし、素早く撮影可能です。)

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