第 3 章 スケジューリングアルゴリズムの開発
3.5 スケジューリングアルゴリズムにおける今後の課題
親密グルーピングを行う 1. 主査グルーピング 2. 内部グルーピング 3. 親密グルーピング
4. 親密グループ挿入位置探索 5. 主査・内部グループ挿入位置探索
親密グルーピングを行わない 1. 主査グルーピング 2. 内部グルーピング
3. 主査・内部グループ挿入位置探索
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対策1:
特定課題研究の学生は1部屋で審査を行う
特定課題研究の発表をする学生は1部屋で審査を行うようにし、修士論文の学生は 今まで通り複数の部屋に分かれて審査を行うようにする。そのためにはまず特定課題 研究の学生のみで委託元教員毎にグルーピングを行い、グループレイアウトを行って スケジュールを組む。その上で修士論文の学生に対して開発したアルゴリズム通りグ ルーピングを行い、特定課題研究の学生のスケジュールも考慮に入れてグループレイ アウトを行う。そうすることで課題を解決することができる。しかし、2008年度に特 定課題研究を行った学生は 17 名である。そのため、特定課題研究の学生の部屋は確 実に終了時間が19:00を過ぎてしまう。審査不可時間があった場合には更に終了時刻 が遅くなる恐れがある。人数が尐なかった場合には有効な手段ではあるが、多くなっ てしまうと対策1では現実には厳しいと言わざるを得ない。
対策2:
特定課題研究の学生の中で同一の委託元教員である学生を1つのグループにまとめる 対策1とは違い全ての学生に対しグルーピングを行うが、特定課題研究の学生のみ 委託元教員でグルーピングを行ってからグループレイアウトを行う。そうすることで 委託元教員が同一の学生は連続して審査が行われる。しかしこの対策の問題は、一人 で特定課題研究を行っている学生である。一人で行っている学生はグルーピングをし ても一人であるため、修士論文の学生の間に入ってしまい特定課題研究を行っている 学生が連続しないことになる。一人の学生は一人の学生同士再びグルーピングしてグ ループ化するという対策も考えられるが、そうすると同一の審査員ができるだけ連続 していたほうがいいという要求を無視してしまうことになる。結果、対策2も課題に 対する最適な対策とは言い難い。
現在この2つの方法が考えられるが、どちらにも利点と欠点が存在する。そのため、どち らかを選択する場合、ステークホルダーや状況などをよく考え選択する必要があると考えら れる。また、どちらの対策もうまくいかない場合も考えられるため、そのときは新たな対策 を講じる必要があることも今後の課題である。
3.5.2 審査員の連続性
3.2 においてスケジューリング時に考慮すべき項目として、C)同一の審査員が同部屋で連 続して審査を実施する(以下、「審査員(主査、副査)の連続性」と呼ぶ)という項目がある ことを述べた。これを考慮してグルーピングとグループレイアウトを行うアルゴリズムを考 案した。このアルゴリズムによって主査の連続性は確保されたが、副査についての連続性を 考慮できていない部分がある。内部グループを作成した際、審査員が完全に一致した場合の グループとそれ以外のグループに分けている。完全一致のグループは副査の連続性も確保さ れているが、それ以外のグループはただグループ化しているだけで、グループ内の並び順ま
で考慮していない。また、グループレイアウトの際に考慮していることは、同じ時間帯に同 一の審査員がいないかどうかと審査不可時間に問題がないかという2点であるため、別々の 部屋で連続して審査が行われる、休憩時間がないにもかかわらず部屋を移動しなければなら ないということが起こり得る。実際にシステムを使用して出力したスケジュールでは、同一 の審査員が連続して別の部屋で審査を担当しなければならない状況が起きていた。
それらの問題を解決し審査員の連続性を確保する手法を以下で検討する。
対策1:
内部グループ作成時に審査員の連続性を確保する
完全一致でない内部グループ作成時に、副査の連続性を確保することでグループ内 において審査員の連続性が確保されるため、全体を見ても連続性が確保されるように なると考えられる。ここで問題になるのが、1 つの審査委員会に2人以上の副査がい るということである。例えば図 3.19 左のような審査委員会があったとする。今まで 通り内部グループを作成すると①のように上から順番に並ぶという解のみ存在する。
しかし、副査の連続性を確保して作成しようとすると図 3.19 右のように 3 通りの解 が見つかってしまう。解が3つのままグルーピングを終了することはできないため、
どれか選択しなければならない。そのときの選択の基準を何にするかということが大 きな問題になる。
主査 副査 副査
A B C
A B D
A D C
主査 副査 副査
A B C
A B D
A D C
主査 副査 副査
A B C
A D C
A B D
主査 副査 副査
A D C
A B C
A B D
図 3.19 内部グループ作成例
上記のような問題は発生するが、この対策1で内部グループ内の連続性は以前より 確保される。しかし、これだけでは別々の部屋で連続して審査を担当しなければなら なくなるという問題は解決していない。この問題の解決について、更なる対策2を考 えていく。
①
②
③
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対策2:
グループレイアウト時に審査員の連続性を確保する
グループレイアウトで考慮することとして、審査員の連続性を追加する。まず、ス ケジュールテーブルにグループを挿入するとき、挿入する枠の前後の尐なくともどち らか一方に他の審査委員会があるかどうか確認する。ある場合にはその審査委員会の 審査員と挿入しようとしているグループの先頭(もしくは末尾)の審査員を確認し、
審査員が連続していたら挿入する。連続していなかったら挿入位置の候補として、更 に他を探してみる。とすることで、審査員の連続性が確保されると考えられる。
また、挿入しようとしているグループと、既にスケジュールテーブルに挿入されて いる審査委員会の審査員を比較し、別々の部屋で連続して審査を担当しなければなら ない状況になっていた場合には挿入位置として認めないようにすることで、課題の解 決が期待できる。
対策1と対策2を述べてきたが、この対策ではまだ不足している部分がある。それはグル ープ同士の審査員の連続性と、グループ同士の連続性の確保のためのグループ内の並び順の 考慮である。ここまで述べてきた対策 1、2 の実現と、不足部分の新たな対策を考えていく ことが今後の課題である。