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シンポジウム「先天性嚢胞性肺疾患の新しい概念と画像診断」

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Vol.31 No.2, 2015 139

たものとした.CCAM の診断は,実体顕微鏡下 のマクロ所見で,線維性被膜に覆われた,光沢 のある内腔面,肉柱形成,気道との交通を示す

orificeが確認され,ミクロ所見で確認しCCAM

の確定診断を行った.

結 果

1)気管支閉鎖と気管支拡張,嚢胞の形態  気管支閉鎖症43例の内,閉鎖部位は区域気管 支基部が32例と多く,内視鏡等で術前診断可能 な症例を認めたが,亜区域気管支以下は11例で 病理学的検討により最終診断した.閉鎖部末梢 の気管支拡張の形態は,肺門部付近での中枢性 嚢胞すなわち閉鎖部直上が部分的に拡張するも のは28例で,肺末梢まで拡張する末梢性嚢胞は

1535%に認めた.閉鎖部位の肺葉別の症例数

は,右肺では上葉9(その内,亜区域閉鎖3),中 1(亜区域閉鎖0),下葉16(亜区域閉鎖6),左 肺では上葉11(亜区域閉鎖1),下葉6(亜区域閉

1)であった.好発部位の左上葉11例中左上区

支閉鎖が7例と多く,その閉鎖の原因として上 区支上方転位の分岐位置異常が病因に関係して いた1).右下葉の特徴としては亜区域以下の閉 鎖を6例と多く認めた.

 病理診断で最終診断が気管支閉鎖症に変更さ れた症例での術前診断は,気管支性嚢胞11例,

肺葉内肺分画症8例,肺葉性気腫4例,腫瘍3 であった.

 Fig.1に術前診断で気管支性嚢胞とした症例を 示す.病理標本で右B2気管支閉鎖が確認され,

閉鎖部直上は紡錘形の軽度の拡張を認めたが,

更に連続して末梢気管支が大きく嚢胞状に拡張 していた.閉鎖により気管支内圧が高まり,脆 弱部が嚢胞状となったと考えられる.

2)気管支閉鎖と CCAM との関係

  病 理 学 的 に 検 討 が で き た 症 例38例 中18

(49%)にCCAMを合併していた.CCAMを合併 した症例の閉鎖部は区域56%,亜区域44%で,

CCAMを合併しない症例の閉鎖部は区域が86%

で,有意に中枢側で閉鎖している症例であった.

CCAM合併例18例のうちわけは,1型9例,2型 9例だが,1型は亜区域閉鎖が67%と,末梢側で 閉鎖している症例に多く認めた.2型は区域閉鎖

78%と,中枢側で閉鎖している症例に多く認

めた.

 Fig.2にCCAM2型を合併したB6の気管支閉鎖 症例の術前CTを示す.B6領域に気腫性病変を認 め,小さな多発性嚢胞も認めた.気管支鏡にて B6の気管支閉鎖を認め右下葉切除を施行した.

 Fig.3に病理マクロ所見と術前CT所見を対比 して示す.病理学的所見ではB6区域気管支の閉 鎖を認めたが,拡張気管支には粘液は貯留して なかった.また,末梢側には肉柱形成を伴う多 発嚢胞と気腫性変化を認め,CCAM2型を合併し B6の気管支閉鎖と最終診断した.術前CT

右B2閉鎖

B2 BB

嚢胞状拡張

Fig.1 右 B2気管支閉鎖症例

病理標本で右 B2気管支閉鎖が確認され,閉鎖部直上は 紡錘形の軽度の拡張を認めるが,更に連続して末梢気 管支が大きく嚢胞状に拡張している.

右 B2閉鎖

嚢胞状拡張

B1 B2 B3

対比してみると,気管支閉鎖部,CCAM,気腫 性変化の連続した病変が対比される.

 Fig.4はCCAM2型を合併したB10亜区域気管 支閉鎖症例の術前CT所見である.右下葉B10 やや末梢領域に貯留性嚢胞と気腫性病変を認め たが,明らかな多発嚢胞性病変は認めなかった.

気管支鏡でも閉鎖は認めなかったが,CT所見よ り右下葉B10末梢領域の気管支閉鎖と術前診断し 右下葉切除を施行した.病理学では粘液栓の充 満した拡張気管支とB10亜区域の気管支閉鎖を認 めた.末梢領域には病理的には多発嚢胞を認め,

光沢のある膜様被膜,肉柱形成,気道へ交通し

気腫性病変

貯留性嚢胞

CT

Fig.3 病理マクロ所見と術前 CT 所見の対比 B6区域気管支の閉鎖を認めたが,拡張気管 支には粘液は貯留してない.また,末梢側 には肉柱形成を伴う多発嚢胞と気腫性変化 を認める.術前 CT と対比してみると,気 管支閉鎖部,CCAM,気腫性変化の連続し た病変が対比される.

Fig.4 CCAM 2 型を合併した B10亜区域気管支閉鎖 症例での術前 CT 所見

右下葉 B10のやや末梢領域に貯留性嚢胞と 気腫性病変を認める.

B6閉鎖 CCAM 気腫性変化

CT 病理マクロ 嚢胞性病変

気腫性病変

気腫性病変

CT

Fig.2 CCAM2 型を合併し たB6気管支閉鎖症例 の術前CT

B6領 域 に 気 腫 性 病 変を認め,小さな多 発性嚢胞も認める.

気腫性病変 嚢胞性病変

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ている所見を認め,CPAM2型を合併したB10 区域気管支閉鎖と最終診断した.

考 察

 気管支閉鎖症は気管支が限局的に閉鎖し,①末 梢気管支の拡張(嚢胞),②粘液貯留と炎症(腫瘤,

肺炎),③側副換気による気腫の3つの要素が重 なった多様な病態を示す1,2).末梢気管支の拡張 は粘液が充満した中枢性嚢胞が典型的だが,末梢 性嚢胞もわれわれの集計では43例中15例35%に 認めた.特に亜区域気管支以下で閉鎖している症 例ほど末梢性嚢胞を示す傾向を認めた.

 気管支閉鎖症の間接所見である限局的気腫像,

貯留性嚢胞は術前CTでも認められ,特に末梢気 管支閉鎖では限局的気腫像のみ認めることが多い と報告されている6).それらのCT所見を認めた ら気管支閉鎖症を疑い,病理検索で閉鎖部位を同 定することが確定診断に大切と考えられる.

 多くの先天性嚢胞性肺疾患は胎生期の気道の閉 鎖と関連して発生する可能性を示唆するLangston らのmalformation sequenceの考えが提唱された3) Riedlingerらの報告4)では,実体顕微鏡下の追 跡を行った結果,CCAM(20例)の70%に気管支 閉鎖を伴っていたとの報告がされている.今回 の我々の検討では気管支閉鎖症38症例中18例,

49%にCCAMの合併を認め,気道閉鎖の病態に 高率にCCAMが合併していることが判明した.

気管支閉鎖にCCAMを合併する病変の分布パター ンの典型として,Fig.3に示すような一連の変化 が特徴で典型的であった.すなわち閉鎖部位の直 下には,拡張した気管支である貯留性嚢胞を認め,

その末梢にCCAMが発生し,さらにその末梢に 気腫性変化を認めるという一連の変化が特徴的と 考えられた.これらの結果からはCCAMは胎生 期(気管支・細気管支形成期)での気道の閉鎖にと

もない,2次的に発生する,先天性の過誤腫性病変,

形成異常の病態であることを示唆する結果と考え られる.

 多くの嚢胞性肺疾患が単に気管支性嚢胞と診断 されたり,嚢胞の形態だけでCCAMと診断され ている症例も少なからず存在すると推測される7)

CTなどの画像診断,気管支鏡検査,切除標本の 詳細な検討をしてくことが診断には大切である.

実体顕微鏡を使用した詳細な病理学的な検討を行 い,CCAMの正しい病理学的な診断を行い,そ の上で隠れた気管支の閉鎖病変の有無を丹念に検 索することが必要と思われる.さらなる病因論の 解明やその裏付けをしていくためにも,病理医,

放射線科医,呼吸器科医,外科医が協力して嚢胞 性病変内外の気管支や血管の走行や構築との関係 を詳細に解析することが重要であると考える.

●文献

1 広部誠一,鎌形正一郎,吉田光宏,他:気管 支閉鎖症の臨床病理学的検討—特に左上区支 閉鎖と気管支分岐異常の関係について—. 小児 外科 2004;36 : 857- 862.

2 Jederlinic PJ:Congenital bronchial atresia. A report of 4 cases and a review of the literature.

Medicine 1987; 66 : 73-83.

3 Langston C : New concepts in the pathology of congenital lung malformations. Semin Pediatr Surg 2003;12 : 17-37.

4 Riedlinger WF, Vargas SO, Jennings RW, et al :  Bronchial atresia is common to extralobar

sequestration, intralobar sequestration, congenital cystic adenomatoid malformation, and lobar emphysema. Pediatr Dev Pathol 2006;9 : 361-373.

5)Kunisaki SM, Fauza DO, Nemes LP, et al : Bron-chial atresia : the hidden pathology within a spectrum of prenatally diagnosed lung masses. J Pediatr Surg 2006 41 : 61-65.

6)William HP, Aziz MM, Holly L H, et al : Course and Postnatal Management of Peripheral Bronchial Atresia : Association with Con genital Cystic Adenomatoid Malformation of the Lung. Fetal Diagn Ther 2008 ; 24 : 190-196.

7)石田治雄,初鹿野浩,林奐,他:小児肺葉内 肺分画症20例の検討—分画肺内の気管支構造 より—. 日胸外会誌 1992 ; 40 : 957-968.

全結腸型ヒルシュスプルング病における

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