第 7 章 導電率分布の再構成 40
7.4 実測値を用いた導電率分布の再構成
図7.5に単一要素の電極モデルの結果を示す.図7.6に複数要素の電極モデルの結果を 示す.真値とのRMSEは単一要素の電極モデルで、4.69 S/mで複数要素の電極モデルで
4.02 S/mとなった.実測値を用いた場合どちらの電極モデルの結果も真値と大きくずれ
てしまった.本研究のインピーダンスCTでは,再構成に用いる測定値は式2.33におけ る伝達インピーダンス,∆Z のみである.これは測定器により得られる電位および電流を もとに計算されるので,測定にかかる誤差の影響を受ける.猪瀬の研究[16]により許容 される測定誤差は1%以内までであり、それ以上の誤差が混入すると繰返し計算毎に真値 との残差が増大することがわかっている.測定誤差には接触抵抗、電圧計や電流計の測定 誤差、ファントムの寸法誤差等、様々な要因が考えられる.本研究ではこの内、接触抵抗 の影響が支配的であると考え、その値を特定の電極におけるシミュレーションでの電位分 布と実測値の平均二乗誤差を調べることで決定し、その値を全ての電極において適応した が、実際には接触抵抗は電極ごとに異なる.この誤差による蓄積が測定誤差1%を超えた ため、再構成に失敗したと考えられる.
(a) 導電率分布 (b) 断面
図7.5 単一要素の電極モデル
(a) 導電率分布 (b) 断面
図7.6 複数要素の電極モデル
第 8 章
まとめ
8.1 結論
改良前後の電極モデルでのシミュレーションにおいて、順問題プログラムが解けてい ることを確認した.また、改良後の複数要素の電極モデルでは電極領域内でも電位勾配が あることが確認できるがこれは実際の測定においても電極内の勾配は存在することから シミュレーション結果が妥当だと判断できる.導電率分布の再構成においてはシミュレー ションでは真の値と近い計算結果が得られ、良好な再構成が実行できたと思われる.実測 値を用いた再構成には失敗した.これは電極ごとに接触抵抗をかえることで改善すると考 えられる.
8.2 今後の課題
各電極毎に接触抵抗を定義し、実測値を用いた再構成での精度を上げることや、より人 体に近いモデルでの実験等が考えられる.
第 9 章
謝辞
本論文を作成するにあたり、指導教員の伊藤直史准教授から、丁寧かつ熱心なご指導を 賜りました.ここに感謝の意を表します.研究室の皆様のおかげで充実した学生生活を送 れたことに厚くお礼申し上げます.
・学会発表
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