4 端末機器と IP 通信網設備間の接続動作
4.5 SIP プロトコル適用に関する留意事項
4.5.4 サードパーティ・コールコントロールに関する SDP の適用条件について
れる諸条件に関して一部制限事項があります。RFC3264 では End-to-End でのオファー/ア ンサーに関して規定されていますが、楽コムの提供する一部のサービスでは、IP 通信網設 備が起点となり、発側・着側を制御するオファー/アンサーが存在します。この制御は、サ ードパーティ・コールコントロール(3PCC)と呼ばれており、RFC3725 においても Best Current Practice として紹介されています。
本項では、IP 通信網設備が第三者として制御するメディアセッション変更のための、
re-INVITE リクエスト(SDP 有り)/200 OK レスポンスのオファー/アンサーモデルに関する インタフェース条件の規定のみを行います。その他、以下にあるようなオファー/アンサー モデルは規定範囲外とします。
- IP 通信網設備が制御する、Initial-INVITE リクエスト(SDP 有り・無し)/200 OK レスポンス/ACK リクエスト。
- IP 通信網設備が制御する、re-INVITE リクエスト(SDP 無し)/200 OK レスポンス /ACK リクエスト。
- 端末機器同士が制御するもの。
4.5.4.1 IP 通信設備が制御するトリガ (1) 通話確立前
発側・着側の端末機器が共にオンフック状態の際に、相互の通話を確立させるために IP 通信網設備が制御を行うことがあります。
この場合、Initial-INVITE リクエストおよび re-INVITE リクエストが IP 通信網設備か ら発側・着側の端末機器に対して送信されます(複数回送信あり)。Initial-INVITE リクエ ストに関しては 4.5.5 項でも記載しているように規定範囲外とします。
本接続に関する SIP シーケンスの例を下記に示します。
図 4.34 SIP シーケンス例(1) SIP プロキシ IP 通信網設備
端末機器 B
INVITE (SDP1) 端末機器 A
INVITE (SDP2)
ACK ACK
200 OK (SDP2)
200 OK (SDP3)
INVITE (SDP3) ACK 200 OK (SDP2)
音声送受信
(2) 通話確立後
一般的な発呼により通話状態となった後に、IP 通信網設備が発側・着側の端末に対して メディアセッションの変更を行うことがあります。
この場合、re-INVITE リクエストが IP 通信網設備から発側・着側の端末機器に対して送 信されます(複数回あり)。
本接続に関する SIP シーケンスの例を下記に示します。
図 4.35 SIP シーケンス例(2) SIP プロキシ
IP 通信網設備
端末機器 C
INVITE (SDP1) 端末機器 A
200 OK (SDP2) 端末機器 B
INVITE (SDP1) 200 OK (SDP2)
ACK ACK
200 OK (SDP4) INVITE (SDP3)
INVITE (SDP4) ACK 200 OK (SDP1)
ACK 200 OK (SDP4)
INVITE (SDP1) ACK
BYE
200 OK 音声送受信
音声送受信
4.5.4.2 IP 通信網設備動作条件
(1) re-INVITE リクエスト(オファー)の SDP 生成条件
IP 通信網設備が送信するメディアセッション変更による re-INVITE リクエストに含まれ る SDP の各行に関する条件を下記に示します。表中の用語は、RFC2327(Session Description Protocol)を参照して下さい。特記事項は表中の太字下線で示します。
表 4.11 メディアセッション変更に伴う SDP 各行に関する条件
announcement Sub Field RFC3264 上の規定 IP 通信網設備の条件
「o=」行 username Initial-INVITE リクエスト から変更してはならない
Initial-INVITE リクエストから変更する可 能性がある
sess-id Initial-INVITE リクエスト から変更してはならない
Initial-INVITE リクエストから変更する可 能性がある
sess-version Initial-INVITE リクエスト から 1 インクリメントする
不定な値となる可能性がある
nettype IN 固定(*1) IN 固定 addrtype IP4 or IP6(*1) IP4 固定 addr Initial-INVITE リクエスト
から変更してはならない
Initial-INVITE リクエストから変更する可 能性がある
「c=」行 nettype IN 固定(*1) IN 固定 addrtype IP4 or IP6(*1) IP4 固定 connection-
address
Initial-INVITE リクエスト から変更してもよい
Initial-INVITE リクエストから変更する可能 性がある
「m=」行 media Initial-INVITE リクエスト から変更してもよい
audio のみ
port Initial-INVITE リクエスト から変更してもよい
Initial-INVITE リクエストから変更する可能 性がある
proto RTP/AVP にすべき(*1) RTP/AVP 固定 fmt Initial-INVITE リクエスト
から追加/削除してもよい
Initial-INVITE リクエストから追加/削除す る可能性がある(*2)
「a=」行 ・Initial-INVITE リクエス ト時に設定したペイロー ドタイプ番号とコーデッ クの組み合わせは変更し てはならない
・Initial-INVITE リクエス トから追加/削除しても よい
・Initial-INVITE リクエスト時に設定したペ イロードタイプ番号とコーデックの組み合 わせは変更しない(組み合わせは RFC3551 に準拠)
・Initial-INVITE リクエストから追加/削除 する可能性がある(*2)
*1 RFC2327 上の規定によるもの
*2 IP 通信網設備が送信する re-INVITE リクエストにおけるコーデックは G.711 固定となります
(2) re-INVITE リクエスト(オファー)に関する条件
SIP メッセージヘッダに関する IP 通信網設備側の条件を以下に示します。
- Call-ID、From-tag、To-tag は Initial-INVITE リクエストによって確立された
ダイアログと同一となる。
4.5.4.3 IP 通信網設備動作条件 (1) re-INVITE リクエスト許容判定
「表 4.11 メディアセッション変更に伴う SDP 各行に関する条件」や「(2) re-INVITE リクエスト(オファー)に関する条件」にあるような IP 通信網設備の条件に従い、端末機器 においては必要な受信許容判定を行ってください。
(2) re-INVITE リクエストに対する 200 OK レスポンス(アンサー)の生成条件
本条件は、通話接続確保に関わる重要な事項ですので端末機器の実装において必須事項 とします。
- 「c=」行の connection-address は、Initial-INVITE リクエストまたは 200 OK レ スポンス時に自ら生成したものから変更しないこと。
- 「m=」行の port、proto は、Initial-INVITE リクエストまたは 200 OK レスポン ス
時に自ら生成したものから変更しないこと。
- 「a=」行のペイロードタイプ番号とコーデックの組み合わせは、Initial-INVITE リクエストまたは 200 OK レスポンス時に自ら生成したものから変更しないこと。
4.5.5 early ダイアログ中のセッション終了方法について