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サクラサイト分野

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第2章 調査結果

第3節 サクラサイト分野

「サクラサイト」あるいは「サクラサイト商法」は、昨今の特徴的な詐欺的サイトの総 称であり、2012年以降、一般的に使われるようになった言葉である。

従来から、詐欺的なものが多いと指摘されてきたサイトに「出会い系サイト」がある。

出会い系サイトとは「インターネットを通じて、見知らぬ異性との交際を希望する情報を 多くの人が見られるように掲示し、電子メールなどでお互いに連絡を取り合えるようにす るなど『出会いの場』を提供するサイト」である8。出会い系サイトでは、多くの場合、交 際を希望する相手との電子メール交換の都度、有料のポイントを消費する仕組みになって いる。ここにサイト運営事業者のサクラと思われる人間が介在し、はじめから存在しない 異性になりすまして、サイト登録者と何度も電子メール交換を繰り返し、高額の請求をす るものが多い。また、待ち合わせの直前に出会いがキャンセルになるなど、詐欺的なサイ トは、いわば“実際には出会うことができない出会い系サイト”として運営されている。

このような詐欺的な出会い系サイトの手口には近年いくつかのバリエーションが現れて おり、異性との出会いを仲介するものだけでなく、儲けになる内職を提供する、芸能人の 悩み相談に乗って欲しい、懸賞金が当たったので受け取って欲しい、などの触れ込みで誘 引し、結果的にサイト登録者に高額の利用料請求を行うものが多くなっている。これらの サイトは、いずれもサクラと思われる相手が様々な人物になりすまして、登録者と電子メ ールのやり取りを行っていることが特徴である。

このように、「出会い系」という言い方では、昨今の詐欺的サイトの実態を表すことがで きないため、被害者弁護団などが「サクラサイト」「サクラサイト商法」という表現を用い 始め、2012年以降「出会い系サイト」に代わって、詐欺的サイトの総称として使われるよ うになった。なお、「サクラサイト」の定義について、国民生活センターは「サイト業者に 雇われたサクラが異性、タレント、社長、弁護士、占い師などのキャラクターになりすま して、消費者の様々な気持ちを利用し、サイトに誘導し、メール交換等の有料サービスを 利用させ、その度に支払いを続けさせるサイト」としている9

後述のように、PIO-NETにはサクラサイトに関連した多くの相談が寄せられており、中 には消費者トラブルというより、詐欺・犯罪と思われるものも少なくない。出会い系サイ トについては、既に法規制の網が掛けられている。2003 年 12月施行の「インターネット 異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」(いわゆる「出会い系 サイト規制法」。2008年12月改正)がそれである。この法律により、インターネット異性 紹介事業は都道府県公安委員会への届出制となるとともに、事業開始後も公安委員会の監 督を受けることが定められた。ただし、法律の正式名称が示すように、本法は18歳未満の 児童を犯罪から保護し、児童の健全な育成に資することが主な目的であり、出会い系サイ ト全般を規制するものとはなっていない(インターネット異性紹介事業自体が禁止されて

8 独立行政法人 国民生活センター「無料サイトがきっかけで出会い系サイトのトラブルに」(20086 5日・記者説明会資料)

9 同センター「詐欺的な“サクラサイト商法”にご用心!」(2012419日・報道発表資料)

いるわけではない)。

また、出会い系サイト規制法以外の関連法規としては「特定商取引に関する法律」が不 公正な勧誘行為を取り締まるほか、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(迷 惑メール規制法)が、受信者の同意を得ずに広告・宣伝の電子メールを送ることを禁止し、

電子メールによるサクラサイトへの誘引を規制している。その他「不当景品類及び不当表 示防止法」(景品表示法)、「資金決済に関する法律」等の関連法規がある。

これらの特別法に拠るまでもなく、詐欺行為は刑法によって取り締まるべきであるが、

サクラサイト運営事業者は(サクラ)の立証が困難であり、また、運営事業者の電子メー ル送信拠点が国外にある等、立件に当たっては難しい点がある。

サクラサイト関連の判例では、埼玉県内の30代女性が、出会い系サイトに登録して利用 料 544 万円を支払ったが、電子メールをやり取りした相手は会員になりすましたサクラだ ったとして、利用料の返還を求めて提訴した事案がある。この事案では、2011年8月、さ いたま地裁越谷支部は「詐欺に該当する違法なサイト運営」として、運営会社に全額支払 いを求める判決を下した。

また、2011年には、岐阜県、愛知県、広島県で、出会い系サイト運営事業者や、決済代 行業者、カード会社等を相手取り、770万円から2,000万円の損害賠償を求める訴訟が相次 いで起こっている。

このように、サクラサイトに関しては被害が高額に及ぶ例が多く、社会問題になってい る。以下では、2012年4月から2012年10月までに寄せられたサクラサイト関連の相談事

例10,985件の分析を通じて、実態を把握する。

3-1 当事者の属性

男女はほぼ同じ割合、相談の中心は 20~40 代だが、全年代・全地域に渡る

当事者の性別は、男性 50.1%、女性 49.9%と、男女がほぼ拮抗している。これは 2011 年の国民生活センターの相談件数全体の男女比とほぼ等しくなっている。

年代別に見ると、40代が26.1%で最も多く、次いで30代が26.0%と僅差で続いている。

これらに20 代の21.0%を合わせた20~40 代が相談の7割以上を占める。国勢調査、「国

セン全体(H23)」と比較すると、60代以上が7.7%と少ないことが特徴である。10代以下 の割合は「国セン全体(H23)」の2倍程度である。

図表 37 当事者属性:性別

N=10,901

49.7%

50.1%

50.3%

49.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

国セン全体(H23)

全体(N=10901)

男 女

図表 38 当事者属性:年代

相談者の居住地域は、「関東」が35.7%で最も多く、以下、「中部」19.4%、「近畿」16.3%

が続いている。この分布は国勢調査の居住地別人口分布に概ね類似した傾向である。

職業別では、「給与生活者」が58.2%で全体の半分以上を占めている。次いで「無職」の

15.7%、「家事従事者」の13.6%が続いている。国勢調査、「国セン全体(H23)」と比較す

ると、職業分布の順位は似通っているが、「給与生活者」が多く、「無職」、「家事従事者」

が少ないことが特徴である。

図表 39 当事者属性:居住地域

図表 40 当事者属性:職業

N=10,472

48.6% 17.5%

19.8%

13.6%

6.4%

5.1%

19.8%

26.4%

42.5%

58.2%

7.8%

6.3%

3.5%

9.0% 15.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

国勢調査(H22)

国セン全体(H23)

全体(N=10472)

給与生活者 自営・自由業 家事従事者 学生 無職

N=10,912

11.6% 18.4%

19.4%

16.3%

16.3%

9.0%

7.8%

11.1%

33.3%

35.7%

11.4%

9.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

国勢調査(H22)

全体(N=10912)

北海道・東北 関東 中部 近畿 中国・四国 九州・沖縄

N=10,630

18.0%

21.0%

14.3%

17.8%

26.0%

13.2%

18.3%

12.8%

14.4%

3.8%

7.3%

10.8%

11.0%

26.1% 11.9%

30.9%

34.7%

7.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

国勢調査(H22)

国セン全体(H23)

全体(N=10630)

10代以下 20代 30代 40代 50代 60代以上

3-2 相談者の当事者との関係

9 割弱が「相談者=当事者」、当事者が未成年の場合、親による相談は 36.5%

次に、相談者と当事者の関係を見る。参考のため、以下の分析ではサクラサイト関連の 相談全体だけでなく、未成年・成年別、性別の集計結果を併記することとする。なお、未 成年の相談は767件であり、相談者年齢が判明している相談全体の7.2%を占める。全体の 結果から、89.2%が相談者=当事者であり、相談者=親のものが5.5%となっている。この傾 向は成年・男性・女性でも変わらないが、当時者が未成年である場合は、相談者=親が36.5%

に増えるが、相談者=当事者も55.5%を占めており、ソーシャルゲームに比べれば親の比率 が高いが、それでも未成年自身が当事者として相談するものが半分以上となっている。

図表 41 相談者属性:相談者の当事者との関係

3-3 金額

請求金額又は支払金額は、「10 万円以上 100 万円未満」が 34.5%と最も多い

サクラサイト関連の相談事例における、請求があった金額又は支払った金額を見ると、

「10万円以上100万円未満」が34.5%で最も多い。ただ、「1万円以上10万円未満」も32.8%

と僅差である。また、10万円以上を合わせると全体の46.9%にのぼり、高額の相談の割合 が大きい。

図表 42 金額

N=7,490

12.8% 32.8% 34.5%

1.4%

6.1% 12.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(N=7490)

1,000円未満 1,000円以上5,000円未満 5,000円以上1万円未満

1万円以上10万円未満 10万円以上100万円未満 100万円以上

N=10,908

90.9%

6.6%

55.5%

92.1%

87.6%

89.2%

36.5%

4.4%

6.6%

3.1%

5.5%

1.5%

2.2%

1.9%

0.0%

1.9%

2.0%

2.7%

2.0%

2.3%

1.2%

1.0%

0.9%

1.3%

1.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(N=10908)

未成年(N=767)

成年(N=9814)

男性(N=5438)

女性(N=5409)

本人 配偶者 その他親族 友人・知人

3-4 最初の誘引媒体

電子メールによる誘引が 6 割以上で、未成年ではコミュニティサイト・ブログも多い 最初の誘引媒体は、全体で「電子メール」が 61.4%で最も多い。これは「間違いメール に返信したら、出会い系サイトに誘導された」「月に 10 万円以上の収入になるとのメール が来た」「『賞金が当たりました、受け取るためには有料ポイント購入が必要』というメー ルが来た」といったものである。

なお、ここには「身に憶えのない請求メールが来た。怖くなって振り込んだ」「メールに 返信したらサイトに登録され、入会金を請求された」等のものも含んでいる。

次いで「その他のサイト」13.1%となっているが、ここには、ゲーム、占い、音楽ダウン ロードなど、様々なサイトが該当し「占いサイトに登録したところ、大量のメールが届く ようになった」「ゲームサイトで相談に乗っていたら、有料サイトに誘導された」といった ものが挙げられる。

「コミュニティサイト・ブログ」は 12.6%であり、「SNS で知り合った異性に『こちら のサイトでやりとりしよう』と誘われた」「ゲームサイトのショートメッセージで、話し相 手になって欲しいと求められた」等のものが該当する。

未成年・成年別、性別で見ると、いずれも「電子メール」が最も多い誘引媒体であるこ とには変わりがないが、未成年の場合は、「電子メール」の割合が少なく、「コミュニティ サイト・ブログ」での誘引が23.3%と、多くなっている。女性は、「副業・内職などのサイ ト」での誘引が17.9%と、男性の0.7%より多い。

図表 43 最初の誘引媒体

N=7,374

56.9%

13.1%

20.3%

12.6%

13.3%

13.0%

48.1%

62.2%

67.1%

61.4%

10.3%

15.5%

12.0%

12.6%

23.3%

10.6%

17.9%

6.8%

10.3%

0.7%

2.5%

1.5%

2.6%

3.3%

1.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(N=7374)

未成年(N=468)

成年(N=6722)

男性(N=3203)

女性(N=4128)

電子メール コミュニティサイト・ブログ 副業・内職などのサイト

雑誌やチラシなど その他のサイト

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