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コンテンツ産業の構造変化

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1 調査の概要

1.1 調査の目的

コンテンツ産業の構造変化に主眼を置き、ブロードバンド市場におけるコンテンツ配信ビジネスの 現況と今後の動向を把握する。以って、今後のブロードバンド市場におけるコンテンツ配信ビジネス の将来性を展望することを目的とする。

1.2 本年度調査研究のポイント

平成19年度調査では、以下の2点を中心に進めた。

・ブロードバンドコンテンツ配信サービスの現況調査【調査③】

・ブロードバンドコンテンツビジネスの注目トピック調査【調査④】

1.3 調査の内容及び方法

1.3.1 ブロードバンドコンテンツ配信サービス現況調査【調査③】

ブロードバンドコンテンツ配信サービスの現況について基礎情報を収集し、整理する。

基礎情報:サービス名・運営会社・サービス開始時期・提供コンテンツ・対象ユーザー・料金体系 調査方法:文献調査

1.3.2 ブロードバンドコンテンツビジネスの注目トピックス調査【調査④】

市場への影響力や斬新さ、ブロードバンドコンテンツビジネスにおける課題を突破する可能性とい った観点から注目すべきトピックスを抽出し、これに関係する複数の事業者へのヒアリング調査を実 施する。具体的には、『YouTube』と『ニコニコ動画』の活況とビジネス化について、調査を実施した。

調査方法:ヒアリング調査

ヒアリング対象事業者名(親会社等関連事業者)

<プラットフォーマー>

YouTube(グーグルジャパン) YouTubeの運営

ニワンゴ(ドワンゴ) ニコニコ動画の運営

<ライセンスホルダー>

EMIミュージック・ジャパン YouTubeでの公式チャンネル開設 スカイパーフェクト・コミュニケーションズ YouTubeでの公式チャンネル開設

角川デジックス(角川GHD) YouTubeの動画識別実験参加/公式チャンネル開設 よしもとファンダンゴ(吉本興業) ニコニコ動画及びYouTubeでの公式チャンネル開設

1.4 調査期間

平成19年12月~平成20年3月

2 ブロードバンド配信ビジネスの全体構図

2.1 コンテンツ市場におけるブロードバンド配信市場の構成比

『デジタルコンテンツ白書2007』の市場規模データを用いて、ブロードバンド配信ビジネスの市場 構成比をコンテンツの分野別に求めた結果が下表である。

市場全体に占める配信市場の割合は年々増加している。2006年で最もシェアが大きい分野は音楽と

ゲームの11.5%、次いで図書・画像等7.6%、映像は最も少なく2.2%である。

「コンテンツ産業の市場規模データ」(『デジタルコンテンツ白書2007』)より作成

図表Ⅱ-1 市場全体におけるブロードバンド配信市場構成比の推移

図表Ⅱ-2 市場全体におけるブロードバンド配信市場構成比

0 5 10 15

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

映像

音楽

ゲーム

図書、画 像、テキスト

億円 億円 億円 億円 億円

映像全体 45,870 100.0 46,511 100.0 48,091 100.0 48,725 100.0 48,074 100.0  内 デジタルコンテンツ 3,566 7.8 4,483 9.6 5,435 11.3 6,948 14.3 7,112 14.8

  内 ネット(ブロードバンド)配信小計 305 0.7 421 0.9 487 1.0 881 1.8 1,069 2.2

    内 インターネット配信 39 0.1 147 0.3 173 0.4 292 0.6 338 0.7

    内 携帯電話配信 266 0.6 274 0.6 314 0.7 589 1.2 731 1.5

音楽全体 17,900 100.0 16,797 100.0 16,599 100.0 16,844 100.0 16,752 100.0  内 デジタルコンテンツ 7,710 43.1 7,394 44.0 7,628 46.0 7,864 46.7 7,828 46.7   内 ネット(ブロードバンド)配信小計 983 5.5 1,161 6.9 1,418 8.5 1,843 10.9 1,932 11.5

    内 インターネット配信 25 0.1 32 0.2 50 0.3 233 1.4 330 2.0

    内 携帯電話配信 958 5.4 1,129 6.7 1,368 8.2 1,610 9.6 1,602 9.6

ゲーム全体 10,346 100.0 10,474 100.0 11,042 100.0 11,776 100.0 12,959 100.0  内 デジタルコンテンツ 4,291 41.5 4,097 39.1 4,550 41.2 4,951 42.0 6,134 47.3   内 ネット(ブロードバンド)配信小計 261 2.5 399 3.8 779 7.1 1,185 10.1 1,485 11.5

    内 インターネット配信 60 0.6 129 1.2 367 3.3 596 5.1 737 5.7

    内 携帯電話配信 201 1.9 270 2.6 412 3.7 589 5.0 748 5.8

図書、画像、テキスト全体 56,303 100.0 56,128 100.0 57,260 100.0 58,731 100.0 59,861 100.0

 内 デジタルコンテンツ 4,581 8.1 5,056 9.0 5,252 9.2 5,820 9.9 6,626 11.1

  内 ネット(ブロードバンド)配信小計 2,210 3.9 2,735 4.9 3,088 5.4 3,645 6.2 4,522 7.6     内 インターネット配信 1,146 2.0 1,650 2.9 1,965 3.4 2,464 4.2 3,211 5.4

    内 携帯電話配信 1,064 1.9 1,085 1.9 1,123 2.0 1,181 2.0 1,311 2.2

2006年 2002年 2003年 2004年 2005年

次に、ブロードバンド配信がデジタルコンテンツ市場の中で占める割合を、コンテンツの分野別に 比較する。

図書・画像等はデジタルパッケージ市場が小さいことからブロードバンド配信市場の構成比が2006

年で68.2%と最も大きくなっている。同じく 2006年でみると、音楽24.7%とゲーム24.2%はほぼ同

様で、デジタルコンテンツ市場の4分の1を配信市場が占めたことになる。ここでも映像配信は構成 比が最も小さく、15.0%である。

「コンテンツ産業の市場規模データ」(『デジタルコンテンツ白書2007』)より作成

0 10 20 30 40 50 60 70 80

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

映像

音楽

ゲーム

図書、画 像、テキスト

図表Ⅱ-3 デジタルコンテンツ市場におけるブロードバンド配信市場構成比の推移

図表Ⅱ-4 デジタルコンテンツ市場におけるブロードバンド配信市場

億円 億円 億円 億円 億円

映像デジタルコンテンツ 3,566 100.0 4,483 100.0 5,435 100.0 6,948 100.0 7,112 100.0

 内 映像ネット配信小計 305 8.6 421 9.4 487 9.0 881 12.7 1,069 15.0

   内 インターネット配信 39 1.1 147 3.3 173 3.2 292 4.2 338 4.8

   内 携帯電話配信 266 7.5 274 6.1 314 5.8 589 8.5 731 10.3

音楽デジタルコンテンツ 7,710 100.0 7,394 100.0 7,628 100.0 7,864 100.0 7,828 100.0

 内 音楽ネット配信小計 983 12.7 1,161 15.7 1,418 18.6 1,843 23.4 1,932 24.7

   内 インターネット配信 25 0.3 32 0.4 50 0.7 233 3.0 330 4.2

   内 携帯電話配信 958 12.4 1,129 15.3 1,368 17.9 1,610 20.5 1,602 20.5

ゲームデジタルコンテンツ 4,291 100.0 4,097 100.0 4,550 100.0 4,951 100.0 6,134 100.0

 内 ゲームネット配信小計 261 6.1 399 9.7 779 17.1 1,185 23.9 1,485 24.2

   内 インターネット配信 60 1.4 129 3.1 367 8.1 596 12.0 737 12.0

   内 携帯電話配信 201 4.7 270 6.6 412 9.1 589 11.9 748 12.2

図書、画像、テキストデジタルコンテンツ 4,581 100.0 5,056 100.0 5,252 100.0 5,820 100.0 6,626 100.0  内 図書、画像、テキストネット配信小計 2,210 48.2 2,735 54.1 3,088 58.8 3,645 62.6 4,522 68.2    内 インターネット配信 1,146 25.0 1,650 32.6 1,965 37.4 2,464 42.3 3,211 48.5

   内 携帯電話配信 1,064 23.2 1,085 21.5 1,123 21.4 1,181 20.3 1,311 19.8

2006年 2002年 2003年 2004年 2005年

2.2 ブロードバンド配信市場の構図

ブロードバンド配信ビジネスは、主に各分野におけるコンテンツのマルチユースの一環として展開 されており、有料(課金/定額)または無料(広告モデル)による、PC または TV 向け及び携帯電 話向け配信サービスを総称するものである。

ビジネスにおけるプレイヤー(事業者)やサービス形態、コンテンツの分野、ビジネスモデル、流 通(プラットフォーム・伝送)、視聴端末などの構図を次頁に示した。

関連動向として、昨今は、ユーザー発信型のブロードバンドコンテンツに注目が集まっている。投稿・

共有型サービスの活況や、ブログ発の出版物や携帯小説、ポッドキャストやビデオポッドキャストに よる放送局的な情報発信の一般化などである。

映像配信では、アニメ作品や韓流ドラマなどが多いが、権利処理が複雑となる関係で実写の映画や TV 番組などの流通はあまり進んでいない。これが、前節で示したように他の分野に比べて市場が拡 大しにくい原因のひとつともみられている。

また、視聴端末がPC ではなくTVであれば利用が拡大するのではないかとみる向きも多い。通常 のTVを視聴しながら簡単便利に動画配信も利用できる環境が整えば、VODやPPVの映像配信が普 及するきっかけになると期待できる。例えば、2007 年にサービス開始した『アクトビラ』は、対応

TV(パナソニックとソニー製のみ)をブロードバンドに接続すれば、STB や事前の申込・登録など

の煩わしさなしでVODの動画配信サービスを利用できるものである。

また、地上波デジタル放送への完全移行を背景とした 2007 年の著作権法改正等一連の流れから、

都市部にも多い難視聴地域などではブロードバンド TV(有線役務利用放送)の利用者が拡大すると 見られている(『スカパー!光』などの方式による既存サービスに加え、2008年NGN開始によりIP マルチキャスト放送での地上波再送信が実現すると見られる)。

一方、『YouTube』や『ニコニコ動画』に代表される投稿・共有型サイトが多くのユーザーを集め、

活況を呈している(第4節で詳述する)。

音楽配信は、前節で示したように特に携帯電話向けの構成比が高いが、違法配信サイトの利用者が 増加して市場拡大を阻害しているとされる(日本レコード協会実態調査など)。

PC向けでは、定額制ダウンロードサービス『NapsterJapan』も開始したが中心は課金型サービスで ある。2005年『iTunes Store』日本上陸後の爆発的普及も記憶に新しい。

ゲーム配信市場の中心はオンラインゲームである。オンラインゲームの課金方式は、利用に対する 定額課金からアイテム課金(利用だけなら無料)へとシフトしており、他のコンテンツ分野とは異な るビジネスモデルになっている。

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