海外第3相臨床試験成績
対象患者 治療内容 肝硬変(%) SVR12(%)
ION-1 未治療
SOF/LDV, 12W (n=214) 16 99
SOF/LDV+RBV, 12W (n=217) 15 97
SOF/LDV, 24W (n=217) 15 98
SOF/LDV+RBV, 24W (n=217) 17 99
ION-2 IFNを含む 前治療再燃・無効
SOF/LDV, 12W (n=109) 20 94
SOF/LDV+RBV, 12W (n=111) 20 96
SOF/LDV, 24W (n=109) 20 99
SOF/LDV+RBV, 24W (n=111) 20 99
ION-3 未治療の 慢性肝炎
SOF/LDV, 8W (n=215) 0 94
SOF/LDV+RBV, 8W (n=216) 0 93
SOF/LDV, 12W (n=216) 0 95
4-6-2.国内臨床試験の成績(図 16)
日本国内で行われた第3相臨床試験は、20歳以上、体重40kg以上で、HCV RNAが5.0 log IU/ml 以上のゲノタイプ1のC型慢性肝炎・代償性肝硬変を対象とした143。対象症例341例のうち、初回治療 が166例、既治療が175例であり、そのうちプロテアーゼ阻害剤を含む治療歴のある症例が40例であっ た。ゲノタイプ1a型・1b型がそれぞれ3%・97%、平均年齢は59歳、肝生検あるいはFibroscan(>12.5 kPa)
で診断した肝硬変が 22%含まれていた。薬剤投与量は、ソホスブビル 400mgとレジパスビル
90mg
の固 定用量配合剤を1日1回12週間経口投与するリバビリン非併用群と、リバビリンを体重換算により600mg、800mg または1000を朝夕食後の1日2回で併用するリバビリン併用群の2群にランダム割り付けした。
全体のSVR12は99%であり、リバビリン併用なしでは100%、リバビリン併用ありでは98%であった143。初 回治療例の SVRは、リバビリン併用なしでは100%、リバビリン併用ありでは96%、既治療例の SVRはリバ ビリン併用なしで 100%、リバビリン併用ありでも 100%であった。代償性肝硬変例においても SVR は、リバ ビリン併用なしで 100%、リバビリン併用ありで 97%であった。IL28B(rs12979860)ヘテロ・マイナー型 non-CC でも SVR は、リバビリン併用なしでは 100%、リバビリン併用ありでは 98%であった。プロテアーゼ阻害 剤を含む治療歴のある症例40例では全例がSVRとなった。SVRが得られなかったのは治療早期に中止 した2例と、治療終了後に再燃した1例のみであった。再燃した1例は、リバビリン併用群に割りつけられ た未治療で肝硬変のない55歳の女性であり薬剤アドヒアレンスは良好であったが、治療終了後4週時点 で HCVRNA が再出現した。本症例では治療開始前および再燃時点で NS5Aの Y93H 変異を有してい
49
た。
本臨床試験の結果に基づき、リバビリンを併用しないソホスブビル・レジパスビル配合剤
12
週間治療 がゲノタイプ1型のC型慢性肝炎・代償性肝硬変に対して承認された。図16 ゲノタイプ1型・C型慢性肝炎・代償性肝硬変に対する ソホスブビル/レジパスビル12週併用療法の治療効果
(国内第3相臨床試験)143
【Recommendation】
ゲノタイプ
1
型のC型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するソホスブビル・レジパスビル配合剤の 12 週間治療のSVR
率は高く、国内第3
相試験では100%である。
肝硬変、
IL28B
遺伝子多型、年齢、開始時HCV RNA
量などの背景因子による治療効果の差はみられない。
4-6-3.副作用
日本国内第3相臨床試験において、副作用中止はいずれもリバビリン併用あり群の2例であり、1例は 皮疹で中止し、1例は心停止による死亡例であった144。死亡例は肝硬変で併存疾患(サルコイドーシス、
糖尿病、肺線維症)、脾摘の既往もあり、有害事象発生時にウイルス性消化管感染症を併発していた。重 篤な副作用はいずれもリバビリン併用あり群の2例であり、1例は上述の心停止による死亡例、もう1例は 急性心筋梗塞であった。
リバビリン併用なし群の副作用は 65%の症例で発現した。最も高頻度の副作用は鼻咽頭炎の 29%であ
50
り、他には頭痛が7%、全身倦怠が5%、皮膚掻痒が4%であった。
【Recommendation】
国内第
3
相試験では、リバビリン併用群において死亡例1
例を含む副作用中止が1.2%、重篤
な副作用が1.2%認められたが、
リバビリン併用のないソホスブビル・レジパスビル配合剤12 週 間治療では、副作用による投与中止例はなく、重篤な副作用もなかった。 非代償性肝硬変を対象とした臨床試験は行われておらず、安全性も確認されていないため、
非代償性肝硬変症例では投与を行うべきではない。
4-6-4.薬剤相互作用
ソホスブビルおよびレジパスビルはトランスポーター(P 糖蛋白質、乳癌耐性蛋白)の基質であるため、
腸管内で P 糖蛋白を誘導する薬剤と併用することで血漿中濃度が低下する可能性がある。したがって、
強力な P 糖蛋白質誘導作用を有するリファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ
(セント・ジョーンズ・ワート)は併用禁忌であり、リファブチン、フェノバルビタールは併用注意薬である。ま た、胃内pHが上昇するとレジパスビルの溶解性が低下し、血漿中濃度が低下するために、水酸化アルミ ニウム、水酸化マグネシウムなどの制酸剤、H2 受容体拮抗剤、プロトンポンプ阻害剤は併用注意薬であ る。一方レジパスビルの P 糖蛋白質や乳癌耐性蛋白に対する阻害作用によりジゴキシン、ロバスタチン、
テノホビルの血漿中濃度が上昇するため、これらの薬剤は併用注意薬である(資料2参照)144。
海外の市販後において、ソホスブビルと
DAA
製剤に加えてアミオダロンの併用投与により徐脈性の 不整脈をきたした9
症例が報告されている。ソホスブビル・レジパスビル配合剤が3
例、ソホスブビル・ダクラタスビル併用が
5
例、ソホスブビル・シメプレビル併用が1例であった。これらのうち7
例ではβ ブロッカーが併用されていた。6例では治療開始後24時間以内、残りの3例では2から12日以内に発 症し、1 例が心停止により死亡、3 例がペースメーカー植え込みを要した。ソホスブビル・レジパスビル配 合剤とアミオダロンとの相互作用の詳細や徐脈発現の機序は不明であるが、その併用は推奨できな い。【Recommendation】
P 糖蛋白質誘導作用を有するリファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ
(セント・ジョーンズ・ワート)は併用禁忌、リファブチン、フェノバルビタールは併用注意薬である。
制酸剤、H2 受容体拮抗剤、プロトンポンプ阻害剤はレジパスビルの血漿中濃度を低下させるた め併用注意薬である。
ジゴキシン、ロバスタチン、テノホビルは、レジパスビルの P 糖蛋白質や乳癌耐性蛋白に対する 阻害作用により血漿中濃度が上昇するため併用注意薬である。
ソホスブビル・レジパスビル配合剤とアミオダロンの併用投与により徐脈性の不整脈をきたし た症例が報告されているため、アミオダロン投与中の症例に対する投与は推奨できない。