第 3 章 横浜市の事例調査
3.2. LOCAL GOOD YOKOHAMA の事例調査
3.2.2. オープンデータ活用と提供方法
LOCAL GOOD YOKOHAMAなどのICTプラットフォームが存在しない地域コミ
ュニティの場では、各地域の自治会やNPO法人が中心となり、それぞれのテーマや 社会課題に対して、顔の見える限られた人と資源で活動を行ってきた。横浜市が2012 年に自治会・町内会向けに実施したアンケートでは、約8割の自治会が運営上の課題 として「役員のなり手が少ない」を挙げ、「会員の高齢化」も約6割と高く、自治会・
24 町内会の衰退化が進んでいる(図 14)。
(出所:平成24年横浜市自治会町内会・地区連合町内会 アンケート調査報告書より引用)
図 14 自治会町内会の運営上の課題
自治会などでは支援者や情報のネットワークに制限があるため、知識や情報共有に も限界がある。また、異なる地域で同じ課題を抱えていても、知識、ノウハウ、
Know-Who が循環しないため、知識や情報資産を有効に活用するのが困難であった
(図 15)。
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(筆者作成)
図 15 地域コミュニティの課題
地域の持続性・継続性を考慮するうえで、地域活動におけるヒト・モノ・カネ・情 報を管理する仕組みが必要である。すなわち地域を経営し、資源(人、技術、知識)
を管理、創造していく必要がある。寺谷・平塚(2015)は 「行政がやってくれる時 代は終わった。都市だからOK,田舎だからNGということはない。そこに住む住民と して、自らが主体として活動する」と述べ、「地域経営」の概念で「鳥取県智頭町」
の地域作りの場に、「社会科学」を持ち込み、「四面会議システム 6」と呼ばれる知識 創造の場をつくり、市民参加型の課題解決を実践している。
LOCAL GOOD YOKOHAMAでは、行政が持つ信頼性のあるオープンデータから
地域課題を視える化し(図 16)情報を体系化している。例えば、犯罪が発生したデ ータをイラスト化された地図に表示し、地域別の防犯課題を分かり安く具体化してい る。また、横浜市生活保護費や人員・世帯数のデータを年度推移のグラフで表示し、
就労支援の重要性を説明している。
6 KJ法やブレーンストーミングを用いて、「人」、「物」、「情報・広報」、「総合マネジ メント」の4面から企画立案を実現するための手法。
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(出所:LOCAL GOOD YOKOHAMAのHPより筆者引用)
図 16 オープンデータによる課題の視える化
課題をグラフなどで視える化をすることで、データが持つ意味に共感と納得性を持 たせている。サービス利用者(課題提供者)はプロジェクトの目的にあわせて情報を 活用し、プロジェクトにおける課題の正当性と説明責任を実現している。そして、各 プロジェクト活動状況が蓄積されていくため、実践された知識が場所や時代を越えて、
地域特有の知恵となっていく(図3-8)。
図 17 LOCAL GOOD YOKOHAMAの知のピラミッド
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