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IGESの研究活動及び研究によって得られた知見を地域に還元するとともに、地域においてIGESの研 究活動に関する理解促進を促すため、関係団体や地方自治体と連携しながら地域住民を対象とした啓 発事業等を実施した。

<主要な成果>

 「湘南国際村アカデミア」の開催(9月)(かながわ国際交流財団との共催)。

 「湘南国際村フェスティバル」(湘南国際村協会主催)への参加(5月)。

 「地球環境イベント・アジェンダの日2014」(5月)(かながわ地球環境保全推進会議主催)、神奈川 県環境学習リーダーを対象としたスキルアップ講座(7月)等、地方自治体や地域NPOが実施する 地元住民等を対象とする様々な環境啓発事業への協力。

 地元公立中学校(2校)の職場体験学習への協力(11月)など、地域の学校教育への協力。

9-2賛助会員組織の運営

地球環境問題の重要性を認識し、本機関の活動に賛同する行政、企業、教育機関、NGO・NPO、市民 等との連携・協調を図ることにより、多様な意見を研究活動に活かすとともに、本機関との架け橋として、

本機関への理解や支援の輪を広げる一助となるよう賛助会員制度を運営した。

尚2015年4月1日現在の賛助会員数は以下の通りである。

会員数

法人 17(0)

NGO 1 (0)

個人 39(-10)

学生 3(-4)

計 60 (-14)

注) ( )内は昨年度比増減数

. 特別会計事業

1.IPCC インベントリータスクフォース技術支援ユニット(TSU)

技術支援ユニット(TSU)の役割は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の国別温室効果ガスイン ベントリータスクフォース(TFI)を支援することであり、具体的には以下を狙いとしている。

 温室効果ガス(GHG)排出・吸収量を各国が算定し報告するための国際的に合意された手法、ソフト ウェアの開発及び改善

 IPCCに参加している国々及び国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国における上記手法の使 用促進

45 2014年度には、TSUは次の事業を実施した。

1-1 2013年度に公表された二つのTFI方法論報告書の普及及び翻訳

2013年10月にジョージア・バトゥーミで開催されたIPCC第37回総会において、TFIが作成した二つ の方法論報告書が承認・受容された。「2006年IPCCガイドラインについての2013年補足ガイダンス:

湿地」および、「京都議定書の実施のための2013年改訂版補足方法論と良好指針」という方法論報告書 です。2014年 2月にこれらの報告書の電子版が公表されました。2014 年度には、当報告書に関して、

以下の活動が行われた。

 2014年6月に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)科学上及び技術上の助言に関する 補助機関第40回会合や、2014年12月に開催されたUNFCCC第20回締約国会議などの様々 な機会において、方法論報告書の普及活動

 方法論報告書の印刷に関し、IPCC事務局をサポート

 方法論報告書の英語以外の5国連公用語への翻訳作業に関し、IPCC事務局をサポート

1-2 IPCCインベントリーガイドラインの技術的評価

このプロジェクトは、2006年IPCCインベントリーガイドラインが出版されて以来、科学的知見およびデー タが、それぞれのカテゴリー・温室効果ガスに関する方法論的アドバイスを精緻化または開発するために 十分に蓄積したかどうか評価することを目的としている。この評価によって、特に優先的に取り組むべき分 野や問題が特定されることを期待している。また、もう一つの目的は、能力開発プログラムへの寄与を狙 いとしてガイドライン以外のインベントリーツールの利便性の向上を図ることを含め、分野横断的な問題を 評価することである。2014年度には、下記の活動を実施した。

 2015年1月30日から2月27日にかけてオンラインでアンケート調査を実施

1-3 排出係数データベース(EFDB)

IPCCインベントリーガイドラインを補完するツールとして、国別温室効果ガスインベントリー作成に必要な 排出係数や他の各種係数について各国の専門家が自国の状況に応じた適切な値を見つけることができ るよう、データベースを改善・運営している。2014年度には次の活動を実施した。

 EFDB編集委員会による承認検討に供するための新規データの収集

 データの管理及び登録承認プロセスの維持

 EFDB編集委員会の第12回年次会合の開催(国連食糧農業機関(FAO)本部、ローマ・イタリア、

2014年11月10-12日)

 農業・森林およびその他の土地利用(AFOLU)分野のデータを対象とした第9回データ会議の開 催(FAO本部、ローマ・イタリア、2014年11月11-12日)

 第10回データ会議の開催、気候変動に取り組む新たな活動に関する専門家会議と題して、農業と 土地利用分野に関するIPCCインベントリーガイドラインとFAOデータの利用について議論するた めにFAOと国際農業開発基金(IFAD)と共同で開催(2014年11月13日~14日、FAO本部、

ローマ・イタリア)

 ユーザーへの技術支援

46 1-4 IPCCインベントリーソフトウェア

この事業は、2012年5月に公開されたIPCC インベントリーソフトウェアの改良とアップグレード、またユ ーザーへのサポートを目的とする。このソフトウェアは2006年IPCCガイドラインの手法を用いた、温室効 果ガス排出量・吸収量の計算を容易に行うためのツールである。2014年度には次の活動を実施した。

 ソフトウェアのバグ修正

 ユーザーへの技術支援

1-5 GHGインベントリーに関する国際専門家会議及び他のイベント

この事業はインベントリー関連の議題について IPCC 専門家会議を開催し、その結果をとりまとめて公表 することを目的としている。また、TFI の活動を広く普及することも狙いとしている。2014 年度には、以下 の活動を実施した。

 2006年IPCCガイドラインの他分野への適用に関する専門家会議(2014年7月1日~3日、ソフィ ア・ブルガリア)

 TFI出版物の系統的評価に関する専門家会議(2014年8月25日~27日、オタワ・カナダ.)

 EFDBとソフトウェアユーザーの意見を収集するための専門家会議(2014年10月14日~16日、

葉山・日本)

 公開シンポジウム「地球温暖化問題について考えよう!最新の科学と温室効果ガス排出量監視の取 りくみ」の開催(2015年3月16日、那覇・日本)

 EFDBとソフトウェアユーザーの意見を収集するための専門家会議(2015年3月17日~19日、沖 縄・日本)

 会議の成果の出版と普及活動

1-6 タスクフォースビューローの支援

この事業は、タスクフォースビューローがその機能を果たすために必要な支援を行うことを目的としている。

2014年度には、以下の活動を実施した。

 第26回タスクフォースビューロー(TFB)会議(2014年8月28日~29日、オタワ・カナダ)

1-7他機関との協力

この事業はインベントリー関連事項において他機関と連携することを目的としている。TSU はプレゼンテ ーションやソフトウェアを使ったトレーニングの実施、および IPCC TFI のインベントリー関連成果物を提 供することにより、国連開発計画(UNDP)、国立環境研究所(NIES)、日本国際協力機構(JICA)、緩 和と MRV に関する国際パートナーシップ、韓国の温室効果ガスインベントリー研究センター(GIR)など の他機関が実施しているインベントリーキャパシティビルディングプログラムへの貢献を継続してきた。ま た、プレゼンテーションや基調講演を行うなど、他の国際会議への貢献も行った(2014年11月5-7日に オランダ・アムステルダムで開催されたCO2以外の温室効果ガスに関する国際シンポジウム第7回会合

(NCGG7)など)。

1-8 インベントリーインターンシップ・プログラム

この事業は、IPCCの温室効果ガスインベントリーのための計算手法を知り、インベントリー関連の応用研 究を行うことを通してTSUの仕事に貢献する機会を、若手科学者に対して提供することを目的としている。

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2014年度には、2名のインターン生がこのプログラムを体験した。

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