第 9 章 主な投資インセンティブ
2. 資本市場
92
ひとくちメモ(14):現地進出企業の声② 地場の取引銀行について
ラオス最大の地場銀行はラオス外国貿易銀行(BCEL)であり、日系企業は地場の取引銀行として同行 を使うケースが多い。販売代金の日本など外国からの入金、外国への送金なども輸入インボイスを提示 すれば、特に問題なく行うことができる。
ひとくちメモ(15)街角の ATM
ラオスの都市を歩いていると、銀行 の存在に関係なく道端に電話ボックス のように ATM が設置されていることに 驚かされる。都市のみの現象かと思う と、ボロベン高原の山中のリゾートホ テルで、カードしか持たない観光客に
「どこそこまで行けば ATM があるから、
そこで現金を引き出すことができる」
と案内していた。
ATM が写真のような形で置かれてい る、ということはラオスの治安が極め て良いということの表れとみてよいで あろう。
南部パクセの街角の ATM(2013 年 12 月撮影)
2. 資本市場
93
7月に新たに設立されたLao-China Securities Co. Ltd.はラオス農業奨励銀行(41%)、中 国太平洋証券有限会社(39%)、ラオス情報産業有限会社(20%)という出資構成である。
2012年の総取引額に占める外国人投資家の割合は58%と極めて高かったが、外国人の株 式購入については規制がある。すなわち、外国人投資家が保有できる株式の上限は上場企 業によって異なっており、EDL-Generationの場合、1投資家が保有できるのは発行済み株
式数の5%を超えず、株式総額の1%を超えない範囲であり、外国人投資家全体としては株
式総額の20%を超えてはならない;BCELの場合、外国人投資家全体が投資できるのは発
行済み株式数の10%を上限とし、1投資家が購入できるのは株式総額の1%を超えてはなら ない;LWPCの場合、制限はない9。
なお、ラオス証券市場に投資している外国人は、一位が中国人、二位がタイ人、三位が ベトナム人とのことである。
図表17-2 株価指数と取引高(2013/5〜2014/5)
(出所)LSXホームページ
(2) 債券市場
満期3ヶ月〜1年の国債短期証券(T-bill)及び中央銀行債を発行しているが、債券市場 は未発達であり、主な買い手は銀行である。
2013年5月、ラオス政府はタイにおいてタイバーツ建て国債を発行した。金額は 15億 バーツ、期間3年、金利(クーポン・レート)4.5%/年である。ラオスが国際金融市場にお いて資金調達をしたのはこれが初めてのことであり、政府は今後とも資金調達の多様化を 図るため、外国での債券発行を考えている。
9 http://www.lsx.com.la/en/product/trading_equities2.jsp
株価指数出来高︵百万株︶
94
第 18 章 資金調達
1. ラオスにおける資金調達の現状
ラオスでは企業の資金調達についての規制はほとんどなく、地場銀行ないしは外資系銀 行からの現地通貨建て借入れ、外貨通貨建て(バーツとドル)借入れが可能である。
外貨口座であっても現金での引きおろしや他の口座への送金が可能であるが、引き出し 金額が 2 万ドルを超える場合は、事前に当該銀行に通知する必要がある。これは事前に資 金を準備する必要があるためであり、ラオス国内において、銀行から現地通貨ないしは外 貨を借入れるに当たっては資金に制約がある点に注意する必要がある。
地場企業によるラオス国内での資金調達は増えてきたが、外国企業の資金調達について は、担保など条件のハードルが高く、海外調達が一般的である。
海外からの資金調達は海外金融機関(タイ工場の出先である場合、タイの銀行)からの 借入れもしくは親子ローンが一般的である。借入れに際しては、ラオス中央銀行の許可を 得る必要がある(ローン契約書、送金許可書を提示)。その場合、金額の上限や使途制限な どは無く、借入れ期間、金利などは当事者間あるいは親子間で取り決めることになってい る。
図表18-1は2013年1〜8月のキープ、バーツ、ドル建ての貸出し期間別、平均貸出金利 を示している。
なお、貸出し金利は顧客を信用度に応じて 3 種類に分けて決められている。すなわち、
最も信用度の高い顧客(A)、要注意顧客(B)、債務の多い顧客(C)であり、キープ建て、
バーツ建て、ドル建てのそれぞれについて、金利は A ランクの顧客が低く、C ランクの顧 客には高くなっている。
ラオス最大の商業銀行であるBCEL(外国貿易銀行)の貸出し構成を見ると、2013年9 月末時点でAランクの顧客への貸出しが全体の95%と圧倒的な割合を占め、Bランクへの 顧客への貸出しは4.1%、C ランク以下の顧客への貸出しは 0.7%にすぎなかった。同じく 2013年9月期のBCELの通貨別の貸出し額を見ると、バーツ建てが 42.9%と最も多く、
キープ建ては42.5%、ドル建ては14.6%であった。貸出し期間別にみると、中期(1〜3年)
が最も多く54.7%と過半を占め、次いで短期(1年)が29.5%、長期(3〜5年)が15.8%
であった。
第17章で見たとおり、ラオスにおける資本市場はまだ発展の初期段階にあり、制度的に は可能であっても内外の一般企業がラオスの資本市場を利用することは稀であるといって よいだろう。
95
図表18-1 信用度に応じた顧客別平均貸出し金利(%)
(出所)ラオス中央銀行ホームページ