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第 9 章 主要投資インセンティブ

3. 道路

(2) イスタンブール近郊の道路

イスタンブール近郊では、ヨーロッパ側とアジア側を結ぶ 2 本の高速道路が整備されて いる。しかし、経済発展に伴う交通量の急増により、渋滞が慢性化している。特に、ボス ポラス海峡に設置された 2 本のボスポラス海峡大橋の拡張は容易でないため、既存高速道 路の車線拡張により、渋滞の緩和を目指すことは難しい。そこで、3つ目のボスポラス海峡 大橋を整備し、イスタンブール近郊の高速道路網をさらに拡充することが計画されている。

図表 74 イスタンブール近郊の主要道路網

(出所)トルコ道路局ウェブサイトより作成 既存の2つのボスポラス海峡大橋のうち、第1大橋はイギリスの援助により、第2大橋 については日本の援助により設置されたものである。

第2大橋は円借款の活用により、1985~88年に建設された。橋長1,510メートル、幅員 30.8メートル(8車線)の規模である。

1999年、イズミールでの大地震を経験したトルコ政府は、日本の耐震技術に注目し、将 来の地震に備えるため、イスタンブール市内の橋梁の耐震工事のために円借款を要請した。

第1ボスポラス橋、第2ボスポラス橋、新・旧ゴールデンホーン橋、の4つの橋(第1ボ スポラス橋を除き、全て日本の円借款により建設)の耐震工事が実施される予定である。

上記工事は、我が国企業である株式会社 IHI インフラシステムがトルコの有力ゼネコン であるMAKYOL社との合弁事業を組成し、トルコ共和国運輸省道路庁より受注した。IHI

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インフラシステムは、第 1 ボスポラス橋のハンガーケーブルの架け替えや、両橋への除湿 装置の設置などを担当する予定である。工期 18 ヶ月の後、2015 年に完成が目指されてい る40

写真 11 ボスポラス海峡大橋(第二大橋)と渋滞

40 IHIインフラシステム プレスリリース

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ひとくちメモ 13 イズミット大橋建設、第1・第2ボスポラス橋補修工事

IHI インフラシステムでは、橋梁を中心に、ODAプロジェクトにて BOTによる建設プ ロジェクトを受注してきた。主な実績としては、ゴールデン・ホーン橋プロジェジェクト

(1971年)、第二ボスポラス大橋建設(1985年)、ゴールデン・ホーン拡幅工事(1994年)、 イスタンブール市内における橋梁耐震工事(2006年)などがあげられる。

2011年には、地場有力ゼネコンであるNurol社をはじめ、トルコとイタリアの建設業者 6社から構成されるNOMAYG JVとの「イズミッ

トワン横断橋建設工事」に係るEPC契約を締結し た。IHIインフラシステムは、イズミット大橋の吊 橋部の上下部工の設計、下部工の施工、上部工製作、

架設一式を請負っている。

イズミット大橋は、2,907mの世界有数の吊橋と してBOT方式で建設される予定である。イスタン ブールとイズミールを結ぶ420kmの高速道路の一 部として位置づけられ、現在車で1時間程度を要す るゲブゼ―ヤロワ間を6分で結ぶ機能を持つ。大橋 と高速道路が開通すれば、トルコ北西部から西部地 域への物流網の改善が期待される。

また、2013年にはトルコの有力ゼネコンであるMAKYOL社とのJVで、トルコ共和国 運輸省道路庁より「第 1・第 2 ボスポラス橋補修工事」を受注した。契約金額は、約 247 百万トルコリラ(約125億円)で、IHI インフラシステムは、第 1 ボスポラス橋のハン ガーケーブルの架け替えや、両橋への除湿装置の設置などを担当する予定である。工期18 ヶ月で、2015年に完成が見込まれている。

背景となったのは、1999年のKocaeli地震であり、地震後にマルマラ海側でも同規模の 地震が発生する確率が高いことが判明したことにある。そこで、本工事では橋桁のワイヤ ーを張る方式の変更など、構造変更を伴う大規模な工事であり、改めて耐震性能の担保が 求められている。

工法上の特徴としては、防錆目的の除湿システムの設置があげられる。橋桁は塗装し直 すことで錆を防止できるが、ケーブルは交換できない。このため、ケーブルの錆を現状以 上に進展させないことが目的である。

このような橋梁整備により、イスタンブール―地方都市間やイスタンブールにおけるヨ ーロッパ側―アジア側間の道路インフラは改善されていくことが期待される。

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4. 港湾

トルコにおける港湾の運営主体は国営企業と地方自治体、民間企業に分類されるが、主 要港湾は国営企業であるトルコ国営鉄道により経営がなされてきた。近年では、いくつか の港湾は民営化が進んでおり、将来的には全て民営化される予定である。既存港湾のうち、

地方自治体により経営されてきた港湾は比較的小規模なものが多く、隣接市町村の地元ニ ーズに応えることが主たる目的である。また民間経営の港湾については、生産拠点発着の 産業関連産品に特化した形で経営がなされていることもある。

トルコにおける港湾の問題点としては、多くの港湾が鉄道輸送網との接続を持たないこ とがあげられる。鉄道との接続を持つのは、Limak 港、Mersin 港、Izmir 港、Nemport 港、Samsun港、TTK Zonguldak港、Derince港、Evyap港、Haydarpasa港、Bandirma

港、Tekirdag港Yilport Yarimca港に留まっている。

さらに、老朽化とキャパシティ不足にも懸念がなされている。港湾設備の更新と拡充を 図るために民営化が行われている。例えば、オーストラリアの業者が受注し、欧州復興開

発銀行が 8,000 万ドルの融資を行った事例もある。将来的には港湾隣接の鉄道駅も設置す

るなど、海運から鉄道への物流の連携を強化する予定もある。

図表 75 トルコの港湾立地状況

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(出所)Sea Rates.comウェブサイトより作成 写真 12 ボスポラス海峡と航行船舶

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