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イベントスタディの結果

ドキュメント内 専 門 職 学 位 論 文 (ページ 65-69)

第 7 章 買収防衛策導入に対する株式市場の評価

第 5 節 イベントスタディの結果

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② 平均CARのt値(検定統計量)

平均CARのt値(検定統計量)は、下記の式で算出する。

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2005 年から本格導入された買収防衛策を導入に関して市場は既に織込み済みで投資 活動を行っているため、株価に有意に反応していないことである。

(図8 2008年買収防衛策リリース企業のARとCAR)

検定期間データ

買収防衛策リリース企業のARとCAR ***1%、**5%、*10%

平均 / AR   t値(AR) 平均 / CAR   t値(CAR)

-10 0.101% 0.5681 -9 -0.044% -0.2457 -8 -0.173% -0.9758 -7 -0.275% -1.5511 -6 0.041% 0.2315 -5 0.228% 1.2861 -4 0.255% 1.4372 -3 0.082% 0.4616 -2 0.340% 1.9119 * -1 0.313% 1.7597 *

0 0.236% 1.3261 0.236% 1.3261

1 0.038% 0.2136 0.273% 1.0888

2 0.169% 0.9491 0.442% 1.4369

3 -0.337% -1.8973 * 0.105% 0.2958

4 0.011% 0.0623 0.116% 0.2924

5 -0.127% -0.7141 -0.011% -0.0246

6 -0.228% -1.2829 -0.239% -0.5077

7 -0.112% -0.6299 -0.350% -0.6976

8 0.122% 0.6867 -0.228% -0.4288

9 -0.180% -1.0113 -0.408% -0.7266

10 0.095% 0.5325 -0.313% -0.5322

全サンプル:平均ARと平均CAR

-0.5000%

-0.4000%

-0.3000%

-0.2000%

-0.1000%

0.0000%

0.1000%

0.2000%

0.3000%

0.4000%

0.5000%

-10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

平均 / AR 平均 / CAR

次に、イベントスタディのサンプルから決算発表と買収防衛策の導入を同時にリリ ースした企業と買収防衛策の導入のニュースのみを単独でリリースした企業に分けて

67 上記と同様の実証分析を行った。

その結果は、下記図 9 の通りとなった。決算発表と買収防衛策の導入を同時にリリ ースした企業のCARは、イベント日以降2営業日目まで有意にプラスとなった。一方、

買収防衛策の導入を単独のニュースとしてリリースした企業のCARは、マイナスで推 移している。このことから、決算発表というイベントのプラスと買収防衛策のマイナ スが打ち消しあうものの、イベントとしての影響力は決算発表の方が大きいというこ とが読み取れる。

買収防衛策の導入を単独のニュースとしてリリースを行った企業だけに絞り込むこ とで、サンプル数は 246社から124社となった。

単独リリース企業の超過収益率を分析した結果、買収防衛策導入リリース日の超過 収益率は-0.025%となり、t値は-0.1183となり有意ではないもののマイナスとなっ た。また、3営業日後に-0.483%となりt値は-2.2731となり5%で有意となった。

さらに、累積超過収益率はイベント日以降全体としてマイナス基調となった。さら に、4営業日から 9営業日までのマイナスは、統計的にも有意なものであった。

これは、買収防衛策の影響と言えるだろうか。そもそも 4 営業日から 9営業日とい うのは、土日も考慮すると 4 日間~2 週間弱経過している可能性がある。さらに、各 企業のIRサイトや適時開示情報を確認したところ、買収防衛策を導入してから2週間 程度の間に、自社株買いの開示や、決算の訂正、業績下方修正など様々なイベントが 出てきてしまうことが分かった。そのため、本稿では、4営業日から9営業日のCAR を用いることは買収防衛策の影響について正しく株式市場の評価を見ることができな くなると判断した。

以上の結果からも、本稿では、Abagail McWilliams and Donald Siegel(1997)のイ ベントスタディのやり方にも従い、最も他のイベントの影響を受ける可能性が低いと 考えられるイベント日(0日)のCARを用いて株式市場の評価を判断していくことに する。

導入日の CARがマイナスであるものの有意という結果とならず、この結果により、

買収防衛策の導入で株価は全体としてネガティブに反応する傾向にあるが、統計的に 有意でないことから、「株式市場は、企業の買収防衛策の導入に関して必ずしもマイナ スの評価をしているとは言い切れない」という結果となった。

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(図9 買収防衛策単独リリースと決算発表と同時リリースのARとCARの違い)

買収防衛策単独リリース 決算発表と同時リリース

AR t値(AR) CAR t値(CAR) AR t値(AR) CAR t値(CAR)

-10 0.156% 0.7331 -10 0.042% 0.1624

-9 -0.186% -0.8760 -9 0.109% 0.4193

-8 -0.183% -0.8612 -8 -0.163% -0.6275

-7 -0.121% -0.5675 -7 -0.441% -1.6993*

-6 0.354% 1.6677 * -6 -0.294% -1.1328

-5 0.357% 1.6783 * -5 0.091% 0.3512

-4 0.310% 1.4608 -4 0.196% 0.7556

-3 -0.057% -0.2667 -3 0.230% 0.8872

-2 0.700% 3.2933 *** -2 -0.046% -0.1770

-1 0.497% 2.3405 ** -1 0.115% 0.4419

0 -0.025% -0.1183 -0.025% -0.1183 0 0.515% 1.9814 ** 0.515% 1.9814 **

1 -0.094% -0.4404 -0.119% -0.3950 1 0.179% 0.6882 0.693% 1.8877 * 2 0.117% 0.5512 -0.002% -0.0043 2 0.224% 0.8612 0.917% 2.0385 **

3 -0.483% -2.2731** -0.485% -1.1403 3 -0.181% -0.6958 0.736% 1.4175 4 -0.316% -1.4876 -0.801% -1.6852* 4 0.361% 1.3911 1.097% 1.8900 * 5 -0.171% -0.8027 -0.971% -1.8661* 5 -0.080% -0.3081 1.017% 1.5995 6 -0.195% -0.9163 -1.166% -2.0740** 6 -0.263% -1.0140 0.754% 1.0976 7 -0.184% -0.8644 -1.350% -2.2456** 7 -0.035% -0.1348 0.719% 0.9790 8 0.032% 0.1523 -1.317% -2.0665** 8 0.218% 0.8390 0.937% 1.2027 9 -0.187% -0.8787 -1.504% -2.2383** 9 -0.172% -0.6625 0.765% 0.9315 10 0.467% 2.2001 ** -1.036% -1.4707 10 -0.305% -1.1729 0.460% 0.5345

買収防衛策導入企業のARとCAR (2008年単独リリース)

-2.0000%

-1.5000%

-1.0000%

-0.5000%

0.0000%

0.5000%

1.0000%

-10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

超過収益率

平均 / AR 平均 / CAR

(図10 CARがマイナスとなった企業とプラスになった企業の内訳)

CARのマイナスとプラスの分布状況

CAR'+0日) CAR'+5日) CAR'+9日)

マイナス 64 72 71

プラス 60 52 53

全体 124 124 124

マイナス 51.6% 58.1% 57.3%

プラス 48.4% 48.4% 48.4%

全体 100.0% 100.0% 100.0%

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