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II-1. 回答企業の概要 II-2. 回答監査人の概要 II-3. 回答アナリストの概要

III. アンケート調査結果の検討

III-1. 企業による回答の概要 III-2. アナリストによる回答の概要 III-3. 監査人による回答の概要

IV. おわりに

I. はじめに

2008年4月1日以降開始事業年度よりわが国上場企業に対して義務付けられた四半期報告制度では、

金融商品取引法第193条の2第1項に基づき、公認会計士または監査法人(以下、監査人)による監 査証明を受けた四半期連結財務諸表を含む四半期報告書の提出が要求される。この場合の監査証明は、

四半期レビューと称され、その報告書の提出が全ての上場会社に法令によって義務付けられているの はわが国だけである。

確かに金融商品取引法(以下、金商法)が指向する、信頼性の高い企業内容開示制度の整備・充実 によって投資者の保護を図ることは、資本主義経済社会において極めて重要である。特に、アカロフ のレモン市場を引証するまでもなく、保証のない信頼性の不明な情報の開示は、意思決定者を誤導し 損害を与える可能性があるだけでなく、結果的には証券市場そのものの存在を脅かすことにもなりか ねない、という点からすると、全ての上場企業の四半期財務諸表に保証としての四半期レビュー報告 書が添付されることは、非常に目的適合的であると解される。

しかしここで重要な点は、この四半期報告制度をめぐる当事者が、四半期財務諸表を中心とする意 思決定情報の信頼性の程度が、年度監査とは異なっているということを理解しているかどうか、とい う点にある。

本稿では、わが国において(1)四半期財務諸表を作成している上場企業、(2)当該財務諸表に対して監 査証明を付与する監査人、ならびに(3)当該証明済み財務諸表を利用する利用者(アナリスト)、という 3当事者が、年度監査による監査証明と四半期レビューによる監査証明の相違を識別して、情報を作成 し、証明し、利用しているのか、について明らかにした上で、もし当該識別が適切になされていない、

或いは期待されたとおりの行動が取られていないのであれば、その原因を探ることを目的にしている。

具体的には、アンケート調査の手法を用い、

(1) 企業側に対しては、どの程度の手間と時間による経済的コストをかけているのか、

(2) 監査人の側では、何時間、どのようなレビューの手続を、誰が、実際には実施しているのか、ま た

(3) 利用者は四半期レビュー報告書の「適度な保証(moderate level)」を把握し、意思決定情報として どのように利用しているのか、

というそれぞれの当事者の意識と行動を明らかにすることで、監査証明に係る基準の改訂を含む四半 期報告制度のあり方に対して提言を行なうことを目的とする。

II. アンケート調査の内容

調査対象は、2010年3月31日決算の一部、二部、マザーズ上場企業2,599社、日本公認会計士協会 の上場会社監査事務所として登録された監査事務所の203事務所、ならびに指定格付け機関5社と2010 年9月30日時点における証券投資顧問業協会会員106社の計111社とした。これら3つの市場参加者 に対して、企業向け調査票、監査人向け調査票、アナリスト向け調査票を作成し、2010年11月1日か ら12月6日にかけて郵送調査を行なった。

その結果、回答数は、企業が923社(回収率35.5%)、監査人が77事務所(同37.9%)、アナリスト が13社(同11.7%)であった。

各調査対象から得られた回答の概要は、以下の通りである。

II-1. 回答企業の概要

[フェイスシート]より挿入

[図表1]企業の属性

パネル1-A: 主たる業種

パネル1-B: 会社の規模

パネル1-C: 子会社の数

[図表2]担当監査人

[図表3]回答者の所属部署

II-2. 回答監査人の概要

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[図表4]監査事務所の属性

パネル4-A: 監査事務所の形態

パネル4-B: 所属公認会計士数

パネル4-C: 担当上場企業数

パネル4-D: 海外ネットワークとの提携関係

[図表5]回答者の属性 パネル5-A: 資格 パネル5-B: 職位

II-3. 回答アナリストの概要

[フェイスシート]より挿入

[図表6]主たる担当業種

[図表7]常時モニター企業数

[図表8]アナリストとしての経験年数

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