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アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩(Alkyldiaminoethylglycine Hydrochloride) · 124

ドキュメント内 ‘ÁfiÅ…}…j…–…A…‰2011.pdf (ページ 138-143)

毒 性

(単位:mg/kg)

LD50 ラット 経 口 3000~4000 マウス 経 口 11500

致死量

ヒト経口推定致死量 3g/kg

副作用 <接触皮膚炎>

① 0.1%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩によるパッチテストでは、陽性率は 2.3%であった。

② 34 歳、女性。毎日数回 0.5%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩にて両手を消毒していた。使 用約 10 日後より両手、両前腕、顔が赤く腫れあがり、かゆみが出て来た。

③ 医療用具の消毒、室内の清掃を行っていた看護助手(4 例)が、両前腕、両手背、両手指に掻痒性 皮疹、小水疱、紅斑の混在する局面を生じた。

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④ 63 歳、男性(病院薬剤師)。大量の 30%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩を 10%に希釈す る作業を週 2 回行っていた。両上肢・顔面・頸部に皮膚炎症状を認めたため、一時休業の上加療し た結果、10 日後ほとんど治癒した。治癒後再び同じ作業を行ったところ上肢・顔面・頸部に皮膚炎 が再発した。

<麻酔器具に残存していた薬液による化学性髄膜炎>

① 24 歳、女性。子宮頚管縫縮術において、脊椎麻酔施行 1.5 時間後より嘔吐、頭痛が出現し、さらに 施行 12 時間後に便失禁、傾眠傾向、項部硬直及びびまん性の脳浮腫が認められた。麻酔に使用する ガラスシリンジよりアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩が微量ながら検出され、残留消毒剤に よる化学性髄膜炎と推定された。

② 30 歳、女性。子宮内容除去術で脊椎麻酔を施行した。帰室 2 時間後より嘔気、頭痛、軽度の発熱と 悪感が出現し、化学性髄膜炎と診断。ガラスシリンジからは 0.2%アルキルジアミノエチルグリシ ン塩酸塩が定性的に検出された。

中毒症状 <経口の場合>

消化管の刺激症状を現す可能性がある (悪心、嘔吐、腹痛、下痢など)

<眼に付着した場合>

結膜炎

処置法

ベンザルコニウム塩化物と同様

15.クロルヘキシジングルコン酸塩(Chlorhexidine Gluconate)

毒 性

(単位:mg/kg)

LD50 マウス

静 脈 12.9 経 口 1260 皮 下 1140 ラット

静 脈 24.2 経 口 2000 皮 下 3320

ヒトでの経口毒性は低い。

急性毒性:

海溟の右耳に鼓膜穿刺にて 1%クロルヘキシジングルコン酸塩約 0.2mL を注入し、中耳腔粘膜は 24 時 間後にすでに浮腫状を呈した。

126 亜急性・慢性毒性:

ラットによる亜急性毒性試験(3 ヶ月間経口投与)及び慢性毒性試験(2 年間経口投与)では、腹部リ ンパ節の巨大細胞の増加が見られたが、その他の変化は見られなかった。

副作用 <ショック>

粘膜(膀胱、膣、口腔など)や創傷部位に使用して、まれにショック症状(蒼白、胸内苦悶、血圧低 下、呼吸抑制、不快感、口内異常感、ぜん鳴、めまい、便意、耳鳴りなど)を起こすことがある。

① 71 歳、女性。左下肢骨接合術時に創部を 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールで消毒 した直後、著明な気道内圧の上昇、血圧低下及びほぼ全身に紅斑が出現するなどのアナフィラキシ ーショックを起こした。

② 58 歳、男性。腰椎麻酔後、膝蓋腱断裂創周囲をクロルヘキシジングルコン酸塩で消毒後、生理食塩 水で洗浄したところ、約 5 分後にアナフィラキシーショックを認めた。

③ 36 歳、男性。顎洞炎に対する洞開窓術施行時に 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩を用いて口腔 内を消毒し、約 10 分後にアナフィラキシーショックをきたした。

④ 67 歳、男性。人工血管置換術のため 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールを用いて皮 膚消毒を行い、中心静脈カテーテルの挿入、留置を行なった。カテーテル固定中にアナフィラキシ ーショックを起こし、血圧低下、頻脈、体幹に不規則な紅斑を認めた。

⑤ 36 歳、男性。0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩で口腔内を消毒した直後、血圧低下、頻脈、膨 疹などのアナフィラキシーショック症状が出現した。

⑥ 下肢骨折手術に際して麻酔導入後の牽引具刺入部を含む皮膚消毒に 4%クロルヘキシジングルコン 酸塩を用いたことにより、アナフィラキシーショックをきたした。

⑦ 66 歳、男性。皮膚消毒に用いた 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールが内頸静脈穿刺 時に血管内に入ったことによると推測される、アナフィラキシーショックによる心室細動をきたし た。

⑧ 62 歳、男性。全身麻酔終了時に、0.1%クロルヘキシジングルコン酸塩で皮膚消毒したことにより、

アナフィラキシーショックを起こした。

⑨ 24 歳、男性。手術創部の消毒に 0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩を長期反復連用したことに より、アナフィラキシー反応を起こした。

⑩ 19 歳、男性。脊椎麻酔後、創洗浄に用いた 4%クロルヘキシジングルコン酸塩によりアナフィラキ シーショックを起こした。

⑪ 59 歳、男性。星状神経節ブロック施行の際に 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールに よるアナフィラキシー様反応を起こした。

⑫ 21 歳、男性。全身麻酔中、顔面皮膚及び口腔内を 0.1%クロルヘキシジングルコン酸塩で消毒、そ の 5 分後より徐々に血圧が低下、手掌に紅斑を認めた。

⑬ 36 歳、女性。血管造影に際し、局所麻酔薬の容器に混入していたクロルヘキシジングルコン酸塩に より、アナフィラキシーショックを起こした。

⑭ 72 歳、女性。硬膜外麻酔中に、0.02%クロルヘキシジングルコン酸塩で膣洗浄を行った。その 5 分 後に血圧低下と徐脈を生じ、嘔気を訴え、眼瞼充血、全身発赤浮腫状を認めた。

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⑮ 25 歳、男性。外科的処置施行後、0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩にて口腔内を洗浄した直後、

胸内苦悶と不快感を訴えた。また顔面に浮腫、蕁麻疹、口唇にチアノーゼなどを認めた。

⑯ 24 歳、男性。左肘関節擦過症にて受診し、クロルヘキシジングルコン酸塩で消毒。10 分後左眼瞼 の痒み、熱感、結膜の充血、全身に地図状の蕁麻疹、咳、呼吸困難出現。

⑰ 53 歳、男性。下顎骨部分切除術の術前口腔内消毒として、0.1%クロルヘキシジングルコン酸塩を 綿球に浸し、数回消毒。5 分後、血圧低下と脈拍数増加、全身皮膚に発赤及び浮腫を認めた。

⑱ 30 歳、女性。腫瘤摘出術後、閉創前に 0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩で創面消毒。20~30 秒後に心拍数低下に気づき、血圧低下、呼吸停止、紅斑などのアナフィラキシーショックを起こし た。

⑲ 61 歳、女性。術前に 0.4%に希釈したクロルヘキシジングルコン酸塩・スクラブでブラッシングを 行った。約 2 分後に急激な血圧低下、その 5 分後より全身に発赤及び膨疹がみられるアナフィラキ シーショックを起こした。

⑳ 56 歳、女性。左乳癌に対し乳房温存術、閉創前に 0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩で創面消 毒。5 分後に血圧低下、上肢の発赤がみられるアナフィラキシーショックを起こした。

<接触皮膚炎>

発疹、発赤、蕁麻疹などの過敏症状の出現が報告されている。

① 25 歳、女性。クロルヘキシジングルコン酸塩によるうがいを実施したところ、約 10 分後に全身に 膨疹が出現した。

② 66 歳、男性。両鼠径部の皮疹及び併発した感染症の治療にクロルヘキシジングルコン酸塩を使用し たところ、皮疹は増悪し、疼痛も出現した。

③ 57 歳、女性。硬膜外麻酔の術野を 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールで消毒したと ころ、掻痒を伴う発赤、膨疹などの皮膚症状を呈した。

④ 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールの接触部位に圧力が加わり、皮膚刺激が増強さ れた結果、皮膚潰瘍を生じた。

⑤ 50 歳、男性。点滴の際の消毒にクロルヘキシジングルコン酸塩を使用。両側前腕の点滴部位に一致 して掻痒性紅斑が出現。

⑥ 60 歳、男性。背部のチューブ挿入部位の消毒に 0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩・エタノール を使用。挿入部位の周囲に掻痒のある紅斑を生じた。

⑦ 53 歳、男性。左耳介の虫刺症のためクロルヘキシジングルコン酸塩にて消毒後、接触皮膚炎を生じ た。

⑧ 19 歳、女性。約 1.7%クロルヘキシジングルコン酸塩を使用して手洗いをしたところ、20 分後より、

前腕から手背にかけて掻痒を伴う発赤(膨疹)が出現した。

<角膜障害>

高濃度溶液が眼に入ると、重篤な角膜障害が生じる。

① 66 歳、女性。眼瞼腫瘤切除術の際誤って 20%クロルヘキシジングルコン酸塩を使用。激しい疼痛 を訴え、結膜浮腫、角膜混濁、角膜中央部のびらんがみられた。視力は 0.1 であった。大量の生理 食塩水により洗眼を実施。2 週間経過後、角膜は透明に、視力は 1.0 まで回復した。

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② 眼科処置時、誤用により角膜化学腐蝕をきたした。3 例が高濃度クロルヘキシジングルコン酸塩、1 例がクロルヘキシジングルコン酸塩・エタノールであった。

③ 59 歳、男性。右白内障手術を施行。術前処置の際に、誤って 1%クロルヘキシジングルコン酸塩が 結膜嚢内に入り、角膜障害を起こした。

④ ディスペンサー容器を眼の高さに置いていて、飛散した 4%クロルヘキシジングルコン酸塩・スク ラブが眼に入り、角膜障害が生じた。

⑤ 60歳、男性。圧平式眼圧測定の際に角膜上皮剝離を生じた。眼圧計は、0.1%クロルヘキシジングル コン酸塩・含浸綿で清拭消毒したものを使用。

<誤飲例>

80 歳、女性。5%クロルヘキシジングルコン酸塩約 200mL を服用した。強制嘔吐及び胃洗浄を行なった が、その後誤嚥性肺炎による ARDS を認めアシドーシスが進行、血圧は低下し服用から約 12 時間後に死 亡した。

中毒症状

・通常の誤飲程度では、ほとんど中毒症状は現れない

・大量服用時には悪心、嘔吐、腹痛、下痢が発現すると思われる(咽頭浮腫、食道壊死の報告あり) ・局所への作用(脳、脊髄、内耳、中耳への使用は、難聴・神経障害を起こす)

・誤って静注した場合は溶血を起こし危険である

・誤って浣腸した場合は大腸炎、大腸潰瘍形成の報告あり

・膀胱洗浄時、高濃度のものを用いて血尿、膣消毒後にショック

処置法 <経口の場合>

少量であれば処置不要(経過観察のみ)

① 水、牛乳を与える

② 胃洗浄(腐蝕作用があるので催吐させない)

③ 下剤投与

硫酸マグネシウム(30g → 水 200mL)又は、マグコロール®P(50g → 水 200mL)

④ 輸液投与(肝保護剤を加える)

⑤ 呼吸管理(気道確保、酸素吸入など)

⑥ 対症療法

ショックに輸液、アドレナリン 0.2~0.5mg静注

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