Q.: ショック以外に財産集中の長期水準を決めるものは?
3. アメリカでの格差
• アメリカでの格差 = ヨーロッパとはちがう構造。ある意味では もっと平等主義、ある面ではもっと不平等
• 19 世紀の新世界 : 機会の国 ( 過去の蓄積資本はヨーロッパに 比べてはるかに無意味 ; 永続的な人口増で、相続財産の水 準は低下し、富の集中も下がった ) … そしてまた、奴隷制の国
• 米国北部は多くの点で旧ヨーロッパよりずっと平等主義だが、
米国南部はヨーロッパより不平等
• 今日でも、米国と格差の関係は相変わらず曖昧:ある意味で は能力主義が強く、ある意味では暴力性が強い ( 監獄 )
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0%
100%
200%
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400%
500%
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800%
1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010
国民資本の価値
(国民所得の
%)1700
年のフランスでは国民資本は国民所得
7年分近く(うち外国投資が
1年分)。
出所と時系列データ:
http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
図 3.2 フランスの資本、 1700-2010
純外国資本 その他国内資本 住宅
農地
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800%
1770 1810 1850 1880 1910 1920 1930 1950 1970 1990 2010
国民資本の価値
(国民所得の
%)1770 年の米国では、国民資本は国民所得3 年分だった(うち1.5 年分は農地)。出所と時系列データ:
http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 4.6 米国の資本、 1770-2010
純外国資本 その他国内資本 住宅
農地
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800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
国民資本と外国資本の価値 (国民所得の %)
国民資本(民間と公共)は1910 年のヨーロッパでは国民所得6.5 年分、米国では4.5年分。出所と時系列データ:
http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 5.2 ヨーロッパと米国の国民資本、 1870-2010
米国
ヨーロッパ
純外国資本 国民資本
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300%
400%
500%
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800%
1770 1810 1850 1880 1910 1920 1930 1950 1970 1990 2010
資本の価値
(国民所得の
%)奴隷の市場価値は1770 年頃には米国国民所得の1.5 年分ほど (土地とほとんど同じ)。出所と時系列データ:
http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 4.10 米国の資本と奴隷制
純外国資本 その他国内資本 住宅
奴隷 農地
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600%
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800%
イギリス フランス 米国 (南部) 米国 (北部)
資本の価値
(国民所得の
%)米国南部の農地と奴隷をあわせた価値は、1710-1810 年あたりでは国民所得4 年分を上回った。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 4.11 1770-1810 年頃の資本:旧世界と新世界
その他国内資本 住宅
奴隷 農地
37
• 米国の所得分布は、 20 世紀の後期になると ヨーロッパより不平等になり、現在では第一 次大戦前のヨーロッパ並の不平等
• でも格差の構造はちがう。 2013 年米国は、富 の格差は 1913 年ヨーロッパより小さいが、労 働所得の格差は大きい
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1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
20 世紀半ばまで、米国よりもヨーロッパのほうが富の格差は大きかった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 10.6. ヨーロッパと米国における富の格差の比較 1810-2010
トップ10%の財産シェア: ヨーロッパ トップ10%の財産シェア: 米国
トップ1%の財産シェア: ヨーロッパ トップ1%の財産シェア: 米国
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1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ十分位のシェア
トップ十分位が総所得に占めるシェアは、1970 年代には35 %だったのが、2000 年代 から2010 年代にかけて50 % 近くまで上昇した。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 8.5. 米国の所得格差、 1870-2010
トップ10分位が総所得に占めるシェア
(キャピタルゲイン含む) キャピタルゲイン除く
40
25%
30%
35%
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45%
50%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ十分位の総所得シェア
トップ十分位のシェアは1900-1910 年にはアメリカよりもヨーロッパのほうが高かった。2000-2010 年にはアメリ カのほうがずっと高い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図
9.8.ヨーロッパとアメリカにおける所得格差
1910-2010米国 ヨーロッパ
41
• 米国では、このほうが能力主義的だとされる : トップの労働所 得上昇は、相続財産なしでも金持ちになれるということだか ら (≈ ナポレオンの官選知事のように )
• Pb = これは所得トップでも相続トップでもない人には最悪の
世界かも。貧乏で、しかもクズ扱いで無価値扱い ( アンシャン レジームは、少なくともだれも公平だとは言わなかった )
• トップ重役報酬の上昇が能力や生産性と関係あるとは考え にくい : 最高税率の激減と CEO 交渉力増大のほうが納得でき る説明、また格差をめぐるアメリカの社会規範は混沌
米国の労働所得格差の高さは、教育投資の格差が高いせ いかも ; でもトップ重役報酬の激増の反映でもある。これは教
育や生産性に基づく議論だけでは説明不可能
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1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
最高所得者に適用される限界税率
所得税の最高限界税率(最高の所得に適用されるもの)は、アメリカでは1980 年に70パーセントだったのが、
1988 年には28 パーセントまで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図14.1 最高所得税率1900 - 2013
米国 イギリス ドイツ フランス
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10%
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1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
最高の相続財産に適用されるトップ限界税率
所得税の最高限界相続税率(最高の相続財産に適用されるもの)は、アメリカでは1980年に70 パーセントだったの が、1988 年には35 パーセントまで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。