• 検索結果がありません。

アウトバウンド(発地側)事情調査

訪日外客数の国別推移(再掲)

東日本大震災等の影響で2011年に大きく落ち込んだ訪日客数は、2012年に入って震災前の2010年とほぼ同じ水準まで回復。

過去10年弱の間の最大の特徴は、中国人訪日客数の増加。これに伴い、上位3地域(韓国・中国・台湾)のシェアは52%から59%へ拡大、日本の インバウンド観光における最重要マーケットとして位置付けられる。

欧米各国の伸び悩みに対して、アジア諸国からの訪日客数は概ね増加。中でも

2012

年に入って最高値を記録したタイ、インドネシアは、今後の成 長ポテンシャルの点でも注目に値する。

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年

推計値 2003年 2012年

推計値

韓国 1,459 1,588 1,747 2,117 2,601 2,382 1,587 2,440 1,658 2,044 28.0 24.4

中国 449 616 653 812 942 1,000 1,006 1,413 1,043 1,430 8.6 17.1

台湾 785 1,081 1,275 1,309 1,385 1,390 1,024 1,268 994 1,467 15.1 17.5

香港 260 300 299 352 432 550 450 509 365 482 5.0 5.8 タイ 80 105 120 126 167 192 178 215 145 261 1.5 3.1 シンガポール 77 90 94 116 152 168 145 181 111 142 1.5 1.7 豪州 172 194 206 195 223 242 212 226 163 207 3.3 2.5 米国 656 760 822 817 816 768 700 727 566 717 12.6 8.6 カナダ 126 142 150 157 166 168 153 153 101 136 2.4 1.6 英国 201 216 222 216 222 207 181 184 140 174 3.8 2.1 フランス 85 96 111 118 138 148 141 151 95 131 1.6 1.6 ドイツ 94 106 118 115 125 126 111 124 81 109 1.8 1.3 マレーシア 65 72 78 86 101 106 90 115 82 130 1.3 1.6

インド 48 53 59 63 68 67 59 67 59 69 0.9 0.8

ロシア 45 57 64 61 64 66 47 51 34 50 0.9 0.6

インドネシア 65 0 0 60 64 67 64 81 62 102 1.2 1.2

その他 546 662 711 615 681 703 643 707 520 718 10.5 8.6

総数 5,212 6,138 6,728 7,334 8,347 8,351 6,790 8,611 6,219 8,368 100.0 100.0

うち、北東・東南アジ

ア諸国のシェア* 62.2% 62.8% 63.4% 67.9% 70.0% 70.1% 66.9% 72.2% 71.7% 72.4%

うち、韓・中・台の

シェア 51.7% 53.5% 54.6% 57.8% 59.0% 57.2% 53.3% 59.5% 59.4% 59.0%

うち、欧州・米・豪の

シェア 26.4% 25.6% 25.2% 22.9% 21.0% 20.7% 22.8% 18.8% 19.0% 18.2%

出所:日本政府観光局(JNTO)

は各国の最高値記録

*: 東南アジア諸国の中にベトナムは含まれない。

構成比 (%) 訪日客数 (千人)

アジア諸国におけるアジア域内旅行者数

アジア各国毎に訪日旅行市場のシェアや順位は異なる(下表)。

アジア各国からのインバウンド観光振興を検討するに際しては、各国の経済・社会・政治情勢等を踏まえた出国者数全体の今後の成長予想、競合 国との関係における日本の相対的な位置付けの変化と今後の見通し、各国国民の海外旅行における一般的な嗜好特性等の分析が重要となろう。

【韓国】

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位

日本 2,117 20.6% 2 2,440 23.1% 2

韓国

台湾 196 1.9% 217 2.0%

中国 3,924 38.2% 1 4,076 38.5% 1

香港 719 7.0% 4 891 8.4% 3 フィリピン 572 5.6% 5 741 7.0% 5 ベトナム 422 4.1% 496 4.7%

カンボジア 285 2.8% 290 2.7%

タイ 1,093 10.6% 3 805 7.6% 4

マレーシア 189 1.8% 264 2.5%

シンガポール 455 4.4% 361 3.4%

インドネシア 296 2.9%

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位

日本 812 4.3% 5 1,413 4.5% 4

韓国 897 4.8% 4 1,875 6.0% 2

台湾 254 1.3% 1,631 5.2% 3

中国

香港 13,591 72.1% 1 22,684 72.8% 1

フィリピン 134 0.7% 187 0.6%

ベトナム 516 2.7% 905 2.9%

カンボジア 81 0.4% 178 0.6%

タイ 949 5.0% 3 1,122 3.6%

マレーシア 439 2.3%

シンガポール 1,037 5.5% 2 1,171 3.8% 5 インドネシア 147 0.8%

【中国】

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位

日本 1,309 13.3% 3 1,268 12.3% 3

韓国 338 3.4% 5 406 3.9% 4 台湾

中国 4,413 44.9% 1 5,141 49.8% 1

香港 2,177 22.2% 2 2,165 21.0% 2

フィリピン 115 1.2% 142 1.4%

ベトナム 275 2.8% 334 3.2%

カンボジア 85 0.9% 91 0.9%

タイ 475 4.8% 4 369 3.6% 5 マレーシア 182 1.9% 211 2.0%

シンガポール 219 2.2% 191 1.9%

インドネシア 236 2.4%

【台湾】

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位 日本 126 3.3% 6 215 5.5% 7 韓国 129 3.3% 5 261 6.7% 5

台湾 96 2.5% 93 2.4%

中国 592 15.4% 2 636 16.3% 2

香港 396 10.3% 3 450 11.5% 3

フィリピン 26 0.7% 37 0.9%

ベトナム 124 3.2% 223 5.7% 6 カンボジア 77 2.0% 96 2.5%

タイ

マレーシア 1,892 49.1% 1 1,459 37.4% 1 シンガポール 356 9.2% 4 430 11.0% 4 インドネシア 42 1.1%

【タイ】

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位 日本 116 0.8% 7 181 1.1% 6 韓国 88 0.6% 113 0.7%

台湾 184 1.3% 6 241 1.5% 5

中国 828 6.0% 3 1,004 6.2% 2

香港 588 4.3% 5 710 4.4% 3 フィリピン 81 0.6% 121 0.8%

ベトナム 105 0.8% 0.0%

カンボジア 31 0.2% 45 0.3%

タイ 687 5.0% 4 604 3.8% 4 マレーシア 9,656 70.1% 1 13,042 81.2% 1 シンガポール

インドネシア 1,402 10.2% 2

【シンガポール】 【インドネシア】

2006 構成比 順位 2010 構成比 順位 日本 60 1.4% 8 81 1.2% 8 韓国 63 1.4% 7 95 1.5% 7 台湾 91 2.1% 6 124 1.9% 6 中国 433 9.9% 3 573 8.9% 3 香港 324 7.4% 4 453 7.0% 4 フィリピン 23 0.5% 32 0.5%

ベトナム 21 0.5% 0.0%

カンボジア 7 0.2% 13 0.2%

タイ 220 5.0% 5 286 4.4% 5 マレーシア 1,217 27.8% 2 2,507 38.7% 1 シンガポール 1,922 43.9% 1 2,305 35.6% 2 インドネシア

(出所)「JNTO 日本の国際観光統計(2010)」、「日本旅行業協会ウェブページ」より作成

(単位:千人)

Ⅱ-2.タイ、インドネシアのアウトバウンド観光市場

第Ⅱ章 アウトバウンド(発地側)事情調査

タイのアウトバウンド観光市場

タイ人のアウトバウンド観光における日本の位置付けは、東日本大震災後も人気の高さは大きく変わらないが、訪日旅行の割高 感や、若年層を中心としたより安価な韓国(訪日旅行の

1/2

以下)の人気上昇等、グローバル競争の影響を受けている。

タイ人訪日観光客のうちリピーター層は6割を超える水準となっており、訪問地は多様化している。従来のゴールデンルートの他に、

最近の人気訪問先として、北海道(右写真)、立山黒部アルペンルート・白川郷、九州、長野県(妻籠・白樺湖)などが挙げられる。

タイ人訪日観光客が重視する観光要素は、日本食、買い物、温泉や自然景観といった日本独特の経験・空間、の順。

企業のインセンティブ旅行の割合が高いこと、近時は働く女性の割合が増加していること等も特徴。

タイの旅行事業者の特徴として、訪日旅行の取扱を主とする旅行会社の数が多く、超富裕層に特化してユニークな訪日ツアーを 販売する旅行会社等、特徴を有する会社もある。

ビザの要件緩和は進んだものの、手続き簡素化や申請料減免を期待する声も大きい。

(出所)JTB Thailand HP

【タイ人の海外旅行者数 (

2011

年)】

(出所)タイ国政府観光庁「Tourism Expenditure By Outgoing Thai Travellers, Year: 2011 January- Deemeber Total」、北米等のデスティネーションが含まれていない点、要留意。

人数(人) 増減(%) 増減 USド ル/日 増減(%)

合計 5,397,248 1.11 5.02 -0.04 147.76 4.11

ア ジ ア 4,392,862 0.62 4.48 -0.05 141.75 2.81

ASEAN 3,354,870 2.49 4.19 -0.04 130.48 4.04

インドネシア 55,193 2.15 4.88 -0.41 128.66 5.64

 ラオス 925,830 4.28 3.61 -0.10 99.55 6.80

 マレーシア 1,801,883 1.81 4.24 -0.02 136.07 2.69

 ミャンマー 69,266 -3.61 3.97 0.14 101.19 2.46

 シンガポール 344,286 6.52 5.24 0.14 172.09 3.02

 ベトナム 104,005 -8.00 4.53 -0.15 126.76 4.58

中国 285,841 -1.37 5.13 0.11 155.41 3.39

香港 210,738 3.81 4.94 0.19 186.32 2.83

日本 191,209 -28.77 6.27 -0.23 196.86 3.74

韓国 150,202 9.87 5.40 0.07 165.33 3.27

台湾 130,060 7.47 5.93 -0.13 151.45 3.45

欧州 498,433 4.69 7.63 0.03 180.07 6.61

デス ティネーシ ョン 観光客数 滞在日数 一人当たり支出額

インドネシアのアウトバウンド観光市場

インドネシア人のアウトバウンド観光市場は萌芽期にある。一般に親日的な国と捉えられ るものの、訪日旅行の割高感や、韓国やシンガポール等による積極的なマーケティング活 動もあり、訪日旅行の人気はタイとの比較ではそれ程高くない(写真:地元大手旅行会社チ ラシ参照)。

インドネシア人の訪日旅行は、ゴールデンルートが中心。北海道、立山黒部アルペンルー ト等が販売されるも、複数の地場旅行会社から日本の観光地に関する情報不足が指摘され た。

テーマパーク、買い物が重要な観光要素。温泉や歴史遺産への関心は総じて低い。

企業のインセンティブ旅行の割合が高いことは、タイと共通。

ビザ取得のハードルの高さも特徴。

ハラルについて、個々人により許容度に差はあるものの、豚肉とラードは不可との見解が 多く聞かれた。

(出所)Panorama Toursチラシ

【インドネシア人の外国旅行者数

(百万人)

と対人口比率】

両国からの訪日アウトバウンド観光市場拡大に向けて

 両国とも今後の富裕層・中間所得層の増加に伴い(下図)、アウトバウンド観光市場の更なる成長が期待され るものの、これを睨んだ市場獲得競争の一層の激化も想定される。

 訪日旅行の位置付けは、両国で異なっている(タイ:日本の人気、リピーター比率とも高く、訪問先も多様化。イ ンドネシア:日本の人気はこれからで、ゴールデンルートが中心)。日本のインバウンド観光関係者においては、

両国における海外旅行市場の現状・見通しと旅行者のセグメント、競合市場との関係における訪日旅行の相対 的位置付け(強み・弱み)等にかかる認識の共有が重要である。

 地場旅行会社等からは、日本のインバウンド観光関係者による非効果的なプロモーション活動やビジネスマイ ンドの低さも指摘されており、現地の旅行業界関係者や訪日旅行者のニーズを踏まえた的確な対応に加え、競 争市場との差別化や連携を意識した効果的なマーケティング(新しい観光ルート形成を含む)が重要となろう。

 これらを実現する上で、現地関係者との信頼関係構築に向けた地道な取組は必須である。

各層の定義(世帯可処分所得)

富裕層 :35,000ドル超

アッパーミドル :15,000ドル超 35,000ドル以下 ローワーミドル :5,000ドル超 15,000ドル以下 低所得層 :5,000ドル以下

【富裕層・中間層の増加見通し】 (単位:千人)

①タイ ②インドネシア

(出所)Euromonitor International

Ⅱ-3.アジアから日本への訪日外客数予測

第Ⅱ章 アウトバウンド(発地側)事情調査

訪日外客数モデル推定

需要予測にあたっては、まず、2003年~2012年までのアジア主要10ヶ国の訪日外客数のパネルデータを用いて、固定効果モデルに よるパネル推定を行う。

訪日外客数に影響を与える要素としては、相手国の経済規模、為替レート、震災の影響などが考えられることから、説明変数には、

相手国の名目

GDP

、名目実効為替レート、

2011

年ダミー変数の3変数を用いる。なお、距離も訪日外客数に大きな影響を与えるが、こ こでは固定効果モデルを用いるため、距離は固定効果項に反映されている。

ln( 訪日外客数 ) =固定効果+ 0.78018 × ln( 名目 GDP)0.33073 × ln( 名目実効為替レート )0.30602 × 2011 年ダミー変数

(14.47) (-1.94) (-5.39)