¾ 2001~2003 年度 ナモシ 資源開発協力基礎調査(実績)
・資源開発調査
¾ 1990~1992 年度 ヴィチレブ
¾ 1995~1997 年度 ヴァヌアレブ
・環境基礎調査
¾ 2002~2003 年度 ヴィチレブ島南部
第 2 部 地質解析 1. 地質・地質構造 1-1. 地質概要
フィジー諸島は、新生界の岩石から構成され、最古の岩石は、始新世後期~中新世中期
(40~36.5Ma)の玄武岩、デイサイト、石灰岩であり、中新世中期~後期にはガブロ、ト ーナライト、石英トーナライトからなる Colo 深成岩類が活動する。最新のものはロツマ島
(Rotuma)及びタベウニ島(Taveuni)にみられる有史時代の(紀元前 20,000 年以降)火 山噴出物である。
8Ma ごろからは、玄武岩・安山岩・デイサイトの活動が、ヴィチレヴ島(Viti Levu)の 北西で見られた。また中新世後期~鮮新世前期にはヴィチレヴ島北部で、カルクアルカリ の火成活動が起きた。また鮮新世初め(5.6~3Ma)には、ヴィチレヴ島北部でアルカリに 富むショショナイト系列の火山岩類が噴出した。3Ma 以降はアルカリ玄武岩の噴出がヴァ ヌアレヴ島(Vanua Levu)の西部で見られる。
これらの火成活動に伴い、鉱脈、ポーフィリータイプ、スカルン、黒鉱の各鉱床が生成 された。この他の鉱床としては、地表付近で生成したボーキサイト、マンガン鉱床がある。
1-2. 地質層序
1-2-1. 始新世及び漸新世
フィジー諸島において、前期第三紀の岩石は、ヴィチレヴ島、ママヌザ諸島(Mamanuca)
及びヤサワ諸島(Yasawa islands)のみにみられる火成岩類及びそれらの再堆積物で、少 量の炭酸塩岩を狭在する。岩石の時代は始新世から漸新世に及び、Hathway and Colley
(1994)は、これらをヤブナ層群(Yavuna Group)及びワイニマラ層群(Wainimara Group)
としている。
ヴィチレヴ島南東部に分布するヤブナ層群は、粗粒火山砕屑岩ユニットを狭在する玄武 岩質枕状溶岩、少量のデイサイト質凝灰岩及び角礫岩、さらに後期始新世から漸新世にか けての礁性石灰岩よりなる(Cole 1960; Hathway and Colley 1994)。また、巨大なトー ナライト岩体(ヤブナ岩株)、小規模なはんれい岩質ポッド及びドレライトの岩脈が貫入 しており、Hathway and Colley(1994)はこの貫入活動のフェーズを 35Ma から 27Ma にか けての南フィジー海盆(South Fiji Basin)の拡大に伴うヤコブ弧の分離に関連づけた。
貫入岩体について、ヤブナトーナライトから 33~34Ma(McDougall 1963; Whelan et al.
1985)、はんれい岩質ポッドから 35Ma の年代値が得られている。
ワイニマラ層群は、ヴィチレヴ島の南西部、ヤブナ層群の南側に分布する。これはヤブ ナ層群とは異なったシーケンスをもつ枕状溶岩で、薄層の半遠洋性堆積岩及び酸性凝灰岩 類の狭在を伴う。時代は最末期漸新世を示す(Bronnimann 1980; Zaninetti 1980a-b)。
また、ママヌザ諸島及びヤサワ諸島南部のワヤ(Waya)の枕状溶岩、火砕岩及び石灰岩 はワイニマラ層群と類似したシーケンス及び年代を示す。
1-2-2. 前期及び中期中新世
ヴィチレヴ島における前期及び中期中新世の岩石はワイニマラ層群にみられ、島の中央 部、南西部及び北東部に分布する。ヴィチレヴ島中央部における年代測定値の信頼性はあ まり高くなく、ワイニマラ層群の時代は始新世から漸新世の一部といえるのみ(Rodda 1967)だが、唯一信頼できる古生物学的なデータ(Rugless 1983a)及び Ar-Ar 放射年代
(Whealan et al. 1985)は前期~中期中新世を示す。ヴィチレヴ島南西部の石灰岩岩体は 前期中新世の時代を示し(c. 19Ma)、北東部の石灰岩は中期中新世の時代を示す(c. 14Ma)。
地質は主に浅海性の粗粒な角礫岩及び火山角礫からなり、まれに凝灰岩を伴っている。組 成は玄武岩質からデイサイト質に及ぶが、火山の中心を確認するのは困難である。溶岩の 高い割合は噴火の中心付近を示している。デイサイト質から玄武岩質の組成を示す初生火 山岩類はサブラ火山岩類層群(Savura Volcanic Group)中にみられ、ヴィチレヴ島の南東 部に分布する。その時代は前期~後期中新世と推定されるが、確証は得られていない。
ヤサワ諸島及びママヌザ諸島には確実に前期~後期中新世とみられる岩石が分布する
(Rodda and Lum 1990)。これらは、ワイニマラ層群と類似しており、岩種は枕状溶岩及 び角礫岩、デイサイト溶岩及び石灰岩に及ぶ。ヤサワ―ママヌザ列の古期岩石は以前から
ワイニマラ層群に対比されると考えられている。また、ヴィチレヴ島及びヤサワ―ママヌ ザ列の古い岩石は沸石相~緑色片岩相の変成作用を被っている。
ラウ諸島(Lau islands)において最も古い岩石はラウ火山岩類層群(Lau Volcanic Group)
及びフツナ石灰岩(Futuna Limestone)と呼ばれ、後者の古生物学的な時代はおよそ 12Ma を示す。最も古い K-Ar 年代値は、輝石安山岩溶岩を測定したもので、14.55Ma±0.29Ma を 示す(Whelan et al. 1985)。
1-2-3. 中期及び後期中新世―ゾロ造山期(Colo orogeny)
中期中新世の最後期から後期中新世の大部分にかけては造山活動の期間であり、ワイニ マラ層群に褶曲及び断層作用が及んだ。
ヴィチレヴ島の南部及び中央部において始新世及び中期中新世の地層はわん曲した帯状 に分布する。分布帯は ENE から WNW 方向に向きが変わり、その曲がりにおおよそ沿って褶 曲変形をしている。いくつかの褶曲の核は伸張した深成岩体で、ゾロ深成岩類(Colo Plutonic Suite)と呼ばれている。この状況から Band(1986)は、貫入岩体の活動を造山 運動同時とした。褶曲と深成岩体との関係はよくわかっておらず、褶曲が真に地殻の短縮 によって引き起こされたのか、あるいは、深成型のドーム上を覆ったのか決定するには、
さらなる研究が必要である。主な岩種はトーナライト及びはんれい岩で、周縁部にトロニ エマイト、閃緑岩及び角閃石安山岩-微閃緑岩が卓越する。厳密な意味での花崗岩はほとん どなく、わずかに、貫入岩に関連した酸性火山活動がみられる。ヴィチレヴ島のより深く 侵食された箇所において、粗粒な深成岩体がよくみられることから、深成岩体はヴィチレ ヴ島南部及び中央部の大部分について深成岩体が基盤になっていることを支持している。
ヴィチレヴ島の‘基盤’をなしていると思われる。空中磁気探査のデータは、ヴィチレヴ 島南部及び中央部の大部分について深成岩体が基盤になっていることを支持している。
ゾロ深成岩体の信頼できる最も古い年代値は、ヴィチレヴ島中央部ワイニマラ岩株の 12.46±0.51Ma である(Whelan et al. 1985)。最も若い岩株の年代値は、K-Ar 年代測定 の信頼性の問題から確かではないが、ヴィチレヴ島南部のコロレブ岩株(Korolevu Stock)
は、おそらく 7Ma よりも若い値を示す(Rodda and Lum 1990)。
ゾロ造山運動に続いて、フィジー諸島域には最初の実質的な陸地が形成された(Rodda and Lum 1990)。急激な隆起は、おそらく、深成岩体のアイソスタティックなドーミング に関連している。その隆起によって深成岩類の激しい浸食及び急激なルーフの削はくが引 き起こされた。深成岩体の砕屑物を多量に含む礫岩層準が、ある深成岩体の脇に位置し、
それらの化石動物群は 6.5~7.0Ma の年代を示す。
1-2-4. 後期中新世から現世(Recent)
フィジーでは、ゾロ造山期の終焉に続いて、6.5Ma から 2.5Ma にかけて広範囲に及び大 規模な火山活動が起こった。
ヴィチレヴ島における後期中新世の火山活動は、東南東部においてメンドロウスズ層群
(Medrausucu Group)中のカルクアルカリ火山岩類の噴出によって始まった。初生安山岩 類はナモシ(Namosi)地域に卓越し、巨大なカルデラを形成したと思われる。この地域か ら、特に東側へ離れるに従い、特徴的な相は、火山砕屑及びその二次的な堆積岩類へと変 化する。これらがメンドロウスズ層群と呼ばれている。同時期に、ヴィチレヴ島の西部に おいても小規模だが類似したカルクアルカリ岩質の活動が起こっている。この火山活動に よる堆積は広範囲に及ぶ。堆積物は、同時期の火山活動の中心部に加えて、より古いワイ ニマラ-ゾロ‘基盤’の侵食によってもたらされている。多くの堆積物は小規模なプルアパ ートベーズンに堆積している。この構造は、フィジーの後期中新世における走向移動的な 構造運動に関連している(Hathway 1993)。これらの堆積岩類及び同時期の火山岩類はナ ンディ(Nadi)、トゥバ(Tuva)、ナボサ(Navosa)、ブズ(Cuvu)、及びラ堆積岩類層 群(Ra Sedimentary Groups)からなる。これらのすべての層群は、ワイニマラ層群及びゾ ロ深成岩類を不整合に覆い、多くの箇所で、その基底部にワイニマラ層群及びゾロ深成岩 類の居礫や大礫を含んでいる。
前期鮮新世までに、火山活動の中心はヴィチレヴ島の北方へ移動した。この活動は、主 にショショナイト質及びカリウムに富んだカルクアルカリ岩の噴出を伴っており、いくつ かの重要な火山活動の中心部を形成した(例えば、タブア(Tavua)、ラキラキ(Rakiraki)、
ブンダ(Vuda))。火山岩及び同質火砕岩は、コロイマブア(Koroimavua)及びバ火山岩 類層群(Ba Volcanic Groups)と呼ばれる。溶岩、角礫岩及び海底-陸上どちらの火砕岩の 堆積物についても、ヴィチレヴ島の西側では、一般に、アルカリ岩質あるいはショショナ イト質の組成を示す(Ibbotson 1967; Dickinson et al. 1968; Colley 1974)。しかし、
東へ向かうにしたがい、よりソレアイト質あるいはカルクアルカリ岩質の特徴を示すよう になる(Seeley and Searle 1970)。
ヴィチレヴ島では、前期鮮新世になってもかなりの隆起が起こっていた。おそらく、ア イソスタシー運動の継続及びトランスプレッショナルな構造運動のためと思われる。タブ ア火山には標高 880m に枕状溶岩が分布し、火山全体が北へ 10 度傾いている。
バ型の火山活動の東進により、ラマイビティ諸島(Lomaiviti islands)において独立及 び複合火山が形成された。これらの岩石学的なタイプ及び化学組成はバ火山岩類層群と相 関があり、放射年代測定は、5.0~3.5Ma の値を示した。Coulson(1976)は、より大きな 島々(例えば、オバラウ島(Ovalau)、ガウ島(Gau))において、いくつかの噴火活動の 中心部を発見した。そこでは、カルデラの発達により、いくつかの火山下部におけるモン ゾナイト質貫入岩の存在が明らかとなっている。これは、バ-コロイマブア層準にみられる アルカリ質の小規模な貫入岩体と類似している(Colley 1974)。ラマイビティ諸島におけ る岩種の変化は、塩基性岩のソレアイト質、カルクアルカリ岩質、ショショナイト質及び アルカリ質な組成に及んでいる。また、主に陸成の火山岩類からなり、いくつかの島では 層序の基底部に枕状溶岩がみられる。
ヴァヌアレヴ島の火山活動は、後期中新世に始まった。この時期、島の北東部ではウン