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ドキュメント内 小 島 大 徳 (ページ 30-36)

企 業 の 情 報 開示 とあ わせ て 、 さ らに 企 業 の 自発 的 なIR活 動 を 活 発 にす る こ とが 求 め られ て い る 。

(2)IR活 動 の こ れ か ら

IR活 動 の 抱 え る問 題 点 を解 決 し、 本 来 のIR活 動 の意 義 で あ る企 業 経 営機 構 と機 関 投 資 家 とを 繋 ぐ役 割 を実 現 す る た め に は 、 以 下 の課 題 へ の 取 り組 み が

srス ク ラ ン ブ ル 「米 国 の 選 別 的 情 報 開 示 規 制 が 投 げ か け た 問 題 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会 , No.1572,9月25日 号,2000年,42頁.

s7宮 島 司 「会 社 法 改 正 と コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会

,No。1569,8月 25日 号,2000年,31頁.な お 、 こ れ に よ る と 、 情 報 開 示 に 関 す る 商 法 改 正 項 目 と して 、 「① 会 社 情 報 の 開 示 の 充 実(公 告 の 方 法 の 見 直 し、 計 算 書 類 の イ ン タ ー ネ ッ ト公 開 、 登 記 情 報 の 充 実 、 親 子 会 社 情 報 の 開 示 の 充 実 等)、 ② 計 算 規 定 の 見 直 し(公 開 会 社 の 計 算 規 定 と 証 券 取 引 法 の 会 計 規 則 と の 調 和 、 連 結 決 算 情 報 の 開 示 、 会 計 基 準 設 定 主 体 へ の 基 準 設 定 の 委 任 、 資 本 準 備 金 に よ る 株

必 要 と考 え る68。今 後 は、 以 下 の3つ の 要 素 か ら、 よ りよい コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 を求 め て い く こ とが必 要 で あ る と考 え る69。

第1に 、 効 果 的 な情 報 発 信 を実 現 す る た め に は 、IR活 動 の 対 象 を 投 資 家 や 顧 客 、 取 引先 や社 員 な どに 分類 し、 企 業 に とっ て 関係 構 築 を 重視 しな けれ ば な らな い 対 象 を選 定 す る必 要 が あ る。 例 えば 、 「 均 質 かつ 公 平 な情 報 伝 達 は 、 効 率性 の 点 で 問題 を含 ん で い る。 つ ま り、 現 在 以 上 に 企 業 との 関係 を深 め よ

う とは 思 っ て い な い利 害 関係 者 に対 して 、 い く ら詳 細 な 情 報 を発 信 した と し て も、 そ こか ら得 られ る便 益 は 、 最 大 限 で 現 状維 持 で あ る。 そ の 一 方 で 、 よ り密 接 な 関係 構築 に 関 心 を も って い る利 害 関係 者 で あれ は 、 現 状 を上 回 る便 益 が 期 待 で き る70」との 指 摘 の よ うに 、IR活 動 に とっ て対 象 を 明確 化 す る こ

とが大 切 で あ る。 この よ うに 、選 定 した 対 象 ご との 特 徴 や 必 要 性 に 合 っ た情 報 発 信 を行 っ て い く こ とが望 まれ る。 な か で も、今 後 は 、IR活 動 の 中 で 、 主 と して株 主や 投 資 家 に 向 け た コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を重 視 したIR活 動 が 重 要 に な っ て い く と思 われ る。

第2に 、IR活 動 の 強 化 を 図 る た め に は 、 提 供 可 能 な 情 報 を充 実 す る こ とが 不 可欠 で あ る。 米 国 の 電 子 情 報 開示 シ ス テ ム で あ るEDGARシ ス テ ム で は 、 す で に財 務 諸 表 の 電 子 メ デ ィア 化 が 実 現 して い るだ け で な く、 将来 的 に は利 用 者 が 自 由 に集 計 ・ 加 工 可 能 な情 報 開 示 の 可 能 性 ま で 検 討 され て い る。 情 報 の 質 的 改 善 は 、 情 報 の信 頼 性 に も関係 す る。 信 頼 性 は 、発 信 した 情 報 を正 し

く理 解 して も ら うこ とに も役 立 つ 。 提 供 情 報 の信 頼 性 は 、 「 継 続 的 な 関係 を 維 持 ・構 築 す る うえで 最 も望 ま しい選 択 で あ る71」と指 摘 され る よ うに 、 良

sNな お

、IR活 動 を 戦 略 的 視 点 を備 え た 情 報 開 示 を 展 開 す る た め に は 、 「① 企 業 と 市 場 の 双 方 向 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 ② 開 示 情 報 の 信 頼 性 の 確 保 、 ③ タ ー ゲ テ ィ ン グ(中 條 祐 介 「IRと利 益 の 質 一IRの 量 的 充 実 か ら 質 的 充 実 に 向 け て 」 『季 刊 ビ ジ ネ ス ・イ ン サ イ ト』 第7巻 第1号,1999年,16‑25頁.)」

を 確 立 す る こ とで あ る と して い る 。 63情 報 開 示 とIRに 関 して

、 日本 企 業 に 欠 如 して い る の は 、 「① 社 内 情 報 管 理 シ ス テ ム と 情 報 フ ロ ー シ ス テ ム 、 ② デ ィ ス クR一 ジ ャ ー 内 容 や 責 任 分 担 な ど の 徹 底 的 議 論 と社 内 コ ン セ ン サ ス 、 ③ 投 資 家 ・ 株 主 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン へ の 前 向 き な 姿 勢(岩 田 宜 子 「情 報 開 示 ポ リ シ ー 作 り の3原 則 」 『日 経 ビ ジ ネ ス 』 第1065号,11月6目 号,2000年,55‑56頁.)」 の3項 目 を 挙 げ て い る 。 ま た 、 こ の3項

目 に 注 目 してIR活 動 を 行 うべ き で あ る と 指 摘 して い る 。 7。中 條 祐 介 「IR活動 の 戦 略 的 展 開 」 『産 業 経 理 』 産 業 経 理 協 会

,Vol.55No.4,1996年,36‑37頁.

71中 條 祐 介 「IR活動 の 戦 略 的 展 開 」 『産 業 経 理 』 産 業 経 理 協 会

,Vol.55No.4,1996年,35‑36頁.

コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス と情 報 開 示 ・IR活 動31

質 の 情 報 提 供 を継 続 的 に行 うこ とが 求 め られ て い る。 日本 に お い て も、 証 券 取 引 所 に お い て も 日本 版EDGARシ ス テ ム で あ るEDINET電 子 情 報 開 示 シ ス テ

ム(ElectronicDisclosurefbrInvestor'NETwork)72の 構 築 が 進 め ら れ て お り 、

企 業 に お け るIR情 報 の提 供 の本 格 実 施 が望 ま れ て い る。

第3に 、 企 業 が 、 証 券 ア ナ リス トや 投 資 家 な ど との 対 話 を 強化 す る た め に は 、情 報発 信 だ け で な く、意 見や 問 い 合 わせ に積 極 的 に 対応 してい く こ とが 重 要 で あ る。 そ の た め に は 、 イ ン ター ネ ッ トな どの双 方 向性 の 特 徴 を持 つ 媒 体 を 活 用 し て い く こ と が 望 ま れ る7374。 近 年 で は 、 形 骸 化 が 叫 ば れ て 久 し い 株 主 総 会 を 、IR活 動 の 舞 台 と して 位 置 付 け る 企 業 も 出 現 して い る75。企 業 は 、 可能 な 限 り様 々 な場 を通 じて利 害 関係 者 に 対 してIR活 動 を行 っ て い く努 力 が 必 要 で あ る。

7'?証 券 取 引 法 に 基 づ く 有 価 証 券 報 告 書 等 の 開 示 書 類 に 関 す る 電 子 開 示 シ ス テ ム (EDINET)は 、 紙 形 態 で 提 出 され て い る 開 示 書 類 を イ ン タ ー ネ ッ トを 利 用 し た オ ン ライ ン で 提 出 し、 こ れ らの 開 示 書 類 を 財 務 局 の 閲 覧 室 に 設 置 す る モ ニ タ ー 画 面 に よ っ て 公 衆 縦 覧 に 供 す る と と も に 、 イ ン タ ー ネ ッ トを 利 用 し て 広 く 一 般 に 提 供 し よ う とす る シ ス テ ム で あ る(大 蔵 省 関 東 財 務 局rEDINETの 試 験 運 用 に つ い て 」 『JICPAジ ャ ー ナ ル 』 日本 公 認 会 計 士 協 会,No.544,11月 号, 2000年,36頁)。2000年12月 現 在 、EDINETは 、 試 験 運 用 中 で あ り 、2001年6月1目 よ り本 格 稼 働 す

る 予 定 で あ る 。 な お 、EDINETの 詳 細 に つ い て は 、 以 下 を 参 照 の こ と。

大 蔵 省 関 東 財 務 局rEDINETの 試 験 運 用 に つ い て 」 『JICPAジ ャ ー ナ ル 』 日本 公 認 会 計 士 協 会,No.

544,ll月 号,2000年,36‑40頁.

73今 後

、 商 法 改 正 に よ り 、 株 主 総 会 の 招 集 通 知 や 議 決 権 行 使 を 電 子 メ ー ル や イ ン タ ー ネ ッ トを 活 用 し て 行 う方 向 に あ る 。 ま た 、 詳 し く は 、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と 。 『日本 経 済 新 聞 』2000年10月 11日 付.

㍗11R活 動 の ペ ー ジ を 有 す る企 業 ホ ー ム ペ ー ジ の 中 に は 電 子 メ ー ル に よ る 問 い 合 わ せ を 行 い

、 対 象 と な る 利 害 関 係 者 単 位 で ペ ー ジ 構 成 や 発 信 内 容 を 変 え る こ と も 可 能 で あ る 。 イ ン タ ー ネ ッ トを 中 心 と し た1R活 動 は 、 投 資 家1人1人 と密 接 な 関 係 を 築 き 、 維 持 し て い く こ と が で き る 。

75な お

、 「外 国 の 株 主 に 対 す る 情 報 開 示 を 念 頭 にIR活 動 を 進 め な け れ ば な ら な い(小 林 啓 文 「IR型株 主 総 会 の す す め 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会,No.1558,4月25日 号,2000年,31‑34頁.)」 と し、

そ の 具 体 的 方 法 と し て 、 企 業 は 、 「IR型株 主 総 会 も 、 当 然 こ の こ と を 念 頭 に 運 営 さ れ る べ き で あ る 」 と し て い る 。 ま た 、IR活 動 の 観 点 か ら の 株 主 総 会 に つ い て 、 「① 株 主 へ の 招 集 通 知 の 内 容 に つ い て イ ン タ ー ネ ッ トを 通 じ広 く投 資 家 に 知 らせ る 、 ② 報 告 事 項 や 決 議 事 項 等 に 関 し 、 株 主 か らイ ン タ ー ネ ッ トで 質 問 ・意 見 を 受 け 付 け 、 こ れ に 答 え る 、 ③ 株 主 総 会 に お い て 、 招 集 通 知 に 記 載 され て い る 内 容 に つ い て は 、 可 能 な 限 り省 略 し、 法 律 上 要 求 さ れ て い な い が 、 説 明 を 加 え た 方 が よ い と 考 え られ る 内 容 お よ び イ ン タ ー ネ ッ トで の 質 疑 応 答 内 容 を 中 心 に 説 明 す る 、 ④ 営 業 報 告 書 の 内 容 を で き る 限 り グ ラ フ 化 して 、 英 語 へ の 翻 訳 作 業 を 軽 くす る と と も に 情 報 量 を 増 や し 、 世 界 中 の 投 資 家 に わ か りや す く す る(小 林 啓 文 「IR型株 主 総 会 の す す め 」 『商 事 法 務 』 商 事 法 務 研 究 会,No.

1558,4月25日 号,2000年,31‑34頁.)」 と し て 、 抜 本 的 な 改 革 を 提 言 し て い る 。 ま た 、 株 主 総 会 にIR活 動 を 取 り入 れ て い る 現 状 に つ い て は 、 以 下 の 文 献 を 参 照 の こ と。

橋 本 孝 一 「今 年 の 株 主 総 会 を 総 括 す る 一 総 会 と い う儀 式 か らIRの 場 へ の 変 革 一 」 『取 締 役 の 法 務 』

(3)IR活 動 に お け る 今 後 の 方 向 性

今 後 は 、様 々 な場 を活 用 したIR活 動 に よ る情 報 公 開 か ら情 報 提 供 、経 営 参 加 へ の飛 躍 が 求 め られ る。 従 来 の マ ス指 向 のIR活 動 は 、企 業 側 か らの一 方 的 な情 報 公 開 に と どま る こ とが 多 か っ た の に対 して 、今 後 のIR活 動 で は、 対 象 ご とに 構 成 や 内容 を変 え 、 閲 覧 者 の 必 要 に応 じた 情 報 提 供 が 求 め られ て い

る7677。

い ず れ に し て も 、 企 業 に お い て 、 上 述 の(1)IR活 動 の 対 象 の 明 確 化 、 (2)提 供 情 報 の 質 的 改 善 、(3)IR活 動 の 双 方 向 性 、 を 中 心 と した 改 善 方 策 を 実 施 しな けれ ば な らな い 。 そ して 、株 主 指 向 な ど対 象 側 の観 点 か ら情 報 開示 す べ き 情 報 を体 系 付 け 、 企 業 か らの 情 報 提 供 と外 部 か らの 意 見 提 供 とい う双 方 向型 対 話 を実 現 す る こ とを 目指 す べ き で あ ろ う。 企 業 と利 害 関係 者 を結 ぶ IR活 動 を有 効 利 用 す る こ とに よ り、企 業 の新 た な 飛 躍 の き っ か け をつ か む 最 良 の 機 会 で あ る 。 さ らに は 、 これ が 、 よ り一 層 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 に 役 立 つ こ と に な る と考 え る 。

76最 近 で は

、 情 報 開 示 とIR活 動 の イ ン タ ー ネ ッ ト利 用 が 盛 ん で あ る。 た と え ば 、 「企 業 情 報 を入 手 し た い 個 人 とiIR活 動 を 強 化 し た い 企 業 を 会 員 に 募 り 、 ネ ッ トに よ る 情 報 提 供 や 、 会 員 同 士 の 交 流 会 を 企 画 す る(『 日本 経 済 新 聞 社 』2000年10月5日 付.)」 と し た 活 動 や 、 「個 人 会 員 が 入 手 し た い 情 報 を ア ン ケ ー ト調 査 して 企 業 に 回 答 を 求 め る。 企 業 の 役 員 と個 人 投 資 家 を 集 め て 質 疑 応 答 す る 交 流 会(『 日本 経 済 新 聞 社 』2000年10月5日 付.)」 も 行 う例 が あ る 。 な お 、 イ ン タ ー ネ ッ トを 活 用

し た 情 報 開 示 ・IR活 動 に 関 して は 、 以 下 を 参 照 の こ と。

SIR強 化 へ 対 応 急 ぐ」 『日本 経 済 新 聞 』2000年9月21目 付.

「東 急 、ネ ッ ト上 で公 開 」 『日本 経 済 新 聞』2000年8.月15日 付.

「業 績 予 想 説 明 会 を ネ ッ ト中 継 」 『日本 経 済 新 聞 夕 刊 』2000年8月29日 付.

77今 後

、 様hな 利 害 関 係 者 に 対 す る 情 報 提 供 や 意 見 反 映 を 実 境 し て い く た め に 、 イ ン タ ー ネ ッ ト活 用 の 重 要 性 が ま す ま す 高 ま る と予 測 さ れ る。 個 人 投 資 家 な ど小 規 模 株 主 に よ る 実 質 な 経 営 参 加 へ の 道 を イ ン タ ー ネ ッ トが 開 く 可 能 性 が あ る と 考 え られ る 。 電 子 メ ー ル や 電 子 掲 示 板 な ど の 双 方 向 対 話 機 能 を使 う こ と に よ り 、 個 々 の 投 資 家 な ど と 緊 密 な 関 係 を 築 く こ と が で き る 。 さ ら に 、 企 業 外 部 か ら の 経 営 参 加 も 可 能 と な る 。 政 府 は 、 企 業 の 経 営 を 行 う うえ で 、 イ ン タ ー ネ ッ トの 積 極 的 活 用 を 促 す 商 法 改 正 を 検 討 し て い る 。 こ の 検 討 項 目 で は 、 「株 主 総 会 で の ネ ッ ト活 用 な ど は 先 行 実 施 を 求 め る 声 が 強 か っ た た め 、 来 年(2001年 一 筆 者)の 通 常 国 会 を め ど に 商 法 を 改 正 し て2002 年 の 株 主 総 会 か ら利 用 で き る よ うに す る 方 針 を 決 め た 。 具 体 的 に は 、 書 面 の 利 用 を 義 務 づ け て い

る 招 集 通 知 や 議 決 権 行 使 に 電 子 メ ー ル の 利 用 を 認 め 、 発 送 や 定 足 数 確 保 の た め の 事 務 負 担 を 軽 減 す る こ と に した(「 ネ ッ ト株 主 総 会2002年 か ら 」 『日本 経 済 新 聞 』2000年10月11日 付,)」 と 挙 げ ら れ て い る。

コー ポ レー ト・ガ バ ナ ンス と情 報 開 示 ・IR活動33

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