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得られた情報から,母子の関係性のステージを 中心とした内容について分析を試みた.

ドキュメント内 富山大学看護学会誌 (ページ 50-53)

(表9).

坪崎ら 10 ) によると「仕事自体が不規則で,家族 の理解と協力なくしては,看護の仕事は続けにく

3) 得られた情報から,母子の関係性のステージを 中心とした内容について分析を試みた.

5

.用語の定義

・カンガルーケア: 児を母親の乳房の間に抱いて裸 の皮膚と皮膚を接触させながら保育する方法

2)

・ステージ: 本研究では橋本の提唱する発達モデル におけるステージ

15

を指標として用いた.

・関係性: 児の出生時,親は親として生まれ,児の 成長と共に親も育っていき,同時に母子の関係性 は育っていくものであり,「ない」ところから始ま り徐々に発達していくものである

16

倫理的配慮

日本看護協会「看護研究における倫理指針」を 参考にした.具体的には,対象者に本研究の調査 目的を文書にて説明し同意を得た.得られた情報 は研究者間のみで共有し,個人情報には最善の注 意を払った.

結 果

1

.対象の属性( 表1)

富山大学看護学会誌 第6巻2号 2007

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2

.データ分析結果

データは各事例において全KC の回数が異なる 為,それに伴って抽出した場面数も異なった.実 際は,事例A ,F においては

8

場面,事例B 及びC では

5

場面,事例D ,E ,G については

9

場面の 分析を行った.それぞれの場面について〈児の情 報及び母の言動〉〈母子の関係性についての分析

〉の2項目に分け,母子の関係性に焦点を当てた 分析とした.その結果,図3 のように全事例にお いてKC の回数を重ねるごとに母子の関係性は進 展していた.この

7

例の関係性の進展を概観する と,順調に関係性が進展する群と,比較的進展が 緩慢であった群に区別することができた.また,

一時的に児が重篤となり,KC を施行できない状 態となった状況において,関係性のステージが後 退するが,KC 再開によって関係性のステージは 速やかに回復することも観察された.この特徴的 な

3

点については,その詳細を図4 から

7

に示し た.なお,分析と考察で用いた母子の言動の中で も有用と考えられた部分にはアンダーラインを引 いた.

早期産児のカンガルーケアと母子の関係

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7

事例は最短で生後23 日,最長108 日の入院期 間を経て退院したが,表1 のような経過をたどっ ていた.図3 とあわせて考えると,母子の関係性 が比較的緩慢だった2 事例に共通する要因として 在胎週数が短く,児が超低出生体重児であったこ と,および初回KC 開始までの期間が長かったこ とが共通していた.

以上のことから,事例を母子の関係性の進展に おける共通性から前述した3 点の特徴にまとめる と,

1

.KC 施行によるステージの進展が順調であった 事例

2

.ステージの進展が比較的緩慢であった事例

3

.児の状態が一時的に重篤に陥ったが回復した 事例

となった.以後この3 点について明らかになった ことを記述する.

1

.KC 施行による関係性の進展が順調であった事 例

表1 から関係性の進展が順調であった

5

事例

(C

D

,E ,F ,G) に共通していたことは,初回KC が 出生後20 日以内に実施されたことである.中でも 事例D ,F ,G については特に関係性の進展が顕 著であり,この

3

事例は出生後10 日以内にKC を 実施していた.

2

.関係性の進展が比較的緩慢であった事例 図3 より,事例A とB における関係性の進展は 緩慢であったと言える.この

2

事例に共通してい

たことは,表1 から分かるように児の出生週数が 在胎30 週未満であり,体重が

1000g

未満であっ たこと,さらに初回KC 開始が出生後

30

日以上経 過していたことである.

3

.児の状態が一時的に重篤に陥ったが回復した 事例

事例A においては日齢66 日目,事例C では43 日 目に児の状態が一時的に重篤となった.児の状態 が落ち着くまでの間KC は一時中止となった.そ の後児の状態が回復し,事例A では日齢68 日目に,

事例C では59 日目にケア再開した状況を図5 ,6 に 示す.また,これらの事例では表1 に示した矢印 の時点においてKC は一時的に中断され,母子の 関係性は後退した.しかしケア再開に伴いその関 係性は回復していた.KC 再開時における母子の 関係性の分析より,両母親は初回KC 前と同様の 緊張と不安の中で再びケアを行うこととなってい た.

考 察

以上結果より,7 事例の早期産母子の関係性は,

ステージに若干の高低差はあるもののいずれも進 展していたことがわかった.そこで母子の関係性 が進展する過程に影響を及ぼす要因,ならびに

NICU

における援助の方向性について前述の結果 に対応させながら述べる.

1

.KC 施行による関係性の進展が順調であった事 例

5

事例においては,出生後早期にKC が開始さ れたことが関係性の進展に影響を与えたと考えら れる.つまり,クラウス・ケネルが母子の接触が いかに重要か

17

を述べていることを裏付けている と考えられる.また,花沢の対児感情評定尺度を 用いた母子の関係性に関する笹本ら

8)

の先行研究 によると,KC 実施後に母子の関係性が深まった とされている.この結果からも本研究における結 果同様,KC 実施により母子の関係性は進展する ことは明らかと考えられる.

ここで事例D の分析の一部

(

図7) を見てみると,

初回KC において緊張した様子は見られたものの,

ケア後の感想では「嬉しくて涙が出た.」「肌のカ サつきやしわの

1

本,指の

1

1

本,体の凹凸ま 富山大学看護学会誌 第6巻2号 2007

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ドキュメント内 富山大学看護学会誌 (ページ 50-53)